日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

二階幹事長は「できるわけない」、国と都は協議続く:政府、自民党、東京都は、緊急事態に一丸となるべき

自民党幹事長が不用意な発言をしたり、国と東京都が対立したり、緊急事態宣言の効果を弱めるような動きがあります。緊急事態にあたり、政府、自民党、東京都は、感染防止策で直ちに協力すべきです。

総理会見を台無しにする二階幹事長

安倍総理が緊急事態宣言について、国民に理解を訴えた翌日、自民党の二階幹事長がそれを台無しにするようなことを言いました。読売から引用します。

自民党の二階幹事長は8日、安倍首相が新型コロナウイルス対策として求めた「人と人との接触の8割削減」について、「できるわけがない。お願いベースだ。国民はよく理解している」と述べた。首相官邸で首相と会談後、記者団に語った。

出所:読売新聞電子版2020年4月8日

できるわけない・国民はよく理解…二階氏、首相が求めた接触8割削減に : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

総理が、科学的な知見に基づく「人と人の接触を7~8割削減」という政策を、責任もって遂行する会見をした翌日、自民党幹事長が、そんなこと出来るわけない、せいぜい努力義務だ、国民も分かっていて話半分に聞いているだけだ、と全否定です。

いま、実務的には、政府と東京都の間で、企業への自粛要請でもめている方が注目されていますが、この二階発言の方がはるかに問題です。緊急事態宣言による感染防止は、国民の理解・協力で初めて出来るもので、せっかく総理が国民に届く説得力のある会見をしたのに、その会見内容を完全に否定するような発言だからです。

なるほど「8割削減」と言われて、本当に出来るんだろうか、それは無理じゃないか、という疑問は国民も持ちます。だからこそ、実際にはどうすればいいのか、西村担当大臣も、繁華街への外出や交通機関利用のデータも示しながら、国民への説明に努めています。

www.youtube.com

世論調査でも、7割の国民が緊急事態宣言に賛成し、遅すぎたくらいだと答えていますし、自粛要請には86%が協力すると言っています。

緊急事態宣言「評価する」72% 時期「遅すぎる」70% 本社緊急世論調査 - 毎日新聞

こうして政府が努力を続け、国民も協力する気になっているときに、政府の掲げる目標自体を無視するようなことを党幹事長が発信するのは大問題です。二階氏は、国民もできっこないと思ってやる気はないと、国民の自律を愚弄するような言い方をしました。二階氏の発言は撤回のうえ、自民党内で、この目標達成について認識を共有すべきです。

そして、安倍総理は、目標が口だけではないことを、あらためて示す必要があります。人と人の接触を7~8割削減するために、会見で発言した通り、通勤を7割削減するよう、経済界に強く求めるべきです。

令和2年4月7日 安倍内閣総理大臣記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

緊急事態措置は都道府県知事が行うものではあっても、本気で通勤を減らすためには、最低でも主要な経済団体への強い要請を、総理自身が強く行うことがどうしても必要です。満員電車解消は、いくら都知事が必死で呼びかけても、未だに不十分にしか実現しておらず、政府と自治体の連携が必要です。

厚労省クラスター班の西浦博氏も、「一人一人の取り組みでは限界があり、会社を運営する立場の人たちに行動をしてもらい、抜本的に変える必要がある」としています。

www3.nhk.or.jp

こういうときこそ、企業・団体と一蓮托生の自民党政権の強みを生かすべきで、主要経済団体を通じて、通勤を1か月だけ本気で減らすよう、政府と自民党が強く働きかけ、大多数の企業トップの行動を現実に変えるべきです。

東京都は、居酒屋への即時休業要請だけは死守して、政府と協調を

もう一つの問題は、政府と東京都が、企業への自粛要請で、宣言後も対立してしまったことです。

西村担当大臣は、外出自粛要請を2週間続けて効果が見られなければ、企業への休業要請をすべきだ、と言っており、東京都は2週間も待てないとして、ただちに休業要請を行いたいとしています。

また、休業要請の範囲についても、東京都は、居酒屋、理髪店、ホームセンター等、広範な業種を対象にする方針でしたが、政府はこれらを対象外にしようとしています。

新型コロナ 休業要請、綱引き激化 政府、当面先送り求める - 毎日新聞

西村大臣は、「政府が休業要請を2週間延期することを知事たちに打診」という報道について、報道は誤りだ、として、以下のようにツイート。このツイートでも、知事が即時に休業要請をするのは容認していません。

