日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

自民都連も白旗?の小池都知事、「首都封鎖」を発信、若者向けに合理的対策。医療体制整備は一層の加速を。

小池都知事が東京での感染症拡大に危機感を表明、東京の都市封鎖を避けるため、都民に一層の協力を呼びかけ。大学の授業開始延期等の対策は合理的であり、支持します。医療体制確保はメドが立ってきたようなので、スピードを加速してほしいところです。

都知事選どころではない東京都

3月19日の専門家会議の報告発表以来、感染者の爆発的増加の可能性が国民にも示され、東京、大阪、神戸等の大都市での対策が喫緊の課題となりました。

そんな中、自民党都知事選で小池知事を支援する方向で調整に入った、と読売が報じました。読売から引用します。

23日に自民党本部で開かれた都連幹部の会合では、都連が独自候補を擁立しない前提で、今後の小池氏との政策調整をどのように進めるかなどが議題になった。二階幹事長は24日にも都連幹部と会談し、今後の対応を協議する見通しだ。

【独自】自民 小池氏支援へ…都知事選 : 地方選 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

ということで、今日にも正式決定の可能性があります。

私は、小池知事を支持していますし、去年3月から、都知事選は現職が絶対勝つ、と言い続けてきましたが、同時に、自民に独自候補を出してほしいとも言ってきました。都民にちゃんと選択肢を与えるとともに、現職と議会与党に一層の緊張感を持ってほしいと思ったからで、相乗り都政は都民にとって良くないと考えたからです。

自民党は、来年の都知事選で独自候補を立てても、小池知事に絶対に勝てない。それでも戦うべきです! - 日本の改革

しかし、今は選挙に向けた政争をやっている場合ではありません。東京での感染症対策は、むしろこれからが本番です。この感染症の性質から言って、長期戦を覚悟しなければいけませんし、感染者数はこれから急増する可能性も高いでしょう。昨日はこれまでで最多の16人もの感染者が一日で見つかり、都知事選どころではない状況です。自民都連とはいったん休戦、むしろ協力してもらう、というのはやむを得ないところでしょう。

今日の朝日の都民世論調査によると、小池知事の支持率は50%で、前回18年7月の都民調査での49%と同水準。不支持率は25%(前回29%)でした。相変わらずの高支持率で、自民がどう出ようが、知事再選は既定路線でした。

digital.asahi.com

知事の最も評価する点を4択で聞くと、「発信力」が最も多く49%。「特にない」の32%が続き、「改革」10%、「政策」6%です。現状では、「改革」よりも、安定的な都政運営での発信が評価されているようです。安定感はありますが、都知事には、もっと「改革」、「政策」が都民にも見えるようにしてほしいところです。

都政の政策で、直近の最重要課題は、やはり感染症対策です。これについて、都民は相当厳しい見方をしています。

新型コロナウイルスを巡る対応で、小池百合子都知事がリーダーシップを「発揮している」は22%にとどまり、65%が「発揮していない」と答えています。小池知事を支持する層でさえ、「発揮していない」が56%です。

都民は、これだけ自粛要請が続いても、感染拡大には強く不安を感じており、対策の強化が求められていました。

「首都封鎖」のキーワードで、都民に強烈なメッセージ

そんな中、昨日、小池都知事は、「首都封鎖」という強烈なメッセージを発しました。

知事は、「感染者の爆発的な増加、いわゆるオーバーシュートが発生しかねない」、この3週間が「オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ目、分かれ道である」として、以下のように発言しました。

事態の今後の推移によりましては、都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置をとらざるを得ない状況が出てくる可能性があります。そのことを何としても避けなければならない。

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年3月23日)|東京都

このため、一層の協力を要請するとして、都が主催する大規模イベントの中止・延期期間を従来の3月末までから4月12日まで、二度目の延長を発表しました。更に、都立大は五月の大型連休終了まで休講し、キャンパスの立ち入りを禁止。サークル活動なども自粛を要請します。都内の他の大学にも、新年度の授業開始時期を遅らせることなどを求めており、既に多くの大学が応じる方針、ということです。

東京新聞:<新型コロナ>都主催の大型イベント自粛 来月12日まで延長:社会(TOKYO Web)

「首都封鎖」、「東京封鎖」のキーワードはメディアで一斉に報じられ、さすがの発信力を発揮しました。

メッセージだけでなく、具体策も大変合理的なものです。東京は企業、大学が集積しており、全国から若者が集まるので、彼らが感染に気付かずにウイルスを拡散することが危惧されます。これにより、発見が困難な若年層のクラスターが発生するおそれがあるうえ、特にこの季節は、大学入学、就職で、若者が大勢集まる機会が増えます。

