日本の改革

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北朝鮮、超大型放射砲の連射に成功。トランプは「非核化と引き換えの在韓米軍縮小」?安倍総理は、北朝鮮の実験の意味を国民に説明を!

北朝鮮が、超大型放射砲の連射に成功。日本への脅威が着実に増しています。

・トランプは、「非核化と引き換えの在韓米軍縮小」を言い出す可能性もあります。実際は無理でも、国内向けアピールになるし、在韓米軍駐留費5倍の要求に韓国世論の反発は強いので、言うだけは言うかもしれません。

アメリカが、日本の駐留米軍経費を増やせと言ってきたら、日本国民も反発して、米軍基地縮小の世論が高まります。そうならないために、安倍総理は、北朝鮮の実験ごとに、その意味を国民に詳しく説明するべきです。

去年9月10日⇒今年8月24日⇒10月31日⇒11月28日で成功した、超大型放射砲の連射

昨日11月28日、韓国軍合同参謀本部は、北朝鮮が飛翔体2発を日本海に向けて発射したと発表しました。日本の海上保安庁は、弾道ミサイルが発射されたとみられるとし、日本の排他的経済水域EEZ)外に落下したと分析しています。「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」と称する事実上の短距離弾道ミサイルだったと見られます。

北の2発は「超大型放射砲」か 米朝交渉期限の年末迫り揺さぶり - 産経ニュース

北朝鮮のミサイル実験や核実験は、その場その場のアメリカへのアピールではなく、もっと中長期的に、着実に攻撃力をつけて、対米を含めた国際的発言力を強める狙いがあると見るべきです。これについては、北朝鮮SLBM実験のときに、本ブログで主張しました。

北朝鮮のSLBMが日本のEEZに。韓国がGSOMIAやっぱり延長と言い出したら、苦笑いして認めるべき。。 - 日本の改革

今回の超大型放射砲というのは、30秒間という短時間で連射が出来るのがメリットで、そのための実験が繰り返されてきました。去年9月10日も実験はありましたが、しばらく時間をおいた今年の2回の実験を経て、昨日の実験で、目的を達成したようです。

今年8月24日の超大型放射砲の実験の後、朝鮮中央通信は、「超大型放射砲の武器体系の全ての戦術・技術的特性が、計画された指標に正確に到達した」と試射の成功を強調し、金正恩は「敵対勢力の増大する軍事的脅威を制圧、粉砕する戦略・戦術兵器を引き続き強く推し進めるべきだ」と指示しました。「引き続き」推進ですから、まだ完成してないという意味だったわけです。

www.tokyo-np.co.jp

次は10月31日です。8月24日に発射間隔が17分もかかっていたのが、今度は3分に短縮されました。それでも、韓国軍等は、連射能力はまだまだで、これほど時間差が生じるのであれば、よくできた放射砲とは見なし難いと見ていました。このため、韓国軍当局は、北朝鮮が連射能力を向上させるために、近いうちに超大型放射砲の追加試験に出る可能性が高いと見ていました。

スーパー放射砲見せたかった北朝鮮、迅速に認めた韓国 | Joongang Ilbo | 中央日報

そして昨日11月28日、めでたく30秒の間隔で、高度97キロ、距離380キロを飛行しました。北朝鮮の労働新聞は「超大型放射砲の戦闘適用性を最終検討することに目的を置いて行われた」として、金正恩が「結果について大満足を示した」と伝えました。ミッション・コンプリートです。

jp.yna.co.kr

北朝鮮はやみくもにミサイル実験を行う狂った国ではなく、アメリカの顔色を見て短期的なアピールのためだけに実験を行っているのでもなく、個々のミサイルごとに達成目標を定めて、地道に、着実に性能を高めることで、中長期的にアメリカへの交渉能力を高め、主権を守り、外国から最大限の譲歩を引き出そうとしています。

「非核化と引き換えの在韓米軍縮小」、ほぼあり得ないが、トランプは言う可能性あり

先週、11月21日、 北朝鮮の核ミサイルを専門的に扱うサイト「38 North」に、気になる論説記事が出ていました。トランプが、北朝鮮の非核化と引き換えに在韓米軍の縮小・撤退を言い出す動機がある、と言うのです。

www.38north.org

結論としては、そんなことには議会が超党派で反対するし、トランプが勝手に米軍を減らせないようにわざわざ法律まで作ったので、このディールは実現する可能性はまずない、としています。

それでも、「Troops for Nukes」、つまり、「部隊の代わりに核を」という刺激的なタイトルでこの論説が書かれているのは、トランプ自身にとっては、この取引が大変メリットがあるからです。非核化は来年の大統領選に向けて米朝交渉で大変な成果となりますし、在韓米軍縮小・撤退も、トランプの年来の主張と信念に沿ったもので、やはり支持固めになるから、一石二鳥だから、と言うわけです。

