日本の改革

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読売新聞の一面トップ「女性・女系天皇、議論せず」⇒菅官房長官が国会で否定。与野党ともに静かな環境で議論を。

読売新聞が、政府は女性・女系天皇について議論しないと決めた、と報じましたが、国会で菅官房長官が否定しました。本件、与野党ともに政争にせず、静かな環境で冷静に議論すれば、自ずと答えは見えてきます。

読売の記事について衆院予算委で質疑

読売新聞は2月16日の朝刊一面トップで、政府が、女性・女系天皇の議論をしない方針だと報じました。三つの論点ごとに、引用します。

①女性・女系天皇は議論しない方針を決定

「政府は、皇位継承のあり方をめぐる議論で女性・女系天皇を対象としない方針を固めた」

「女性・女系天皇を実現するための法整備は見送ることにした」

皇位継承順位は変えない

「政府は皇位継承順位を変えないことを前提に、皇族減少に伴う公務の負担軽減策などを検討する構えだ」

③公の有識者会議も設置しない

「公の場で議論を行うための有識者懇談会も設けない方向だ」

www.yomiuri.co.jp

この記事がもし事実なら、日本の皇室は途絶える可能性が高くなります。女性・女系天皇を議論もしないなら、旧宮家皇籍復帰しか手段はありませんが、安倍総理と菅官房長官は、この選択肢をとらない、と国会で明確に答えているからです。

安倍総理は、2019年3月20日参議院財政金融委員会の答弁で旧宮家皇籍復帰を否定しましたし、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/198/0060/19803200060005a.html

皇位継承の順位は当面そのままでも良いから、ただちに女系・女性天皇の議論開始を! - 日本の改革

直近では、今年2月10日の衆議院予算委員会で、菅官房長官山尾志桜里議員の質問に答えて、旧宮家皇籍復帰を否定しています。政府として旧宮家の子孫の意向を確認したことはないし、今後も確認する予定はない、という全否定です。

www.nikkei.com

このため、読売の記事が事実だとすれば、皇位継承には重大な不安が生じます。

この件につき、昨日2月19日の衆議院予算委員会で、山尾志桜里議員が再び質問し、上述の①~③の三つの論点について、以下のような趣旨の質疑が行われました。

・山尾:2月10日の質疑では、菅官房長官旧宮家の皇室復帰を否定した。それを聞いて、無理な方策はちょっとずつ手放しつつ、国民の意思に沿う方向になればいいなと思ったが、読売が、政府は女性・女系天皇も議論しないと決めた、と報じている。

そこで伺いたいが、女性・女系天皇を議論の「対象としない方針を固めた」(①の論点)と記事にあるのは事実か?

・菅:そのようなことを決定したことはない。

・山尾:皇位継承順位を変えないことを前提に(②の論点)するというのは事実か?

・菅:そのようなことを決定した事実はない。

・山尾:公の場で有識者懇談会も設けない(③の論点)というのは事実か?

・菅:そのようなことを決定した事実はない。引き続き、皇位継承の行事がつつがなく行われることに全力を尽くし、その後、(皇室典範特例法の)付帯決議の趣旨を尊重して対応する。

(2017年に成立した皇室典範特例法の付帯決議は「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を重要な課題と明記)

以上が、読売の記事の①~③の論点に関する質疑です。

官房長官によると、現在、内閣府の準備室が有識者から個別に話を聞き、論点や課題の整理・準備しているので、4月19日の立皇嗣(りっこうし)の礼が終わったら、付帯決議にある検討を始める、検討のやり方は未定、ということです。山尾議員は、公の有識者会議での検討にしてほしい、と一言要望しました。

ということで、菅官房長官は、読売の記事の内容を否定しました。

落としどころは、「皇位継承順位は変えずに女性・女系天皇を認める」

上の質疑をよく見ると、菅氏がはっきりと否定したのは、政府が①~③について「既に決めた」という記事の内容です。だとすると、「まだ決めてないけど、やっぱり記事の通りに決めました」と後で言うことは可能ではあります。

ただ、立皇嗣の礼の後に、付帯決議で国会が求める検討を始める、というのは、今回の質疑で確定です。その検討の際には、旧宮家の皇族復帰という選択肢は、排除されています。これも確定です。

皇位継承のための選択肢は三つしかありません。現行のまま、悠仁様に男の子が生まれるのを期待する、旧宮家の皇族復帰、女性・女系天皇、の三つです。

このうち、最初の、悠仁様に男の子が生まれるのを待つ、というのは、「安定的な」皇位継承とは言えませんし、わざわざ議論する必要もありません。一方、政府は、皇室典範法の付帯決議の通りに、安定的な皇位継承のための検討を行う、としています。

だとすると、議論の対象は、旧宮家の皇族復帰か、女性・女系天皇です。そのうちの一つだけを、政府は国会で繰り返し、総理大臣が1回、官房長官が2回、国会で完全に否定しています。

そうなると、残るのは、女性・女系天皇だけです。議論するともしないとも決めていません、と言いますが、当然、議論せざるを得ないでしょう。

もちろん、それでも議論しない手はあります。当面は女性宮家だけを認めて、女性・女系天皇の議論は先送りにする、という方法です。

東京新聞:皇位継承策の見送り論が浮上 政府、女性宮家は必要と言及も:政治(TOKYO Web)

しかし、先送りしたところで、政府はいずれ、残った唯一の選択肢、女性・女系天皇を検討し、結局は容認せざるを得ないはずです。他に選択肢が残っていないからです。

 ということで、政府が、女性・女系天皇を容認するのは時間の問題です。

仮に、今年4月から早速、この選択肢が議論されるなら、(読売の過去の報道が正しいなら)現在の皇位継承順位は変えないで、女性・女系天皇を認める、というのが、落としどころだろうと思います。

もともと、小泉政権時代に、女性・女系天皇を認める報告書が出た後に、悠仁様が御誕生になり、それで議論がストップしました。政府としては、当時は将来世代の男子が一人もいなかったことから、愛子様を想定して女性・女系天皇を可能と決めたところで、悠仁様がお生まれになったので、現行の皇室典範通りに、悠仁様を将来世代の皇位継承者とすることになり、報告書の扱いに困って棚上げした、というのが現状です。

以上の経緯を考えれば、現在の皇位継承順位は変えないが、将来的には、女性・女系天皇も認める、つまり、悠仁様に女の子しか生まれなくても皇位継承は可能であるという形にする、というのが、座りの良い案です。また、悠仁様に何かあったときのことを考えて、愛子様ら女性皇族も直ちに天皇になれるようにする、ということにもなります。

このように、女性・女系天皇として想定するのが、悠仁様の次の世代ということであれば、議論の先送りでも、何とかなることはなります。が、どうせ結論が見えているなら、やはり早く決めて、準備万端にしておくべきでしょう。

この件については、与野党ともに、本当に静かな環境で議論していただきたいと思います。長い伝統を今の国民の民意だけで変えてよいものではない、という主張に、私は全面的に賛成です。伝統とは、長い間に示されてきた民意の積み重なったものです。そして、民意は将来生まれてくる国民のものでもあります。

国会議員各位は、過去、現在、将来の国民の声に静かに耳を傾け、長い歴史の重みを十分に踏まえて、新たな歴史を作る気持ちで、伝統に体現された民意の求めるところを見つけていただきたいと思います。そうすれば、自ずと結論は一つに決まるはずです。