 そもそも、政府の基本的対処方針に、まずは外出自粛要請を行って、休業要請(施設の使用制限の要請や指示)を行うにあたっては、国と協議してお伺いを立てろ、効果を見てからだ、と書いてあります(10頁)。政府は効果が確かめられるのは2週間後と言ってきたのですから、「休業要請は2週間待て」というのが現状の政府の姿勢です。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000620039.pdf#search=%27%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E7%9A%84%E5%AF%BE%E5%87%A6%E6%96%B9%E9%87%9D%27

事前の調整が間に合わないうちに、休業要請を直ちに行うか否か、そして、対象業種を巡って、政府と都が対立してしまいました。経緯を見れば、どうも政府の方が分が悪いように見えます。これも読売から引用します。

都がまず休業要請の根拠とするのは、改正新型インフルエンザ対策特別措置法の24条だ。知事が住民や企業に「必要な協力の要請をすることができる」としている。政府が3月28日に決定した「基本的対処方針」も、当初は24条によって「集団感染発生の恐れがある場合には、施設の休業等の必要な対応を要請する」としていた。

 しかし、特措法にはもう一つ、45条があり、休業要請や指示、公表まで定めている。都はまず24条の「必要な協力の要請」として、45条に関して施行令で定められた業種を超え、居酒屋なども含めて幅広く休業を要請する戦略だった。

 だが、政府は強い難色を示した。業種が幅広く、莫大な経済的損失が見込まれるためだ。まずは外出自粛にとどめるよう強く求め、仮に休業を要請するとしても、「生活に必要」と解釈できる百貨店やホームセンターなどは外すよう主張した。

 協議が平行線をたどったまま迎えた宣言発令日の7日。政府はこの日、「基本的対処方針」を改正した。その中で「事業の継続が求められる事業者」として百貨店やホームセンター、飲食店、理美容業などを盛り込んだ。都は業種の再調整を迫られ、7日に公表できなかった。都関係者は「政府は『後出しジャンケン』をしてきた」と不満をもらす。

出所:読売新聞2020年4月9日 

www.yomiuri.co.jp

条文の関係は分かりにくいですが、要するに、東京都は、事前調整時の基本的対処方針にそって、自分達に広い裁量権があるという理解で、幅広い業種の企業に、休業要請がすぐに出来るような方針を考えていました。ところが土壇場の4月7日に、休業要請をするまでにまだ2週間待って、対象業種も相当狭めるように、政府は対処方針を変えてしまいました。これはけしからん、というのが都の意見ですし、それは分かります。

しかし、政府も、東京都も、この緊急時には、譲るところは早く譲って、直ちに協調・連携して実効性ある対策を行うべきです。新型インフル特措法上も、両者は相互に連携協力して迅速で効果的な対策をうつ責務がある、と定めています。

東京都は、最低限死守すべきラインとして、「居酒屋への即時休業要請」だけは獲得して、後は全部譲ってでも、政府との協力体制をすぐ築くべきです。緊急事態宣言を出したのに2週間も待て、という政府の姿勢には大変批判が強いですし、西浦博氏も、小池知事が言うように、施設閉鎖という強固な対策が必要、と以下のツイートをしています。また、NHKのサイトで、「夜の接待飲食の店や飲み会で使う居酒屋、ライブハウスやスポーツジムなどでの接触」は100%に近い減らし方が必要だ、と言っています。

 専門家 “人との接触8割減でダメージ最小限に” 新型コロナ | NHKニュース

居酒屋は3密の典型的な場所です。バーと同様に、深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出を警察に出す必要がある業態で、規制対象としても明確で、すぐに休業要請が出来ます。狙い撃ちだから補償だ、というなら、とりあえず都が準備中の協力金で対応すればよいことです。知事会が言うように国の補償が準備できれば良いでしょうが、政府と自民党の対応を待っているヒマがありません。

居酒屋への即時休業要請だけは東京都は強く主張し、国が言うことを聞かないなら、残念ですが東京都独自での要請を行う姿勢を見せてでも、国に協力させるべきでしょう。

緊急事態宣言は前例のないことであり、発令と同時に色々衝突するのは、最初は仕方ありませんが、医療体制整備と感染爆発の防止には、一日の猶予も許されません。自民党は人同士の接触7~8割削減の目標堅持で政府に協力する姿勢を見せ、東京都は居酒屋への即時休業要請だけは実現する姿勢を見せ、政府は東京都の主張を受け入れるべきです。