日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

日本会議が「習近平の国賓としての招聘を憂慮」と言いつつ安倍政権支持の二枚舌。「日本は尖閣に米軍か自衛隊の基地を置け」と言え。

日本会議が、習近平国賓としての招聘を憂慮する声明を出しましたが、安倍政権の批判とまでは言えません。習近平国賓としての来日は、尖閣問題で日本が黙ることとの引き換えだったと言われています。日本会議は、本当に習近平国賓としての来日をつぶしたいなら、尖閣に米軍か自衛隊の基地を置くべき、と主張すべきです。

全然甘い日本会議の認識・声明

今日2月9日、尖閣の接続水域で、中国海警局の船2隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認しました。尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは8日連続です。

尖閣周辺に中国船 8日連続 - 産経ニュース

いつであろうと尖閣での中国の主権侵害は許せませんが、新型コロナウィルス対策で、日本が中国に防護服を送る等の支援を行っている最中であり、特別に腹立たしいことです。2月4日、中国外務省の華春瑩報道局長が、日本の支援に、「心から感謝して心に深く刻む」などと白々しく述べながら、平気で中国は尖閣周辺への侵入を「毎日」行っています。

www.jiji.com

そんな中、2月7日に、日本会議が、「習近平国家主席国賓としての招聘を憂慮する声明」を発表しました。尖閣問題を考えれば、時宜にかなったものです。

[声明]習近平国家主席の国賓としての招聘を憂慮する声明( 令和2年2月7日) « 日本会議

声明では、日中両国の間には「4つのトゲ」があるとして、「尖閣諸島」「日本人拘束」「日本食品輸入規制」「香港・ウイグル」の四つを挙げ、河野防衛大臣が、「中国が自由や民主主義、法の秩序といった国際規範をないがしろにするなら、国際社会と連携して、中国に相応のコストを支払わせる状況をつくる必要がある」と語ったのを、「極めて正論」として賞賛しています。

そして、「習近平国賓としての来日が実現すれば、日本外交に大きな禍根を残しかねない」と批判。外交交渉の必要は認めつつ、「国賓としての招聘は別」として、両陛下とのご会見の席で、習近平天皇陛下に訪中を要請することを危惧しています。

そして、天安門事件後の1992年に天皇訪中を実現した失敗、日本国民の厳しい対中感情を挙げて、今回また訪中が実現すれば、天皇陛下の御品位を傷付ける、とまで言っています。

更に、新型肺炎の流行が収束しない中での習近平国賓としての招待は、国際社会の理解も得られない、として、国賓としての来日について深い憂慮を示し、「その前に政府があらゆる外交ルートを通じて、中国に対し両国間に横たわる重要課題の解決に尽力するよう働きかけることを強く求める」としています。

というわけで、一見厳しいトーンで、習近平国賓としての招聘を批判しています。

が、結論としては、招聘には以上のような問題があるから、その前に、河野外相が言う通り、四つの課題の解決を中国に要求すべき、というだけのものです。結局、安倍政権の現状の政策を支持しています。

河野外相は確かに、自由と民主主義と国際法を守らせるため、中国に相応のコストを負わせるような国際的な状況を作るようすべき、とは言っています。

しかし、今年の安倍総理の発言や施政方針演説を見れば、日本政府は二枚舌を使っています。

本ブログでは、2013年以降、1月か2月の通常国会での安倍総理の施政方針演説で対中政策についてのスタンスがどう変化したか、振り返りました。

2013年から2017年までは、基本的には、「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携」すべき、という方針を明確にしていました。

ところが、2017年にトランプ政権が発足して米中対立から米中冷戦になると、対中政策ではチャンスのはずなのに、安倍政権は真逆に親中に舵を切りました。外交安保の方針は、中国に忖度した「自由で開かれたインド太平洋」という曖昧な比喩ですませ、2019年からは、独裁者習近平の言う「新時代」という言葉をわざわざ入れています。もちろん言葉だけでなく、一帯一路に事実上の協力をしたうえ、習近平来日で「第五の政治文書」を作って、習の独裁と覇権主義に原則的な黙認をしようとしています。

