日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

東京五輪延期決定:日本はIOCに言いたいこと言うべき。東京都は2日間で感染急増、緊急事態宣言やむなし。

IOC東京五輪の延期を正式決定。五輪は国内も無責任体制ですが、IOCを含む国際的無責任体制も露呈、今後は、日本はじめ各国政府がIOCの横暴を防ぐべきです。

・東京都では専門家会議の予想超える感染拡大、残念ですが、緊急事態宣言もやむを得ません。

安倍総理の最後の一押しは支持、それでも遅れ過ぎ

安倍総理が昨夜、IOCのバッハ会長に対し、東京五輪の延期を要求し、バッハ氏も承諾し、直後のIOC理事会で延期が正式に決定されました。

IOCは、3月17日に理事会で五輪の予定通り開催を決定、これが強く批判されて、3月22日に延期も含めて4週間も検討と決定、時間をかけ過ぎだともっと批判されて、安倍総理が、IOCに対して正式に延期を要求した形です。

安倍総理が、IOCに引導を渡す形で延期を要求したことを支持します

本ブログでは、IOCの延期決定が遅れ過ぎているし、国内の五輪関連団体は「社長もCFOもいない」(©上山信一氏)無責任体制だから、国のトップの安倍総理が延期を決定し、契約がどうあろうと、IOCに延期を要求すべきだ、と言ってきました。私の想像より早く動いた安倍総理の判断は素晴らしかったと思います。

安倍総理は、ただちに東京五輪の予定変更を発表し、各地の再生産数を公表すべき。小池都知事もこの方針に協力を。 - 日本の改革

安倍総理は、森喜朗氏の首にも鈴をつけていたようです。朝日新聞によると、3日前の3月22日、総理は森氏に、聖火リレーの出発式に自分は出席しない、と伝えていました。これは要するに、聖火リレーをやめろ、五輪も延期するという強い意思表示だったのでしょう、総理は2度も電話しています。その後、バッハ氏が森氏に電話で延期検討を打診。森氏も、事前に安倍総理からこうした電話を受けていたので、受け入れる決定をした、と朝日は書いています。

digital.asahi.com

森氏は当初、IOCの4週間かけて延期検討と決めた後でさえ、聖火リレーは予定通りやる、自分は出発式に出席すると言っていました。今思えば、わざわざ出発式出席と言ったのは、総理大臣なんか出発式にいなくたっていいんだ、俺さえいれば立派に聖火リレーになるんだから黙って見ていろ、これだけは絶対やるからな、という安倍総理へのあてつけだったように見えます。

その後、著名なスポーツ選手のリレー走者辞退まであったせいか、トーチを自動車で運ぶと言い出して失笑を買い、昨夜の延期正式決定で、ようやく聖火リレー中止を決めました。

森氏は日本国内で最後まで延期の障害となりましたが、障害物は安倍総理が除去してくれました。森氏は、今の状況で予定通り開催にこだわるほど自分は愚かではないと言っていましたが、本人が言うから愚かではないんでしょう。

森喜朗が諸悪の根源、東京五輪の予定変更を妨害し、全国で感染リスク高める。安倍総理は森を無視して、ただちに決断を。 - 日本の改革

国内で無責任体制となっていた五輪の関連組織について、安倍総理がしっかりリーダーシップを発揮したのは大変結構なことでした。

問題は、IOCとの関係です。

安倍総理は、IOCが延期検討すると言ったら、ただちに判断を容認すると表明しました。中止されてはまずいので、IOCの判断待ちになったのは止むを得なかった面はあります。IOCの「4週間検討」決定の後は一気呵成で素晴らしかったのですが、国内の感染症対策を考えれば、その前に、IOCに延期を要求すべきでした。

日本から延期を言い出すべきでない、中止されたらまずいから、という意見は、結局は間違いでした。IOC自身、そんなこと出来るはずがなく、現に中止はしないということだけは、早々に決めているからです。もし中止などすれば、ただでさえ開催が難しくなっている五輪に決定的な打撃となり、開催に手を挙げる都市がなくなって、IOCは存在意義を失っていたでしょう。