筆者はナショナル・インタレストの外交安保関係のコラムニストのDaniel R. DePetris氏で、他にも多くの大手メディアで書いているようですし、掲載されたサイト「38North」も北朝鮮情報で権威あるものですから、いい加減な放言ではなさそうです。

そうなると、気になるのが、トランプ政権が韓国に要求している、在留米軍経費を5倍にしろという要求です。当然のことながら、これに対する韓国の国民の反発は強く、大幅な負担増について「在韓米軍が縮小されても反対」と答えた人は68.8%で「米軍が縮小されかねないため必要」と答えた22.3%を大きく上回ってしまいました。

www.nikkei.com

そうなると、トランプは、大統領選向けに、どんなに可能性が低くても、言うだけは言って様子を見るつもりで、「北朝鮮非核化と在韓米軍縮小の歴史的ディール!」とぶち上げる可能性もあります。どうせ議会の反発で撤回するにしても、前言撤回がこれほど多い大統領なら政治的ダメージは小さいでしょうし、内向きの弾劾騒ぎをしている民主党を小さく見せるために、発言だけはしてもおかしくありません。

もしそうなったら、米韓同盟には深刻な亀裂が入るでしょう。法律の範囲内で、本当に在韓米軍の小幅な縮小や機能低下が起きるかもしれません。これが第一歩となって、10年、20年かけて、段々と在韓米軍が本当に引いていく始まりとなってしまいます。在韓米軍の大幅な縮小は、日本の防衛負担がそれだけ増えることにつながります。

安倍総理は、北朝鮮のミサイル実験のたびに、国民にいかに恐ろしいか説明を!

日本も他人事ではありません。在日米軍の駐留経費負担を4倍にしろとの要求についての報道があり、

米政府、既に7月から在日米軍の駐留経費負担4倍増要求か:日本政府は真剣に受け止めて、対中政策の根本的転換を - 日本の改革

日本政府は否定しましたが、私は本当はこうした要求があったのではないか、と思っています。これについては、本ブログでも書きました。

来月、日韓への中距離核ミサイル配備を協議?GSOMIA延長のため、日本は対韓輸出管理の見直しを! - 日本の改革

4倍払えと文字通りに言われたかどうかはともかく、トランプ氏が日本と韓国のような豊かな国は助けない、と言っているのは確かです。

www.business-standard.com

ここから先は、素人の想像ですが、もし、トランプが習近平と、米中貿易戦争の解決と、日本の駐留米軍の縮小で取引する、と発言したら、どうなるでしょう?こんな発言をさせてはならないし、そんな考えがトランプの頭もかすめないようにしないといけません。そのためには、たとえアメリカが駐留米軍経費を、4倍とは言いません、2倍くらいにすると言い出してきたとしても、国民がしぶしぶでも納得できるよう、中国と北朝鮮の脅威について、日頃から十分な理解を国民から得る必要があります。

そのための努力を、日本政府は十分にしているでしょうか。北朝鮮はこれほど頻繁にミサイル実験をしており、そのたびごとに、事前察知の難しいSLBM、軌道が急に変わるイスカンデル型ミサイル、そして連射が可能な今回の超大型放射砲と、核ミサイルによる攻撃システムを着々と向上させています。中国の脅威も併せて考えれば、日本の今のミサイル防衛システムでは全然足りないでしょうし、在韓米軍が縮小すれば、ミサイル以外の脅威も一気に高まるでしょう。

今回の実験の後、自民党の二階幹事長が、北朝鮮のミサイル実験に対する日本政府の対応を、「何の変化もなければ知恵もない」と厳しく批判しました。そう言っている自民党の会議も、何か新しいことは出来ていませんが、実際に動くのはもちろん政府ですから、二階氏の批判は正論です。

digital.asahi.com

では、どんな新しい知恵を政府は出すべきでしょうか?

私は、安倍総理自身が、北朝鮮のミサイル実験のたびに(核実験ならもちろん)、国民に向かって、実験の軍事的意味を詳しく説明すべきだと思います。たとえば今回について言えば、最初に書いた通り、段階を追って超大型放射砲の連射がついに可能になってしまった、これに対する我が国の備えはこうだ、足りないところはここだから、こう整備させてほしい、負担はこれだけかかるから理解してほしい、という説明です。

恐ろしいことに、国民はもう北朝鮮のミサイル実験に慣れっこになっていて、もう何とも思っていない節があります。それはそうでしょう、政府が何もしていないのですから。もちろん、防衛大臣はそのたびごとに会見して説明はしていますが、担当大臣だけではダメです。そもそも日本国民は、安全保障について関心が薄いのですから、「防衛大臣が」というフレーズだけで、他人事になってしまいます。国民への説明は、総理大臣の安倍氏が、行うべき仕事です。

北朝鮮へのミサイルへの対処というだけでなく、日米同盟の中長期的な安定のために、安倍総理は、北朝鮮の核やミサイル実験のたびに、日本国民のために、その意味を詳しく説明すべきです。