日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

衆議院予算委員会、オンライン診療での徹底した規制改革求めた公明党の質問が白眉。立民等の野党は見習うべき。

今日の予算委員会公明党国重徹議員が、オンライン診療の適用範囲が狭すぎると批判したのが光っていました。立憲民主党に新材料ほぼなく、今日は空振りです。

公明党がオンライン診療で徹底した規制改革を主張

衆議院予算委員会1日目、立憲民主党の質問は新味がほとんどなく、政府に難なくかわされました。与党の公明党国重徹議員が、オンライン診療の適用拡大を求めた質問の方が、日本の改革には意味のある質問でした。

国重議員は、災害拠点がレッドゾーンから外れるようにすべきとか、幼保無償化での現場の処遇改善だとか、政府も既に進めていて、政府のアピールになるヨイショ質問も一通りやっていました。が、医療については、オンライン診療をもっと広げろと、現在の規制の不合理を厳しく指摘しました。

オンライン診療で保険適用となったのは、昨年3月、日本全国1か月で保険適用は106件にすぎないというデータを紹介し、保険診療の要件厳し過ぎるからだ、と指摘。

なかでも、オンライン診療を受けるときには、緊急時には30分以内に対面診療できる医療機関でないとダメだという要件が、とりわけ不合理だ、と批判していました。離れた場所で受けるからオンライン診療は意味があるのにおかしい、これを含めて不合理な要件は見直すべきだ、と、真正面から現行制度を批判して質問していました。

加藤厚労大臣は、オンライン診療のメリットは認めつつ、一方で、対面とは全く同じではない、安全性、有効性、必要性の観点から普及続けていく必要がある、と原則論を述べた後、「オンライン診療の適切な実施に関する指針(2018年3月決定、2019年7月改定)」は最低限の事項を示したもので、2018年の診療報酬改定でオンライン診療科を創設した、と経緯を説明。この2018年診療報酬改定に、緊急時の30分以内の要件が入ってしまって、これが結果的に利用を妨げている、周囲にそもそも医療機関がないこともあるから問題だ、として、国重議員の批判が正しいと認めました。こうした指摘を踏まえて、2021年度診療報酬改定に向けて、現在、中医協で議論している、バランスとりながら必要な見直しをしていく、と答弁しました。

これに対し、国重議員は、精神疾患が対象外になっているのもおかしい、と指摘しました。アメリカではオンライン診療ではこれが多いそうで、精神疾患含め、現段階で保険対象でなくてもオンライン診療になじむ疾患に、対象を広げるべきではないか、と、これも規制改革の徹底を求めました。

加藤大臣は、現在は、長期間で継続的な疾患、特に生活習慣病等に限っているが、精神疾患等についても、安全性のエビデンスを収集し、有識者に検討していただきたい、と答弁。国重議員は、スピード感もって前向きにやれ、とお尻を叩いていました。

質疑全体を見れば、政府は国重議員の提案を慇懃無礼にはねつけているので、突っ込みが全然足りないのは確かです。しかし、医療について、極めて重要な問題であるオンライン診療の普及について、公明党が規制改革の徹底を求める方向で、政府が容易にOKできないような厳しい要求をしていたのは、私には嬉しい驚きでした。

既得権者の医師会のせいで、オンライン診療は全然進まない

本ブログでは、オンライン診療・投薬を厚労省が出来るだけ広く解禁しようとしているのに、医師会等が反対して、極めて狭い範囲でしか実現していないのを批判してきました。取り上げたのは主に、去年1月から6月上旬です。

オンライン診療・投薬「解禁」かと思ったら・・・ - 日本の改革

緊急避妊薬のオンライン処方指針に下らない要件いくつも:毎年16万人が人工妊娠中絶、虐待死の6割は0歳児の現実。早急に市販も認めるべき! - 日本の改革

その後どうなったかと言うと、厚労省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で、去年2019年6月28日に、オンライン診療の適用範囲が少しだけ広げられました。離党・僻地などでは、初診からオンラインでも良い等、当たり前のことが少しだけ認められたくらいですが。

オンライン診療の新指針案に1652件の意見 :日本経済新聞

www.mhlw.go.jp

問題は、本丸の、保険診療を認める範囲で、例の「30分要件」もここに関わります。こちらは、中医協で議論されていますが、議事録は去年後半からまだ公開されていません。どうも現在のところは、対象疾患等について、ほとんど緩和しないのではないか、という報道が出ています。

