日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

政府の緊急経済対策案、自公内で不満噴出:アメリカは第4弾を検討中、日本も追加経済対策の議論をすぐ始めるべき。

 政府の108兆円緊急経済対策案が自公で了承されましたが、家計向き現金給付等で党内からも批判が相次ぎました。アメリカ同様、大規模な経済対策が出来たときには次の対策を議論するスピード感で、より簡素な制度での給付を迅速に実現すべきです。

自民党政調内で「経済対策の体をなしていない」

 政府は今日、新型コロナ対応での第3弾の緊急経済対策を閣議決定します。事業規模は約108兆円で、納税や社会保険料の支払い猶予に約26兆円、1世帯あたり30万円の支給、中小企業への最大200万円の給付などが目玉です。

安倍総理が発表する前に、自民、公明両党も了承しました。

本ブログを書いている現時点では、緊急経済対策の詳細が分かりませんが、それを見たはずの与党での会議でも批判が噴出しました。特に、1世帯当たり30万円の現金給付の要件が厳しすぎることについて、強い不満が出たようです。毎日新聞から引用します。

 「地元に『自分ももらえる』と思っている人がたくさんいる」「経済対策の体を成していない。撤回し、下野した方がいい」。6日、自民党本部9階の大会議室で3時間以上に及んだ政調全体会議は感染防止のため秘書の代理出席を避けたにもかかわらず、ほぼ満員となり、世帯向け現金給付を中心に「不満のオンパレード」(出席者)だった。 

(略)

受給申請方法にも批判が続出した。市区町村への自己申告制とされることに関し、対策案は「可能な限り簡便な手続きとする」とするのみで具体的な手続きは固まっていない。自民の政調全体会議では「市町村の窓口が混乱する」との指摘が相次ぎ、与党はオンライン申請の環境整備を政府に強く求めることにした。

出所:毎日新聞2020年4月7日 

mainichi.jp

やはり家計向き給付の評判が悪いようです。

給付先は、①世帯主の2~6月のいずれかの月収が新型コロナ発生前よりも減少、②住民税非課税世帯、または、月収が半分以下かつ住民税非課税水準の2倍以下になった世帯、ですから、相当限定的です。

5300世帯のうち、1000世帯しか対象にならないので、中所得者はほぼ外れています。

そのうえ、月収下落の判断方法は自己申告でなるべく認めますとか、窓口混乱対策はこれから考えますとか、誰でも気付く欠点をクリアできていません。拙速でも迅速に実現するならともかく、給付は結局、夏ごろになるとも言われており、緊急対策と言えるかも疑問です。

中小企業や個人事業主向けの給付金に至っては、受付窓口も給付の時期も未定です。

現金給付、1世帯30万円に 対象は月収で絞り込み :日本経済新聞

緊急経済対策、迅速さカギ 給付遅れれば影響深刻 :日本経済新聞

本ブログでは、対象は中所得層以下に限り、対象世帯がどれか自治体が把握済みの既存制度を使うべきだ、として、かつての子育て特例給付と簡易な給付、それに小渕政権時の所得税・住民税減税を主張しました。制度の中身は何であれ、政府も自治体もやったことのある既存の政策を迅速にやるのが大事だと考えたからです。

高橋洋一氏も、こういうときは既存制度を利用すべきだ、と批判していますが、もっともです。

同時進行で次の対策を打つべき

このように、批判することは簡単ですが、これしか出来なかったなら仕方ありません。とりあえず、今回の案は今年度の「第一次の」補正予算案の中身、ということで国会はなるべく早く通すべきです。一方で、今すぐに第二次の補正予算に向けた新たな経済対策を作って、同時進行で両方をやるべきです。

今回の日本の経済対策に相当する大規模経済対策は、アメリカで言えば、先月末に成立した2兆ドルのパッケージです。産業界に5000億ドルの救済資金を用意し、家計への資金支援として、大人1人に最大1200ドル、子供には500ドルを支給し、失業給付の拡大を盛り込み、中小企業向けには3500億ドルの融資枠を用意し、FRBが企業に直接資金供給する新制度もつくる、という充実ぶりでした。

ところが、この第3弾が出来たと同時に、もう次の第4弾、フェーズ4のパッケージをやるべきだ、と、トランプ大統領民主党が主張していました。

https://www.politico.com/news/2020/03/25/whats-in-stimulus-package-coronavirus-149282

After Three Coronavirus Stimulus Packages, Congress Is Already Prepping Phase Four - WSJ

フェーズ4の対策については、以前も本ブログで取り上げました。下院民主党が主導したプランは巨額の雇用創出が目玉で、7600億ドルのインフラ投資等で雇用を創出することが含まれています。対策の重点は、中長期的な雇用の受け皿を作ることで、とりあえず緊急に家計に現金を配った後、長い目で雇用の対策も打つ、ということで理にかなった順序です。

残念ながら、このインフラ投資プランは、共和党の反対で、中身は大きく変わるようですが、各州への支出を増やし、第3弾のパッケージの中身を更に大きくすることで、議会での合意が出来るようです。

アメリカの死者、10万人以上の予測で株価急落:医療崩壊近い日本は、経済のためにも医療最優先にすべき。 - 日本の改革

www.politico.com

アメリカの2兆ドル対策も、大急ぎで作っただけあって、地方政府への支出をはじめ、色々と不十分なところがあったようで、それを早速直しています。

日本も、今回の緊急経済対策は、誰が見ても不十分で実施に時間がかかり過ぎるのですから、今からすぐに、追加の経済対策を立てるべきです。既に西村経済担当大臣も、二階自民幹事長も、次の対策を作ることには前向きです。

今回の緊急経済対策は作るのに時間がかかり過ぎました。財務大臣等の抵抗は当然あったのでしょうが、今回の対策への世論の反発が強ければ、安倍総理も政治決断で財務省を押し切るでしょう。政府は、緊急経済対策への批判が強く出たタイミングですぐに、次の対策を作り、第一次補正予算案に遅れずに第二次補正予算案も通して、家計・企業へより簡素な給付が迅速に届くようにすべきです。