日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

アメリカ民主党予備選、結局は本命バイデン、次点サンダーズ。来年はやっぱりトランプ有利。

 

民主党予備選、結局、穏健派のバイデンか左派のサンダーズか、に集約されてきました。最近民主党内で評価が高いサンダーズは主張が極端すぎますし、バイデンは既存政治の色が強く、どちらも魅力を感じません。現状では、来年はトランプ有利と見ます。

サンダーズ指名の可能性が高くなった?

ポリティコが、民主党内でサンダーズ指名の可能性が真面目に語られるようになってきた、と書いています。逆に言えば、最近まで、彼はどんなに人気が高くても、「ネタ」として考えられてきた、ということです。が、今ではそうとばかりも言えないようです。バイデンがトップを走る構図は結局変わらず、その他大勢の誰が二番手か、という話ではありますが。

www.politico.com

今まで、サンダーズに熱狂的な支持者はいても支持基盤が狭すぎるし、主張も左翼的すぎるし、ウォーレンも上がってきているし、と思われてきたのが、この数週間で民主党内の状況が変わったようです。

ポリティコの記事によると、理由は要するに、ウォーレンはじめとする他の候補が失速したのに、サンダーズの支持が意外にずっと底堅い、ということです。ある民主党関係者は、サンダーズが、大統領選のカギとなる州に含まれるアイオワ州とニュー・ハンプシャー州を取れる可能性があり、バイデンと違って、ネヴァダ州でも勝てるかも、と言っているそうです。

リアル・クリア・ポリティクスの世論調査まとめ(先月末あたりも含みます)を見ると、確かに、アイオワ州とニュー・ハンプシャー州でのサンダーズの支持率はバイデンに並んでいます。ネヴァダではだいぶバイデンが上のようですが、先の民主党関係者のコメントを見ると、プロの最新の情報では、サンダーズが追い上げているのかもしれません。

RealClearPolitics - 2020 - Latest Polls

全国的に見ても、CNNの全国調査(12月12~15日)で、サンダーズは "favorability rating"(好感度?親しみやすさ?)で民主党トップです。バイデンが10月の47%から39%に落ちて、サンダーズが10月の48%から落ちたものの43%でした。

https://cdn.cnn.com/cnn/2019/images/12/19/rel14b.-.2020.pdf

平均的な支持率で言えば、バイデンが10ポイント前後の差をつけていますが、予備選はバイデン対サンダーズに集約された、ということでしょう。これから、ウォーレンらが脱落して、彼女ら、彼らの票がサンダーズに集まれば可能性はゼロではありません。

RealClearPolitics - 2020 - Latest Polls

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どちらが勝っても、トランプ有利

全国調査では、バイデンでもサンダーズでも、トランプより支持率は高いようです。が、以前、本ブログで紹介した通り、前回の接戦州では、トランプがバイデンはじめ民主党候補を支持率で上回る結果が最近では多いですし、トランプがリードされているウィスコンシン州では、差が縮まっています。

www.kaikakujapan.com

 前回の大統領選では、全国調査でヒラリーだったけれど番狂わせでトランプ勝利、予測を外した大手メディアが総ざんげとなりました。大統領選全体でキーとなりそうな州の情勢に注目すべきところで、それを見ると、トランプは有利な情勢です。

あとは、来年の本選に向けて、候補者の政策や人柄等に接して、国民全体での世論がどれくらい盛り上がるか、でしょうけれど、そうした点を含めても、やっぱりトランプが有利だろうと思います。民主党候補に魅力を感じないからです。

もちろん、日本人の私には、アメリカ国民の感じ方は良くは分かりませんが、普通の民主主義国家の選挙戦となれば、人間なんてどこもそう変わらないだろうと思います。

まず、最近評価が上がっているというサンダーズですが、やはり社会主義者を自称する彼の主張は極端すぎます。本人は「民主社会主義」と言っており、旧ソ連や中国のような独裁制ではなく民主主義で社会主義を目指すということのようです。ニューヨーク・タイムズによると、欧州流の社会民主主義共産主義の間くらい、ということですが、それはちょっと左過ぎて、アメリカでなくても受け入れられないでしょう。