オンライン診療、対象疾患は拡大せず 厚労省方針 :日本経済新聞

この問題、構図としては、診療報酬を支払う「支払側」(健康保険組合連合や全国健康保険協会)と、日本医師会等が対立しています。企業やサラリーマン等、医療を利用する人を代表する立場の支払い側は、もちろんオンライン診療拡大を求めていますが、医師会が抵抗しています。

gemmed.ghc-j.com

お医者さんが全員、オンライン診療に反対かというと、もちろんそんなことはありません。前向きに考える医師の団体も活動しています。経済同友会あたりも、IT産業への波及効果もあるので、もちろん賛成です。

第2回公開オンライン診療研究会報告 | 日本オンライン診療研究会

https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/190423a.pdf#search=%27%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E8%A8%BA%E7%99%82+%E8%AB%B8%E5%A4%96%E5%9B%BD+%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB+EU+%E4%B8%AD%E5%9B%BD%27

医療については、もちろん、安全性や必要性について、専門的な検討がしっかりなされるべきです。しかし、オンライン診療については、既に長く検討してきたうえに、賛成する医師も多く、安全性、必要性について、一定の水準はクリアしているはずです。

何より、少子化医師不足で地方の医療が本当に崩壊する危機にあるというとき、「30分要件」等でオンライン診療を事実上禁止するような方針は、既得権者である医師会の利益のためだけに作られた不合理な規制と呼ぶしかありません。

この不合理極まる規制を、予算委員会という目立つ場所で厳しく批判した国重議員には、一国民として感謝しますし、なぜ、野党がこういう質問をしないのか、と、いらだつ思いを感じます。

一方、立憲民主党は・・・

 立憲民主党の質問は、桜を見る会、IR疑惑、河井議員夫妻と菅原議員の公選法違反について、が中心でした。

私は安倍応援団ではないし、こういう問題を取り上げること自体には反対ではありません。ただ、今日の質問では、新たな追及材料が少なすぎて、政府に余裕でかわされていました。

比較の問題で言えば、トップバッターの江田憲司氏は、一応、新しい材料を持ってきました。桜を見る会の実施につき、内閣府が、原則として二年連続して同じ人を招待しないように求める通達を出している、という事実をもとに質問しました。

なぜ、通達で二年連続で呼ぶなと各省に求めているのに、招待者名簿を破棄するなどということが起こり得るのか、ということで、これは一応なるほどと感じさせます。

ただ、これも、内閣府の官房長が、そのような通達を出したのは事実で、そのうえで、個人情報をもらっているので破棄してしまった、重複しないようにするのは難しいこともあったと思うので、反省して見直す、と、全面的に謝罪しておしまい。

桜を見る会については、もともと大した問題ではなくて、このように政府が全面的に間違いを認めて謝れば、それで済むような話であることを明らかにしたような場面でした。

このような、本来は小さな問題を、総理大臣が意地になって反論しようとして、公文書を破棄したり、破棄したことにしたり、はては改ざんまで行わせて自殺者まで出した、というのが、桜を見る会から森友事件に共通する、安倍政権の大問題です。この点については、先進国失格だと言われても、反論の余地がありません。

そう考えれば、橋下徹氏が、問題の本質は公文書管理にあると言っているのはもっともです。維新はその方向で、余計な野党批判なんかしないで、政府を厳しく追及してほしいと思います。

立憲民主党のように、桜、IR、河井・菅原の政治とカネで追及するのも、私は全否定はしないのですが、それならそれで、まだ出てきていない追及材料をちゃんと政府に突き付けないと、政府は痛くもかゆくもないでしょう。

公明党の国重議員の質問は、政府も本音では不合理だと思っているけれど、医師会への忖度で変えられない規制を鋭く突いたものでした。政府にスルーはされましたが、予算委員会で、与党・公明党までが追及した、という事実は大事です。

ここに野党第一党や、与党寄りの維新も加わって批判に回れば、政府・自民党も、医師会を黙らせる材料に使える可能性が出てきます。立憲民主党などは、今日の国重議員を見習って、オンライン診療の規制について、政府を追及すべきです。