日本の改革

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東京都の感染者1日200人超え:東京都は「夜の町」対策を強化し、自衛隊の対特殊武器衛生隊の災害派遣の要請を

東京都の新型コロナ陽性患者数が1日200人を超え、東京都医師会は医療崩壊への危機感をあらわにしています。東京都は、夜の町への対策強化に加え、自衛隊の対特殊武器衛生隊の災害派遣を要請すべきです。

体制は整えつつも、東京の医療体制は綱渡り

昨日4月17日、東京都の1日の陽性患者数が201名で過去最高となりました。東京都の感染者数等のデータは色々と不完全で、1日ごとの動きに一喜一憂するものではありませんが、深刻な状態なのは確かです。

都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト

これが2週間前の感染状況を反映しているならば、4月3日前後の状態となります。4月7日の緊急事態宣言の数日前ではありますが、東京都等は相当強い対策を行っているときでも、まだ感染拡大をしていたことになります。3月23日に都知事がロックダウン発言をして、3月25日には週末と夜間の外出自粛要請を行い、4月1日には専門家会議が強い警告を発していました。

東京都も、都下の各区も、東京都医師会も、医療体制の整備をかなり進めてはいます。

病床確保については、ホテル3社の協力が得られ、既に軽症者等の移動を進め、入院を経ないでホテルに隔離することも可能にし、各区や東京都医師会による独自のPCR検査も進められています。それぞれ、大変大きな進歩です。

軽症者をホテルに直接搬送 東京都、病院の負担軽減 :日本経済新聞

東京都千代田区、検査件数3倍に 仮設診療所設置 :日本経済新聞

医師会がPCR検査所 新宿など都内20カ所に設置へ :日本経済新聞

それでも昨日、東京都医師会は記者会見で、強い危機感を表明しました。尾崎治夫会長は、「感染のスピードがこれ収まらないと、いくら病床を用意して、宿泊施設を用意して、我々がいくら軽症者を自宅で診るような事態になって頑張っても追いついていけない」と主張しています。

headlines.yahoo.co.jp

緊急記者会見(令和2年4月17日開催)

医療体制の整備と、外出自粛要請の強化と、両方を進める必要があります。

小池都知事は昨日、NHKの番組で、「非常に切迫した状況が数字で見て取れる。専門家の皆さんの意見を伺いながら、これまでと違う対応策も必要だと考えている」と述べ、対策強化を示唆しました。

小池都知事 さらなる対策必要との考え示す | NHKニュース

内容はふれていませんが、政府の緊急事態宣言とそれに基づく東京都の措置だけでは足りない、ということです。

小池知事がそれ以上の対策に言及するとなると、誰しも想像するのは、「ロックダウン」です。

この言葉の意味はあまり明確ではありませんが、他国で行われているような、強制力を伴った都市封鎖は、現行法上は出来ません。仮にやるとしたら、夜間・週末の外出自粛要請や、企業への営業停止や出勤減少の要請を、自治体に出来る範囲で強化する、ということになるでしょう。

私は、既に緊急事態宣言に基づく措置を行っているところなので、当面はこれを強化するように呼びかけるのが、第一義的には重要だと思います。既に決定されていることさえ、まだ十分徹底できていないからです。経済・社会活動への打撃を考えれば、緊急事態措置の効果が確認できる来週末頃までは、現状の対策を徹底することを基本にするべきです。

追加対策をするなら、国が通勤削減のために国会・官庁の通勤を自ら7割減とする、通勤削減への協力金を出す等、現状の自粛要請に協力を得られるような支援をすべきでしょう。国としての姿勢をまず示すことと、ムチよりアメをまず準備すべきです。

ただし、対象を特に限定した形で、高い感染防止効果が見込めるなら、文字通りのロックダウン、つまり、ある地域の完全な封鎖を行うことには賛成です。

具体的には、永江一石氏が以前から主張されいてる「夜の町ロックダウン」に近い政策を、対象をしぼりこんで、まずは歌舞伎町の風俗店について行うことです。

www.landerblue.co.jp

現在の「人同士の接触8割減」という政策は、夜の町への介入が難しいことを前提にしています。人口全体では6割減にすればいいのに、全く言うことを聞かない人達が一定割合いるので、8割の接触減を求めています。このため、感染拡大の重要な原因となっている「接触を伴う飲食店」での接触を現実に減らすことが出来るなら、感染防止対策として非常に効果的です。

介入が難しい理由は、ナイトクラブ等を使う人間が社会的に強い力を持っていたり、そもそも、風俗店等の公衆衛生に関する意識が低かったりするからです。

NHKスペシャルで、厚労省クラスター班のメンバーが、「社会的地位もあって、お金持ち」の顧客を守るために、高級ラウンジ等が保健師の調査に協力しない、と発言しています(以下動画の24分あたりです)。

【番組動画】NHKスペシャル「新型コロナウイルス 瀬戸際の攻防~感染拡大阻止 最前線からの報告~」 - インフォメーション | NHK WORLD-JAPAN - NHKの国際サービス

それでも、銀座のクラブは、一応休業はしているようです。業界団体の水障害協会は自民党に陳情までしていますが、銀座の店は「ほぼ」全休だと、自分達では言っています。一方、この協会によると、歌舞伎町は未だに一部店を開けているそうです。

「風営法の管轄だけ職業差別」…水商売協会が悲痛な訴え、支援策から除外されている実態

歌舞伎町の店が開業しているのが事実なら、許してはいけません。現状の休業要請に応じないで、ハイリスクな業態が未だに営業しているのなら、東京都は独自の対策として、いわゆる「ロックダウン」に近いような強い規制を、一部の繁華街を対象に行うべきです。

