日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

国・自治体のイベント自粛要請、おおむね支持。自粛と風評被害でGDPは1%マイナスとの試算あり、バランス感覚必要。

国内感染防止対策、国・自治体のイベント自粛要請はおおむね支持しますが、国の基準はもう少し明確にすべきだったと思います。基準が曖昧で自粛がかえって進みかねません。経済への影響を考えれば、自粛要請のやり過ぎも禁物です。

国内感染症対策、イベント自粛は今くらいが適当

厚生労働省が、イベント等の主催者に対し、色々考えて開催の必要性を再検討するようお願いするけれど、現時点で政府として一律自粛を求めるものではない、という発表をしました。

イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ

加藤大臣会見概要 |大臣記者会見|厚生労働省

メッセージの文面も、その後の記者会見も分かりにくいもので、批判されています。

一方、大阪府や東京都は、明確な基準で、自分達が主催するイベントの自粛を決定しました。

大阪府は3月20日まで、府主催の府民が参加するイベントや集会を原則、開催中止又は延期しました。例外についても公表しています。東京都は3月15日まで、都が主催する屋内でのイベント、大規模なもの、食事を提供するものを原則、延期または中止(卒業式など、この期間に実施する必要があるものは、必要な対策をとってい実施)、屋外のイベントは食事を提供するものは原則として延期または中止、と決めました。

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年2月21日)|東京都

大阪府/中止又は延期する府主催イベント・集会等

大阪府知事、イベント自粛は「国が中心で」呼びかけ求める - 産経ニュース

私は新型インフルエンザ対策特措法での緊急事態宣言に反対で、この宣言の中には、こうした大規模イベントの自粛要請も含まれています。が、現状の国・自治体の自粛要請は、この制度が想定しているような全面的な自粛要請・「指示」よりも、はるかにマイルドで、これなら、社会的な混乱など起きようもありません。国民は各自治体のこうした自粛要請については、むしろ歓迎しているでしょう。

新型肺炎対策、緊急事態宣言は不要。無症状・軽症の感染者は自宅療養、病院のベッドは重症者用に空けるべき。 - 日本の改革

また、今回の新型コロナウイルス(表記を「ウィルス」から「ウイルス」に変えます)、感染力が当初の想定より高いことが分かってきたようです。この点からも、国内感染防止対策のために、経済に負の影響はあっても自粛要請を発するのは妥当です。

日経によると、このウイルスについて、1人の感染者からうつる人数の目安となる「基本再生産数」が当初推定より大きいとする分析結果が世界の研究機関から相次いでいるそうで、いずれも3程度としており、世界保健機関(WHO)が見積もる1.4~2.5を上回っています。2009年の新型インフルエンザの再生産数が1.4~1.6だそうです。だとすれば、当時よりも厳しい感染防止策になっても、やむを得ないでしょう。

www.nikkei.com

この点から、大阪府と東京都の明確な自粛要請は支持しますし、政府が民間を含めて、「自粛要請までいかない行政指導」を行ったことも理解できます。自治体と政府の対応は、全体として見れば、おおむね支持できますし、政府が感染防止と経済への負の影響のバランスをとろうとしていることを評価します。

一方、政府のメッセージは分かりにく過ぎるのが問題だと思います。また、責任回避をしたいのが見え見えで、国民はむしろそこに大変な失望を覚えているでしょう。政府としてリスクをとってでも国民の生命・健康を守る姿勢が見えない、という批判はもっともです。

ただ、私は、基準を曖昧にしてしまったのは、逆にゆきすぎた自粛を生む可能性があるのが問題だ、と思います。

民間の自粛は、政府が自粛までいかない行政指導を行う前から既に始まっていて、日経によると、2月の休祝日の来街者数は前年より大阪・梅田が15%減、京都が14%減、東京が6%減、横浜が10%減です。

www.nikkei.com

自粛に風評被害が加われば、2020年前半だけでGDPで2.9兆円下落するという試算さえあります。

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/macro/2019/naga20200221corona.pdf

これは半年間での数字ですから、通年では5.8兆円のマイナスになり、GDPの成長率が1%下がるということです。

こうした打撃を少しでも小さくするためにも、もちろん感染防止のためにも、国のメッセージは明確であるべきです。

橋下徹氏も、民間は政府をあてにせずに既に自粛に入っているのだから、次はいつまで自粛なのか、はっきりと発信すべきだと主張しており、私も賛成です。

 出来る限りの感染防止対策は絶対に必要です。この感染症は、高齢者、それも80代以上の高齢者や、基礎疾患を持っている人など、健康面での弱者にとっては十分な注意が必要です。そして、そういう人たちを守るためにも、日常的な経済活動や自由な社会活動が、形は変えても出来る限り正常に営まれることが大事です。