日本の改革

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都内の休業要請、小池知事が勝利:そもそも、政府はなぜこれほど休業要請を嫌がったのか

東京都の緊急事態措置では、休業要請につき、業種を多少狭めて、直ちに実施することになりました。完全に小池知事の勝利です。政府が休業要請に反対したのは不当であり、今後、他の道府県でも、必要に応じて迅速に行うべきです。

東京都の主張がほぼ通る決着

緊急事態措置に係る休業要請について、小池都知事と西村担当大臣の協議が昨夜まとまりました。東京都は、業種について想定の範囲内の譲歩をしましたが、それ以外は、ほぼ完全に主張が通ったようです。

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現時点の報道によれば、都は明日にも、休業要請を行います。政府が認めないなら、都が独自に規制する強い姿勢を見せたことで、西村大臣も、特措法上の緊急措置として直ちに休業要請を行うことを認めざるを得ませんでした。直ちに休業要請を行えることが、都民・国民にとって、何より大きな勝利です。

業種については、百貨店の一部売り場やホームセンターは除外されるようで、ここは東京都が譲歩したようです。この程度はやむを得ないでしょうし、私はもっと幅広く除外させられるかと思っていましたが、居酒屋と遊興施設、それに重要な感染源のナイトクラブ等は、しっかり対象となります。

焦点は3密の代表例の居酒屋ですが、実質的に夜間営業禁止と言ってよい内容です。午後8時までの短縮営業とするだけでなく、酒類提供は午後7時までとする方向、とのことです。午後7時までしか酒類が出せない、と言うなら、飲み会にはほぼ使えないでしょうし、実質的な休業要請に近いものです。

居酒屋については、昨日のブログで書いた通り、深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出を警察に出している飲食店、とすれば、はっきり区別できるはずなのに、国は飲食店と区別がつかない、という屁理屈を並べたようです。この屁理屈に付き合って、多少変則的にはなりましたが、東京都の主張がおおむね通ったと言えるでしょう。

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更に、ネットカフェやパチンコ店などは、休業要請対象に含める見通し、とのことで、遊興施設は幅広い規制が出来て、最も重要なキャバレーやナイトクラブなども(ここは当初から国と意見の対立はなかったはずで)、もちろん休業要請の対象になるようです。

全体として、政府と都は、連携し協力すべき責務をきちんと果たしましたし、しかもその中身は、迅速で効果的な対策を求める東京都の主張に沿った方向になるようで、何よりでした。

正直、ここまで東京都が押し戻せるとは、思っていませんでした。このため、昨日のブログでは、国と対立する部分では、居酒屋への即時規制だけは死守して、後は譲歩すべきと書きましたが、決着して見れば、都の主張ははるかに広く認められました。ここは、国との力関係や世論の支持も見切った小池都知事の勝ちで、さすがの読みでした。

昨日の小池都知事の会見でも、西浦博氏があらためて、ハイリスク地域、ハイリスク職種での営業停止の必要性を強く訴えていました。政府の緊急事態宣言は「西浦理論」に基づいているのですから、直ちに休業要請をかけるのが必要なのは当然のことでした。西浦氏は、計算上は人同士の接触は6割減らせばよいが、「性的接触を含め」介入が難しい部分があるので、普通の生活では8割削減、という説明をしています。

 

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おそらく、感染経路不明のかなりの部分で、未だに夜の街が重要な意味を持っているのでしょう。しばらくは、「夜の街」への人間の出入り自体を、完全に断ち切るべきです。このため、今回、広範な業種への休業要請を直ちに出来るようになったのは、絶対に必要なことでした。

もともと、国に反対すべき根拠などなかった

あらためて振り返ってみると、政府には、休業要請を直ちに行いたいという東京都の主張に反対すべき根拠など、ありませんでした。

もちろん、政府と東京都の両方とも、特措法上は協力すべき責務を負うので、事前に両者が具体的内容をよく詰めておくべきではありました。

しかし、経緯を見ると、ある程度進んでいた協議で恐らく不一致なまま、国が基本的対処方針で突然、休業要請は外出自粛の効果が出てから、国とあらためて協議のうえやるべき、という条件をつけました。後出しジャンケンかどうかはともかく、緊急事態措置から迅速さを奪い、実効性を失う間違った方針であることは明らかでした。

[スキャナー]休業要請、都は「大きく網」…政府は強い難色 : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン

休業要請に反対すべき理由として、メディアではいくつか挙げられています。

第一に、東京都で休業要請を行えば、都民が隣接県等に行く動きが出るのでダメだ、という議論があります。

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しかし、これは一面的な見方です。

既に現在、隣接県からは、恒常的に百万人の単位で人が東京都に来ています。東京の夜の街・理髪店・美容室・デパートを利用する人の流入も、もちろんあります。東京都内で休業要請を行えば、こうした人の流れを止められます。社会的接触を減らす政策の一つは、都心の「魅力」を減らすことで、人が来ないようにすることであり、東京都が休業要請をすれば、人の流入が減らせます。

以上を考えれば、東京から人が出るからダメだ、というのは、全く一面的なものの見方であり、東京に入る人の流れを減らすという大きなメリットを無視しています。はっきり言って、人を引き付ける魅力は、東京都の施設の方が周辺県のものより大きいでしょうから、差し引きで言えば、東京の休業要請は接触をより減らすことになるはずです。

第二に、休業要請をすると補償が必要になるからダメだ、というのは間違っています。東京都は独自に、感染防止協力金の制度を作り、二店舗以上は100万円、一店舗なら50万円の支援をする方針です。政府が補償をしようがしまいが、関係ありません。まして他の自治体が出来るかできないか等、何の関係もありません。政府も、それどころか他の自治体までも、自分達が補償をするような立場になりたくないなどという考えで東京都の感染防止を妨害することなど、許されないことです。

第三に、東京が自粛要請をやれば、他の自治体にも広がって経済への打撃が大きい、というのも、生活に必要な部分をある程度除外すれば、問題ありません。デパートやホームセンターの生活必需品売り場を今回外すことになったのは、感染防止との兼ね合いの問題ではありますが、やむを得ない譲歩でしょう。

この点は早くから東京都は譲歩する姿勢だったようですが、にも関わらず、政府は即時の休業要請に反対し続けました。貴重な時間を1,2日失わせることになった失策です。

(以上、第二、第三の点については、毎日が詳しくまとめています)

mainichi.jp

このように考えれば、政府が東京都の即時の休業要請に反対し続けたのは、いずれも正当な理由のないことです。

政策的に正当な理由がないのに反対したのは、一つには、補償をせよという世論が盛り上がるのを抑えたかったこともあるでしょうが、まともな理由ではありません。もう一つの理由として、休業要請の対象となった業界からの圧力があった、との報道さえあります。時事通信が、ある自民党議員が大手パチンコ業者から相談を受けた、と報じています。もちろん、こんな圧力に屈するのは論外ですし、さすがに政府もそれはしませんでした。

スピード感削ぐ国・都対立 休業要請で溝、野党は批判―緊急事態宣言:時事ドットコム

以上のように、政府が東京都の休業要請に反対したこと自体が、間違っていました。今後、他の道府県でも、更なる感染拡大は避けられません。その際には、東京都同様、迅速で実効性のある休業要請を行うべきです。