Bernie Sanders: Who He Is and What He Stands For - The New York Times

以下、ワシントン・ポストによるまとめで、彼の政策のいくつかを見てみます。

www.washingtonpost.com

確かに、彼の極端な主張が受け入れられて広がる素地は、今のアメリカには十分にあります。貧富の差が広がり過ぎたうえに、リーマン・ショックによって、資本主義そのものへの信頼が揺らぎました。特に、米ソ冷戦など知らない世代の若い人達には、「社会主義」という言葉への抵抗感さえ薄いようです。

実際、サンダーズの政策には、賛成できるものもあります。特に、公立大学を無償化して、教育ローンの債務を帳消しにする、という主張を行ったことが、アメリカの高すぎる授業料と重い借金に苦しむ若者の心をとらえたのは、当然だと思います。債務帳消しの所要額は1.6兆ドルと巨額ですが、10年か20年かければ、全然不可能なプランではないでしょう。温暖化対策として掲げたグリーン・ニューディールは、15年間で16.3兆ドルのプランで、さすがに巨額すぎるとは思いますが、温暖化対策を徹底して、そのために「異次元の」公共投資をやる、という方向には賛成できます。

が、そこから先はついていけません。何と言ってもまずいのは、雇用対策として連邦政府の公務員を増やし、財源は富裕層への課税だと言っていることです。富裕層への増税は、ウォーレン程度のものなら賛成ですが、公務員を増やしましょうというのは、とんでもない政策です。雇用対策というのですから、税金を使って新たな既得権層を作る発想です。ここは「社会主義者」の面目躍如で、一般のアメリカ国民は決して支持しないでしょう。

富裕層の増税の程度も、極端すぎます。ウォーレンも相当厳しいですが、私がウォーレンの富裕税に賛成できるのは、彼女はあくまで、資本主義は当然の前提として、所得再分配をより強化しよう、という考え方だからです。さじ加減については、現実を見ながら調整が可能ですし、一部富裕層には(本音はともかく)賛成者も出てくる程度のプランです。

アメリカの超富裕層15人の純資産9400億ドルは4300億ドルに半減:ウォーレン富裕税のインパクト - 日本の改革

しかし、サンダーズは違います。彼は本気で、富裕層を絶滅させようとしています。ビリオネアの存在自体を許さないと主張して、ウォーレンをはるかに上回る富裕税を主張しています。

digital.asahi.com

米大統領選、富裕層が最も恐れるのはサンダース氏か-最高税率97.5% - Bloomberg

要するに、サンダーズが目指しているのは本当に社会主義そのものであって、ウォーレンが主張するような、資本主義を改善するための構造改革ではないのです。

一方、トップを走るバイデンも、魅力に乏しい候補です。

民主党による弾劾は、トランプの支持率を下げるためのものでしたが、バイデンも傷付けています。ウクライナ疑惑についてトランプがおかしいと考える世論は当然強いですし、トランプ陣営の陰謀論めいた民主党攻撃も真面目にはとられていないでしょう。ただ、バイデンの息子が父親のコネで、ウクライナのガス会社に就職し、月5万ドルという高給を得ていたのは事実で、弾劾でこれが浮き彫りになりました。

www.jiji.com

先に挙げたCNNの世論調査で、バイデンもサンダーズも10月から好感度を下げていますが、バイデンの落ち込みが大きくてサンダーズに抜かれたのは、弾劾がかえって不利に働いたのでしょう。実際、先にも挙げた通り、カギとなる州でも、トランプにリードを許しています。

結局、トランプを当選させたような、リーマン・ショック以降のアメリカの中間層の深刻な経済状況に対しては、既存政党の共和党民主党が、それまでの延長でやってきた対策ではダメで、資本主義は当然の前提としながら、根本的な改革が本当は必要です。少なくとも、そうした方向を打ち出さないと、トランプを当選させた人達、今のアメリカ政治で政府や議会に無視されていると感じてきた人達の共感や理解を得られません。

トランプ大統領は結局、そうした人達を裏切っているのも確かですが、さりとてトランプから逃げた票がバイデンには行かないでしょう。主張の極端なサンダーズに流れる票も、ごく一部です。

私は、ウォーレンがアメリカの必要な改革を主張していると思ったのですが、医療保険改革の主張で大失敗して失速、残念ですがもう浮上しないでしょう。

ということで、民主党候補は、両極端ながら魅力に乏しい白人男性の老人二人だけが残り、同じ白人男性の老人でも異常なエネルギーで好景気は実現しているトランプには、とても対抗できないだろう、と見ます。