「人権」も「民主主義」も「法の支配」も消えて、習近平の言う「新時代」が入った施政方針演説:ゆきすぎた親中政策を理由に、安倍総理を退陣させるべき。 - 日本の改革

これを見れば、日本会議がほめる河野防衛大臣が一閣僚として何を言おうが、トップである総理大臣が何年にもわたって、親中政策をどんどん進めている以上、ただの二枚舌です。

日本会議の今回の声明も、二枚舌です。習近平国賓としての来日を憂慮する、と言いつつ、安倍政権の二枚舌の片方の舌、河野大臣の保守派向けポーズの発言だけを取り上げています。トップの安倍総理のどうしようもない媚中発言・中国従属政策を一切批判しません。

だいたい、日本会議も、政策委員の伊藤哲夫氏も、安倍政権の一帯一路政策への事実上の協力について、全然何も言っていません。習近平独裁制覇権主義をあからさまに示しているこも、米中冷戦の開始もきちんと認識しているのに、一帯一路に関する安倍政権の政策には丸っきりだんまりで、甘すぎる認識・姿勢です。尖閣についても、以前はやっていたような運動をやっていないようです。去年、特に中国の侵入がひどくなってスクランブルも最多だった(これも以前、本ブログで紹介)のに音無しなのだとすれば、結局、中国に厳しいことを言っても口だけ、安倍総理のやることなら何でも支持なのでしょう。

安全保障 « 日本会議

http://www.seisaku-center.net/taxonomy/term/3

第二のペンス演説は香港民主化を力強く支持、安倍政権はますます親中路線:日本国民は来春の習近平来日時、日本中を香港の旗と黒Tシャツだらけにしませんか? - 日本の改革

習近平国賓としての来日を本当に憂慮するなら、尖閣問題を持ち出せ

習近平国賓としての来日は、尖閣問題について日本が厳しい対応をしないことを交換条件として実現したものです。これも以前、本ブログで取り上げました。

中国は、尖閣の国有化を契機に悪化した日中関係を「正常軌道」に復帰させろと要求していました。第二次安倍政権が誕生した当初、安倍総理はこれを無視していました。

ところが、2018年8月、日中関係は「正常な軌道に戻った」と、日本の方から、当時の河野外相が表明しました。習近平訪日を実現したいと、日本政府の方から持ち出したのです。2019年1月、安倍総理は、通常国会の施政方針演説の中で、「日中関係の正常軌道」復帰を宣言して、6月のサミットでまた習近平に「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」と言って、やっと来日をOKしてもらいました。

安倍総理の発言「日中関係は完全に【正常な軌道】」は、尖閣についての敗北宣言だった? - 日本の改革

こういう経緯ですから、習近平国賓としての来日を真剣に憂い、それを本気でやめさせたいなら、尖閣諸島周辺への侵入を絶対許さない姿勢を示せ、と、日本政府に要求すべきです。

一番良いのは、尖閣に米軍か自衛隊の基地を置くよう、日本政府に要求することです。

今年1月、アメリカ陸軍長官のライアン・マッカーシーが、米軍基地を尖閣に置くことも検討すべきだ、と発言しています。極超音速兵器とそれに対する防衛システムについて、防衛産業はもっと投資をすべきだ、その活用場所は、尖閣南シナ海が考えられる、などと言っています。

Army Pushing Industry to Invest in Hypersonics Manufacturing Capabilities

US Army examines basing Multi-Domain Task Force troops on the Senkaku/Diaoyu Islands | Jane's 360

米政府、米軍の正式な決定ではありませんが、現職の米陸軍トップが発言しているのですから、尖閣に米軍基地を置くというのは、決して荒唐無稽な話とは言えません。

日本政府は真剣に検討すべきですし、米軍基地が難しいなら、極超音速兵器対応のミサイル防衛システムの導入なり何なり、アメリカと利害の一致する形で、自衛隊の基地を置くことも検討すべきです。

日本会議が、天皇陛下習近平に政治利用されることを真摯に憂慮し、何としてもこれを止めたいと思うなら、「日本政府は尖閣に米軍基地か自衛隊基地を置け」と主張すべきです。