特に、新宿・歌舞伎町等の繁華街に網がかかるような形で、風俗店への休業要請を強化し、違反した業者の会社名や経営者名を公表すべきです。ここまでなら、国の法律とは別に、自治体独自の対応として可能です。

制度上は、歌舞伎町を狙い撃ちには出来ないとしても、ここを特に対象にすべき理由があります。緊急事態宣言が発令された後、4月9日に、高井崇志衆院議員が歌舞伎町の風俗店に行っていたからです。行く方も行く方で、議員辞職すべきです。一方で、店側も、東京都による正式な休業要請の前とは言え、総理大臣の宣言など、全く何とも思っていないことが分かります。

これで歌舞伎町の風俗店等に何のデメリットも生じないなら、東京の夜の町は、どこも言うことを聞きません。一昨日、全国的な自粛要請を総理が行いましたが、聞く耳など持たないでしょう。

確かに、国と都が行っていることは、あくまで「自粛」の「要請」にすぎませんから、営業しても違法だとは言えません。そこで、彼らが感染防止へ自ら協力することは期待できない以上、出来るだけ罰則に近い社会的制裁を与えるため、東京都の要請に応じない業者名・経営者名の公表を行うべきです。そこまでやれば、他の繁華街に対する抑止効果も、相当程度あるでしょう。

業者名等の好評なら、緊急事態宣言・措置の枠組みでも制度上はありますが、いったん要請してから指示を出して、という段階を踏むようで、時間もかかりそうです。歌舞伎町などを特に対象に絞ってやるならば、自治体単位で、東京都と新宿区が連携して行った方が迅速で効果的な対策が出来るでしょう。

東京に対特殊武器衛生隊の災害派遣

こうした感染予防の強化とともに、東京都は、感染症対策のエキスパートである、陸上自衛隊の対特殊武器衛生隊の災害派遣を要請すべきです。

対特殊武器衛生隊

この部隊は、クルーズ船ダイヤモンドプリンセスでの対応でも活躍し、厚労省職員が相次いで感染する中で、一人の感染者も出さないという実力を見せました。本ブログでも以前、取り上げた通りです。

自衛隊、感染症対策の災害派遣終了、予備自衛官も活躍:医療関係者にも「予備役」的な資格新設の検討を。 - 日本の改革

www.nhk.or.jp

こうした実力のある部隊に、東京都の病院での防疫対策の指導、PCR検査体制増強への支援等での協力を要請すべきです。

まず、大学病院や一般の病院で新型コロナの患者の受け入れについて、自衛隊が防護態勢その他の教育をしっかりしてもらうべきです。

東京都が、4月3日、都内の主要な病院の幹部が出席した会議で、各病院に専用病床を確保するよう提案しましたが、設備の整った大学病院も消極的だったようです。読売によると、受け入れない方針のある大学病院の教授は、「患者が通る場所を分け、防護を徹底しても、院内感染を防ぐのは難しい。感染が広がれば病院機能が止まる」と答えているそうです。

その2か月ほど前、都内で開かれた国立大学協会の総会でも、山梨大の島田学長が他大学の学長に、「国立大学病院を挙げて感染症に立ち向かうべきだ」と呼びかけても、反応はなかったということです。

www.yomiuri.co.jp

優秀なスタッフを擁して設備もしっかりした大学病院さえ受け入れないのは、難病への高度医療が圧迫されることへの懸念のほか、やはり院内感染を恐れているからです。現実に防疫体制をどう築くかについては、やはり実地の経験を積んだ専門家の支援が必要で、陸自の対特殊武器衛生隊ならば、各病院の防疫態勢の構築を十分指導できるでしょう。いったん体制が出来れば、あとは病院に任せられます。

東京都は、ホテルへの軽症者の移送等について、4月7日から13日まで自衛隊第1師団から10名の災害派遣を要請していましたが、その際に行われたのも、こうした教育が主でした。河野防衛大臣によると、「生活支援、輸送支援の要請があった場合には、当初、自衛隊が出て行ってやりながら、しっかりと防護態勢、その他教育をして、自治体に移管」する方針の派遣だった、ということです。

www.mod.go.jp

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/04/06/documents/22_00.pdf

以上のような、防疫態勢構築への教育・支援を、大学病院だけでなく、一般病院でも行ってもらうよう、災害派遣を要請すべきです。 

これに加えて、PCR検査体制増強への支援を要請すべきです。

PCR検査については、区と東京都医師会がPCR検査センターを立ち上げているところですが、こちらはクリニックの開業医さん達が中心になるでしょうから、更に防疫対策は重要です。教育支援をはじめ、自衛隊の専門部隊がしっかり感染防止を図ってくれるなら、開業医だけでなく、地域住民も安心でしょう。

以上のような、自衛隊の支援を、東京都からの要請がなくても、政府から打診するべきです。自衛隊災害派遣の要請は、都道府県知事が行うものですが、東日本大震災のときには、むしろ国が主導で動きました。

安倍総理は、新型コロナ対策で残念ながら迷走している部分があり、政権と感染症対策への国民の支持が落ちています。一番重要な東京都の感染拡大の防止でリーダーシップを見せて、国民の信頼を回復すべきです。自衛隊感染症対策専門の部隊を最大限使って、東京都の医療体制をサポートするための災害派遣を東京都に打診すれば、小池知事は喜んで承諾します。

ここで、政府と東京都がしっかり手を組んだ姿勢を見せて、感染予防での他道府県と政府の協力・信頼関係を一層強くすべきです。