こうした東京の特性、この感染症の特性を踏まえて、若者対策にポイントをしぼって、都立大学を含めて、都内の大学に授業開始の延期を申し入れ、既にその内諾を多くの大学から得た段階で、「首都封鎖」というメッセージをガツンと発しました。知事の動きが遅く見えましたが、対策を水面下で準備していたことが分かります。

一つだけ、難点を挙げれば、対策の前提として、東京都の再生産数が公表されていないことには、賛成できません。

都の会見での数字(4月8日までに患者320)と別の報道(読売が4月8日までに患者500)もありますが、こうした場合には、都の数字を信頼すべきなのは当然です。

【独自】都内500人感染試算…今後2週間、厚労省 都は緊急対策へ : 国内 : ニュース : 読売新聞オンライン

ただ、再生産数については、東京都に限らず、全都道府県の値を、政府が国民に公表すべきです。今後の国全体の対策では、この数値ごとに全国を三つの地域に分けるのですから、国民にまず知らせるべきです。厚労省は、当面は非公表にして、自治体と内々に区域分けをして、準備が出来てから公表という段取りを考えているのかもしれませんが、それならそれで、そのような方針だと発表すべきでしょう。公表しないのは、東京都はじめ自治体が悪いというより、政府の方針がおかしいので、改善すべきです。

まずは医療体制整備の加速を最優先に

そして、一層重要なのが、医療体制の整備です。以前のブログで書いた通り、厚生労働省は東京都に対して(対策をしなかった場合の最悪想定として)、重症者700名、入院患者20000名のための病床が必要になるから準備するよう、3月6日に求めていました。この通知が出たとき、日経の記事では、都の担当者が頭を抱えたとか書かれていて、少し心配していました。

専門家会議、大都市での感染に厳しい認識:小池都知事は、都民に一層の危機感を持たせるべき。国と各自治体は、オーバーシュート時の準備加速を。 - 日本の改革

しかし、昨日の会見によると、結論から言えば、何とかなりそうです。

当面は100床確保したようで、700床程度を視野に入れた病床確保に取り組む、都立・公社病院では100床から200床程度確保する、と言っています。700床は、まだ達成していないようで、そう簡単ではないようですが、「視野に入れて」いる以上、クリアの見込みはあるようです。

他に、中等症の患者向きには、民間病院等で一般病床を当面300床確保のメドは立ったようで、次の目標は3,300床程度の確保だということです。ここは、厚労省の言う20000床には、まだ一桁足りないように見えますが、これは数え方によるのでしょう。厚労省の3月6日通知は、まだ軽症者も入院させる前提だったはずで、軽症+中等症状で20000床、これに対し、東京都は、軽症を除いた中等症について3000床をまず用意する、という方針なのでしょう。厚労省からは既に、軽症者は自宅療養も可能との通達も出されていますし、昨日の都の会見でも今後そうする可能性にふれています。

大事なのは、重症かどうか等を判断して、病床の機能ごとに患者を仕分けることです。このためには、「東京都調整本部」を設置する方針です。具体的には、集中治療、呼吸器内科治療、救急医療、感染症医療の専門家や災害医療コーディネーター、東京DMAT等を集めて、東京都調整本部を設置し、入院患者や重症患者の受入医療機関の調整を行う、ということです。

このように、重症者と中等症者のための病床確保、軽症者の自宅療養、その振り分けにつき、大体のメドは立っているようです。

後はスピード感ですが、専門家は、流行がピークに達するのは、感染経路が追えなくなってから3か月程度と言っています。

www.nikkei.com

東京を含めた大都市でリンクが追えなくない感染者が増えたのが3月頃ですから、そこから起算すれば6月までに間に合わせれば良さそうです。ただ、都が把握できていない感染もあるはずで、残された時間がどれくらいかは分かりません。昨日の新規感染者数16人というのは気になります。ここからはスピード勝負なので、可能な限り加速してほしいと思います。

他にも、民間への自粛要請は、可能ならもっと強めてほしいところもあります。北海道で成功した週末の外出自粛要請、都施設利用の大規模イベント自粛要請、「3密」(密閉・密集・密接)を避けるための新歓コンパ自粛要請等、いずれも補償と組み合わせれば、感染症予防効果もあり、中長期的にも実施可能なはずです。

特に、4月の飲み会シーズンで、大学生も含めた大人が、居酒屋という典型的な「3密」空間での感染には、都民に特別の注意喚起がほしいところです。当面は強烈なメッセージを発したので、その効果をまずは見て、必要なら段階的に追加すればいいでしょう。

ということで、都知事が首都封鎖の可能性という発信をして、大学生にしぼった合理的な対策をうったのは評価、医療体制整備もおおむね安心、あとはスピード感もってやっていただければ、と思います。