日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

新型コロナウイルス対策、専門家会議も重症者優先を強調、萩生田文科大臣は地域ごとに患者なしでも休校検討:両方おおむね支持。

昨夜、NHK新型コロナウイルス対策の基本方針を放送した後、専門家会議のメンバーが記者会見で、同会議の見解を発表、今朝、萩生田門下大臣が、感染拡大時の休校検討を発表。いずれも、おおむね支持します。政府は更に、自衛隊の関与を具体化させ、思い切った予算措置を講じるべきです。

基本方針の正式発表前日の21時に、専門家会議メンバーが記者会見

昨日のブログで書いた通り、昨夜19時に、NHK新型コロナウイルス対策の基本方針の素案を報じました。その後、同日に開かれた新型コロナウイルス対策歩武の専門家会議を受けて、専門家会議が「見解」を記者会見で発表しました。

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さらに今朝、萩生田文科相が、学校で感染者が出た場合には、市町村単位でその地域全体を休校にすることを可能にする方針を発表しました。

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私は、専門家会議の見解も、萩生田大臣が発表した方針も、おおむね支持します。

専門家会議の見解

専門家会議の見解では、「一人一人の感染を完全に防止することは不可能」と、当たり前ながら政治家が言いにくいことを明言し、目的は「感染の拡大のスピードを抑制すること」だとして、スピードが抑制できないと「患者数の爆発的な増加、医療従事者への感染リスクの増大、医療提供体制の破綻」が起こるので、それを避けるべきだ、と冒頭で強く訴えています。

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こうして目的を明確化したうえで、医療崩壊を防ぐために、重症者優先の方針を強く打ち出しています。

検査については、全ての人にPCR検査をすることは対策として有効ではないし、出来ないから、重症化のおそれがある人の検査のために集中させるべきだ、と明言しています。診察についても、「心配だからといって、すぐに医療機関を受診しないで下さい」と、政治家どころか、医師でさえ言いにくいかもしれないことをはっきり言っています。

私は、この姿勢を支持します。今朝のテレビ番組を見ていると、案の定、検査が出来ないことについて、批判がされていますし、自宅療養についても不安の声は出ていますが、医療崩壊を防ぐためにはやむを得ません。

PCR検査の体制が不十分なことについては確かで、現状では、本当に必要な人さえ検査できていないでしょう。それが問題なのは確かなので、キットの供給を増やし、保健所を通さずに医師から民間企業へ検査を依頼できるようには、早急にすべきです。未だに「帰国者・接触者」という縛りで検査が拒否されるのは問題です。

ただ、検査体制がある程度整っていたとしても、全ての人の検査など論外、感染者さえ、もう追跡調査する段階ではなくなりつつあります。重症者への重点化は止むを得ません。

もともと、日本の医療は平常時から、医療崩壊すれすれの状態です。政府も、専門家も、この機会に、病院の勤務医が既に過労死水準の2倍をはるかに超えるような残業を行っている現状、こういう場合のためのベッドがもともと足りていない現状、今回の新型コロナウイルス対策は、そういう状態の医療体制に、上乗せして行うことなのだ、という事実を、しっかり訴えるべきです。

医師の過労は、中国のように過労死も招きますし、院内感染のリスクも高めます。中国では、医療関係者3000人が感染したと言います。中国政府によると、原因は「防護品の不足や疲労」が引き起こした可能性がある、ということです。

中国、医療関係3000人が感染 新型肺炎:時事ドットコム

また、これも批判は受けるでしょうが、医療へのフリーアクセス制自体にも問題がある、というメッセージを国民に届けるべきです。誰でも、どんな医療機関でも原則として受診することができるのが当たり前になっているのが現状です。このフリーアクセス制度は、医療費の増大ばかりではなく、医療現場に過重な負担を強いています。感染症流行がない状態でもそうなのですから、いま、感染が広がっている状態で重症者を救うために、軽症者は後回しにすることは必要です。

武漢では、新型肺炎の患者が優先で、ガン患者の治療が拒否される等、他の病気、それも相当に重い病気の患者についてまで、「トリアージ」が行われています。医療機関をよほどしっかり守らないと、同じことが日本でも起きるでしょう。

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/in-chinas-war-on-coronavirus-hospitals-turn-away-other-patients--with-dire-results/2020/02/21/93e42c74-5307-11ea-80ce-37a8d4266c09_story.html

こうしたことを、政府や医師が言いにくいのだったら、バッシング上等で有識者がしっかりと発信すべきです。この緊急時の間だけでも、国民の医療に対する感覚を少しでも変えなければ、今回の感染症対策はもちろん、中長期的な医療システムの維持もできません。

萩生田文科省の発表

萩生田文科相の学校休校の方針については、おおむね賛成です。昨日のブログで書いた通り、国がちゃんと要請し、一方で、地域ごとの対応になっているからです。

新型コロナウイルス対策の基本方針、国が地方ごとに自粛させる方向(NHK):封じ込め不可能でもやる価値はあり、現状では支持。 - 日本の改革

が、二つ注文があります。

一つは、ぶら下がり会見の表現がちょっと消極的過ぎることです。日経の書き方では、「市町村単位で複数の感染者が出ている場合に、思い切って(全体で)休校にすることも選択肢に入れてほしい」と、やや腰の引けた表現ですが、結局は国が要請することにはなるようですし、そうすべきです。「可能だよ」と選択肢を示して丸投げではない形にすべきです。

学校で感染者出れば地域全体で休校検討を 文科省 :日本経済新聞

もう一つは、都道府県単位の学校休校も可能にすべきだ、ということです。人口密度の高い都道府県では、市町村では狭すぎる可能性があり、2009年に大阪府での成功例があるからです。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/263/00054330/220628shiryo2.pdf

過去のパンデミックレビュー|内閣官房新型インフルエンザ等対策室

ただ、上記の大阪府の検証にある通り、休校にも大きなデメリットがあります。感染者の 保護者や従業員が欠勤を余儀なくされるのはもちろん、子どもがずっと家にいるということになると、共働き家庭の中には、対応が難しいところも出てくるでしょう。風評被害も相当ひどかったのが、過去の経験です。

今日、政府は基本方針を発表しますので、それについてはまたあらためて書きます。