今回、IOCに延期決定を最終的に決めさせたのは安倍総理ですが、そもそも延期検討までもっていき、更にそれを急がせる一番大きな力となったのは、各国の競技団体やアスリート、そしてそれを後押しする各国政府です。

今回の延期決定を受けて、全世界85000人のアスリートが参加する団体、World Players Association (WPA) は、IOCは意思決定の方法も文化も変えて、もっと競技団体等の意見をちゃんと吸い上げらるようにすべきだ、と主張しています。

Athletes' Association Says Change of Culture Needed at IOC - The New York Times

こうした主張を、日本政府も、東京都も、IOCに対して公然と行うべきです。もう彼等の横暴を許してはいけませんし、今回の失態で、IOCの権威は大きく傷つきました。現に、安倍総理の要求をバッハ会長も完全に飲みました。

今後、来年の五輪に向けて、もうIOCの横暴を許してはいけません。どうせ向こうは中止など出来はしないのです。今までの殿様商売は終わりです。来夏まで、日本国政府が前面に出て、東京都と協力して、必要なら開催都市契約の再交渉をしてでも、日本に出来る限り有利な形での開催を目指すべきです。

東京の新規感染者数、過去最多の更新を続ける

東京五輪延期、聖火リレーも中止、その他の関連イベントも中止、というのは、国内の感染症対策のためには、大変良いことでした。これが国民の意識を変え、大きな行動変容につながってほしいと願っています。私は、できるだけ政府の行動制限でなく、国民・市民の行動変容を促そうという現在の政府方針を支持していますし、改正インフル特措法の緊急事態宣言にも反対してきました。

ただ、残念ながら、東京での感染拡大は既に相当のスピードであり、もう爆発的増加が始まっている可能性があります。やっと決まった五輪の延期と、3月23日に発表された東京都の対策だけでは、足りない可能性が高くなってきました。都の判断のもととなった専門家予測よりも、感染拡大が早い可能性があるからです。

都内では一昨日3月23日の新規感染者数(陽性患者数)は16人、昨日24日は17人、いずれも過去最多です。

3月21日付の専門家会議クラスター班の推計によると、3月25日までの間に陽性患者が、現状の対策のままでいくと51名、重篤者4名、次の7日間、4月1日までに、患者159、重篤者12、次の7日間で、4月8日までに、患者320で、うち重篤者が25とされています。

3月21日付の予測で3月25日までの陽性患者数が51名と言っていますが、19日に7名、20日に11名、21日には7名、22日は2名、23日は16名、24日は17名なので、19~24日で既に60名。今日25日を待たずに、予測の51名を大きく上回っています。

(※最初、クラスター班の推計51名というのが、21日から25日の合計と考えて書きましたが、正しくは19日から21日の合計でした。お詫びして訂正いたします。)

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/governor/governor/kishakaiken/2020/03/documents/20200323_06.pdf

都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年3月23日)|東京都

クラスター班は、この予測を「今のままではこんなひどいことになるから、ただちに対策を」という趣旨で、3月21日に東京都に提示し、それが3月23日の都知事の首都封鎖辞さずの発言につながりました。東京都は、現状では首都封鎖まではしないで、まずは都主催イベント自粛を続け、大学の授業を遅らせることを主な対策としています。

自民都連も白旗?の小池都知事、「首都封鎖」を発信、若者向けに合理的対策。医療体制整備は一層の加速を。 - 日本の改革

しかし、この政策を決める基礎となった予測よりも感染拡大がはるかに速いので、更なる対策が必要です。

東京都の医療体制の整備も、3月6日の厚労省試算をクリアするようやっているようですが、感染拡大のスピードに追い付いていないようです。

クラスター班が上記試算を示して、東京都と協議した翌日の3月22日、クラスター班の押谷仁教授が、NHKスペシャルに出演。昨夜24日の深夜の再放送で見てみたところ、押谷氏は、別に東京都を名指ししているわけではありませんが、現状の日本の医療体制では全然足りない、と危機感を表明しています。リンクを追えない感染者の一番多い東京都が念頭にあるのは間違いないでしょう。いずれにしても、ピーク時に備えた病床整備が、東京都ではまだまだ目標達成には程遠いのは確かです。

www6.nhk.or.jp

押谷氏は、この3月22日の番組で、日本はぎりぎり持ちこたえているが、現状のままではまずい、という危機感を繰り返し表明しています。その後、23日、24日と東京での感染者数は急増。もう、東京都の現状の対策では足りなくなっているでしょう。

