日本の改革

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政府と東京都、新型コロナの医療体制整備で大きく前進:厚労省のルール変更とホテル借り上げを同時決定、五輪施設利用も。

政府と東京都の連携で、新型コロナ軽症者等向けの施設確保が大きく前進しました。厚労省は軽症者の扱いを変更・具体化のうえ、ホテル・自宅への移転を可能にしました。東京都はホテル借り上げで数百室を追加で確保、そのうえ、五輪用の警察宿泊施設転用で数千人床規模も利用の見通しです。

国と東京都で連携して医療体制確保に前進

厚労省は今日、新型コロナウイルス感染者の退院基準を緩和し、軽症者を自宅やホテルに移せるようにします。日経から引用します。

現行の退院基準は治療の終了を前提としており、37.5度以上の発熱が24時間ないなどの条件を満たした上で、48時間後にウイルスの有無を確認するPCR検査を実施。陰性が確認された後、12時間後に再度陰性となれば退院できる。

設備の整った病床を重症者に使うため、感染が拡大している地域では、軽症者は治療が終了していなくても自宅などで療養してもらう方針。この際に用いる退院の判断基準を現状の基準より緩和した形で示す。軽症者向けの宿泊施設に配置する人員や、食事など提供するサービスの内容などについても通知にまとめる方針だ。

軽症者の退院基準緩和へ 厚労省、自宅療養など促進 :日本経済新聞

具体的な中身で言うと、既に1か月以上前、3月1日に、一般病床や自宅に感染者を移してよいという通知を厚労省が出しています。厚労省はその後、3月6日に同様の通知とともに、確保すべき病床数の基準を通知しています。

今日新たに出された通知の内容は、ホテル等の宿泊施設での療養のためのマニュアル、自宅療養者向けのフォローアップの基準、等です。3月1日の通知は宿泊施設について言及はないので、その点は大きな規制緩和を新しく行っています。これは、4月1日に専門家会議がこれまでの方針を変更し、自宅より宿泊施設が望ましいと言ったからでしょう。

したがって、冒頭の日経で取り上げられた「退院基準の緩和」というのは、宿泊施設利用を可能にするという部分についてのことであり、自宅については「1か月以上前に出された退院基準がやっと具体化」ということです。自治体向けの一連の厚労省通知等は、以下まとめられています。

自治体・医療機関向けの情報一覧(新型コロナウイルス感染症)|厚生労働省

 このように、ようやく軽症者は自宅療養を現実に行う方針で動きました。宿泊施設については、最近の知見で、自宅療養では実は危ないとなってきたので、新たに規制緩和をしたものです。この点の規制緩和が遅れて今になったのは、ある程度やむを得ないでしょう。厚労省はホテル利用について補助金も出すというので、一歩前進は確かです。

東京都は既に、軽症者・無症状者について、自宅での療養に加え、都内のホテルを借り上げて一時滞在場所として活用する方針で、すでに一部のホテル業者と合意し、最終的に1000室程度の確保を目指しています。今朝の読売から引用しますが、既に「数百人分」は確保したようです。

関係者によると、ホテルへの移送の対象とするのは、検査で陽性が判明したものの、医師の診察で入院の必要がないと診断された人。ホテル内での感染を防ぐため、都は棟全体を有償で借り上げる方針で、とりあえず数百人分程度の部屋を確保したという。都幹部は「医療崩壊を防ぐだけでなく、東京五輪パラリンピックの延期で経営難が危惧されるホテル業界への支援にもつながる」としている。

【独自】都、軽症者はホテルに…病床逼迫で1000室借り上げ : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン

ホテルだけではなく、五輪施設の利用が必要

本ブログでも、先月末に、今ならホテルなんていくらでも空いているから、それを使うべきだ、と主張してきました。ただ、最近まで、自宅療養を肯定してきました。

厚労省や内閣官房は隔離等の前線から撤退させ、医療崩壊と「霞が関崩壊」防止を徹底し、自衛隊活用と迅速な予算措置を。 - 日本の改革

私は、先月まで、軽症者は基本的に自宅に移すべきで、足りなければ、上記のようにホテルや空家を使うべきと主張してきたのですが、専門家会議が、自宅を推奨せずホテルを優先すべきという見解を出したので、今後は、ホテル等の宿泊施設をまずは使うべき、と説を変えたいと思います。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/senmonkakaigi/sidai_r020401.pdf

ただ、いくらヒマだと言っても、ホテルは風評被害をいやがります。いま、病院やそのスタッフでさえ、いわれなき差別でひどい目にあっているのに、イメージが大切な営利業のホテルと合意するのも大変なはずです。東京都はその点、遅かったとはいえ、厚労省がまだ宿泊施設に関する通知も出していない状態から、よく国の基準変更と部屋の確保を両方出来たとは思います。そこは立派なものですが、今後の交渉では、ホテル相手では、やはり一定の時間がかかるでしょう。

ホテルだけでは、数も、まだまだ桁が足りません。厚労省の3月6日の通知でさえ、20500人を揃えるべきと言っていましたし、専門家会議の試算では、更に多くの数を準備する必要があります。とりあえず、軽症者だけのためでも、20000床の施設が必要ですし、出来れば50000床は用意すべきです。

数千、数万人の隔離・宿泊が出来る施設で、突然空きが出来た施設と言えば、やはり五輪関連施設でしょう。

これについては、国と東京都が、五輪用に建設が進む警察宿泊施設の活用案を検討しています。最大で8千人宿泊できる施設として整備を進めてきたということです。現在、何人くらいが使えるか分かりませんが、なんとか数千規模の施設は確保できそうです。

ホテルや五輪向け施設で軽症者受け入れへ 東京都など (写真=共同) :日本経済新聞

イギリスは既に、ロンドン五輪の会場を使って、4000床の病院を完成させましたし、同様に速やかに整備してほしいところです。

 ホテルを丸ごと借り上げることが法的にも実際の交渉上も可能になったのは素晴らしいことです。それは進めつつも、五輪用の警察宿泊施設を早く具体化させ、これ以外にも空きの出た五輪施設の転用を更に進めて、最低でも2万、可能なら5万程度の医療または隔離用施設の確保を急ぐべきです。