そうなると、改正新型インフル特措法による緊急事態宣言を、政府が行うことが視野に入ります。

政府は新型コロナウイルス対策を強化するため、特措法に基づく対策本部を、明後日27日に設置する方針を固めた、と読売が報じています。今日にも対策本部に意見具申する有識者会議の態勢を拡充し、専門家会議座長の脇田隆字氏が入ると言いますから、専門家会議クラスター班の上記のような強い懸念を踏まえた判断がされるでしょう。既に秒読みに見えます。

【独自】政府対策本部は27日設置へ、有識者会議きょう拡充…改正特措法 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン

私は、緊急事態宣言に限らず、政府が国民に何らかの行動を強制する方法ではなく、出来る限り国民の自由は尊重しつつ、国民が行動変容するよう働きかけて、社会全体の自律的な予防を行わせるべきだと考えています。このため、緊急事態宣言にも反対してきました。

また、この感染症は封じ込め不可能だという専門家の知見(押谷仁教授や元CDCトップのフリードマン氏の主張)をもとに、封じ込めを目指した強力な措置には反対してきました。感染者の急増はどうせ止められないし、残念ながら、死者が多数出ることも覚悟しなければいけません。だから、その時に備えて、医療体制の整備を最優先させ、感染防止はやり過ぎを避ける形で感染ピークを下げて、経済・社会への副作用を小さくすべきだ、と考えてきました。ジョンソン英政権の当初の方針で、もう少し自粛要請を強くするくらいがいいだろう、と考えてきました。

しかし、専門家会議と日本政府は、人の死というものをはるかに重大に考えています。重症者急増に備えた医療体制の整備はもちろんやるけれど、まずはとにかくクラスターを徹底的につぶして、感染を徹底的に防ぐ、そして、経済・社会への負担を考えれば、行動制限でなく行動変容だ、国民は理解して協力してくれ、という方針です。

そして、この方針が、今までのところ成果を上げています。日本は欧米諸国より中国との関係が深く、早い段階から感染が広がり、クルーズ船のような不運な事態もあったのに、欧米ほどには感染が増えていません。自粛要請も欧米諸国の強制的やり方に比べれば、はるかにソフトで、国民を信頼したものです。こうした成果が上がっている以上、専門家会議の方針は、やはり支持すべきだと考えます。ジョンソン首相も、結局は専門家の意見で方針を変更しました。

このため、専門家会議が判断するならば、政府が東京都に対して緊急事態宣言を発することもやむを得ないと、考えを改めます。

政府と専門家会議には、これまでよくぞ国民の自由を守りつつ、これほどうまく感染拡大を抑えてくれたものだ、と本当に感謝しています。封じ込め不可能だからと言って、容易にあきらめずに必死でクラスターをつぶして、国民にも何度も行動変容を呼びかける専門家会議メンバーの姿には心を打たれましたし、自分は、感染急増時の人の死をもっと重く見るべきだった、と反省させられました。

特措法上の緊急事態宣言も、いまの欧米諸国の強権的なロックダウンに比べれば、外出に罰則もなし、はるかに国民の自由を尊重した内容ではあります。東京での感染爆発の可能性を踏まえて、更なる対策の強化に賛成します。

問題は、経済・社会への悪影響です。これから行動変容だけでなく、緊急事態宣言で行動制限にもシフトするなら、経済的打撃への手当は十二分に行う必要があります。逆に、財政政策を大規模に行えば、デメリットを相当程度吸収できる可能性はあります。昨日のアメリカ株式市場は、財政政策がまとまる期待から、1933年以来の上げ幅でした。日本政府も、財政政策の規模はとにかく異次元に大きくすべきです。