日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

来月、日韓への中距離核ミサイル配備を協議?GSOMIA延長のため、日本は対韓輸出管理の見直しを!

来月に、アメリカが日韓それぞれと、中距離核ミサイル配備を協議する可能性を朝日が報じています。中国と北朝鮮の核ミサイルに対抗するため、日米韓は一体となって協力する必要があります。GSOMIA延長のため、日本は対韓輸出管理につき、韓国による管理強化を前提に、見直しをするべきです。

アメリカは中国を完全無視で、日韓に中距離核を配備するつもり

朝日新聞電子版が昨日11月18日21:30に、「中国、日韓に警告 米中距離ミサイル配備で警戒」という記事を発信しています。

米国が中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱したことを受け、中国が8月に、米国の新たな中距離ミサイルを配備しないよう、日韓に警告していたと報じています。日中外相会談で「日本に米国の中距離ミサイルが配備されれば、日中関係に重大な影響を及ぼす」と述べたうえ、中韓外相会談でも、韓国に同趣旨の発言をしたそうです。

しかし、日米韓政府は既に、「INF問題について「同盟国の問題で、中国やロシアと協議する必要はない」と中ロに答える方針をすり合わせ済み」ということです。

中国としては、米ロのINF全廃条約がなくなれば、当然その心配はするでしょう。この記事で本当に重要なことは、最後の方に書いてある日本政府関係者のコメントです。

以下、引用します。

 日本外務省関係者は日本への中距離ミサイル配備について「まだ何も決めていないというのが公式答弁だ。米軍のミサイルの実戦配備は5年後ではないか」とも語る。この関係者によると、日本の政府与党内ではまだ、国会で中距離ミサイル配備の是非について議論を始めるべきだとの意見は浮上していないという。

 ただ、日米は12月、両国の外務・防衛当局幹部による拡大抑止協議(EDD)を予定する。同じ時期に米韓でもEDDが開かれる見通しで、日米関係筋は「INF問題は短中期的な問題で、早く頭の体操を始める必要がある」と語った。

出所:朝日新聞電子版2019年11月18日21:30

中国、日韓に警告 米中距離ミサイル配備で警戒:朝日新聞デジタル

つまり、「何も決めていないというのが公式答弁」であっても、アメリカの中距離核ミサイルの5年後の実戦配備に向けて、年末の拡大抑止協議で、日韓ともにアメリカと話し合う可能性あり、ということです。

11月6日に本ブログで書いた通り、アメリカは日本に中距離核ミサイル配備を要求していると見られますが、日本政府も、淡々とこれに応じており、来月にも正式な話し合いが拡大抑止協議で行われる、という様子が伺われます。

拡大抑止協議は、いわゆる「核の傘」について協議する場で非公開です。本ブログでは、ここでの議論を公開するよう主張してきました。

INF条約の廃棄を機に、政府は「核の傘」に関する日米拡大抑止協議(EDD)の議論を国民に公開せよ。 - 日本の改革

来月にも、本当に中距離核ミサイル配備の議論を始める可能性があるのですから、日本の国防政策の大転換となるこの問題について、日米政府は可能な範囲で内容を公表し、有名無実化しているとは言え、非核三原則の「持ち込ませず」を実際に修正していることを示すべきです。

本ブログでは以前、中距離ミサイル全廃条約にあたってアメリカの通常弾頭の中距離ミサイルの配備は了承すべきと書きました。が、現実には、アメリカは中距離「核」ミサイル配備を要求しているようであり、それなら中距離核配備も了承せざるを得ない、ただし、国民に公開して理解を求める努力をすべき、と主張しました。

アメリカが「日本に中距離『核』ミサイルを置かせろ」と要求したら、日本政府は受け入れるしかない - 日本の改革

日本政府は、来月の拡大抑止協議に向けて、日米韓で中距離核ミサイル配備の議論がどうなっているか、中朝のミサイルに対する抑止として、なぜこれが必要か、国民に説明すべきです。

中距離核配備、駐留米軍経費負担増で日韓は共通の立場。メンツにこだわらず協力を!

日韓両方に中距離核ミサイルを配備して、中国・北朝鮮に対峙するとなると、ミサイル防衛についても、完全な協力体制をしくことが必要です。核ミサイルでの脅し合いでは、わずかなミスも絶対許されないからです。

このためには、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延長を、何が何でも韓国に飲ませなければいけません。

日米韓の防衛大臣はタイのバンコクで協議し、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的な平和を確立するための外交努力を支援するため密接に協力することを約束する等の内容で、共同声明を発しました。とりあえず、協力姿勢を見せたことは結構な話です。

www.mod.go.jp

が、肝心のGSOMIAについては、11月23日の失効を前に、進展がありませんでした。

この協定の最大の目的は、北朝鮮のミサイル発射に関する機密情報を、発射地点に近い韓国と落下地点に近い日本が迅速に交換することです。日本政府関係者も「弾道ミサイル発射直後の情報が弱い日本と、その後の情報が弱い韓国の防衛当局者が、発射直後から直接やりとりをすることが何より大事だ」と話しており、「互いの情報を持ち寄って分析作業ができる。米国を介した情報交換ではこうした作業は出来ない」と意義を強調しています。

digital.asahi.com

韓国が協定延長に応じないのは、日本の対韓輸出管理の強化について、日韓で主張の相違があるからです。

今日11月19日、日韓両政府は、WTO紛争解決手続きに基づく2回目の2国間協議をスイスで行いますが、日本が安全保障上、必要な措置だとしているのに対し、韓国は、WTOルール違反だとする主張を変えておらず、妥協の見通しは立っていません。

www3.nhk.or.jp

日本政府も、本音では何とかしたいはずです。官邸幹部の中にも、「日本も色々考えている。輸出規制問題は当局者同士でしっかりやればいい」と韓国の対応次第では解決は可能という人もいるようです。河野防衛相も、記者団に「防衛当局間での連携を維持、強化していくことが重要だという認識は(日米韓で)一致している」と発言、「防衛当局間で」は一致しているから、あとは外務省や経産省の仕事ということです。

digital.asahi.com

これについては、本ブログでは、田中均氏や橋下徹氏の主張にそって、そもそもの発端の徴用工問題については、賠償金負担は韓国政府が負い、輸出管理強化については日本が譲るべきだ、と書いてきました。繰り返すと、以下のようにすべき、ということです。

①個人請求権の存在と徴用工判決は認める:日本が譲る
②賠償金の負担は韓国政府が行う:韓国が譲る
③安保と経済(輸出管理)を絡めない:日韓でウィンウィン

日韓、アメリカに怒られて少し冷静に?橋下徹氏と田中均氏が示す落としどころで妥協せよ。 - 日本の改革

日韓は、駐留米軍負担費増の要求をアメリカから受けている、という点でも、共通の立場にあります。

トランプ政権が日本政府に対し、駐留経費負担を4倍に増やすよう求めたというフォーリン・ポリシーの報道について、河野防衛大臣と菅官房長官は「事実関係はない」と否定しました。

河野防衛相、米軍駐留費の「4倍増要求」を否定 TBS NEWS

在日米軍の駐留経費 日本側負担増の要請否定 官房長官 | NHKニュース

US did not request five-fold increase for stationing troops in Japan, nation’s defense minister says - News - Stripes

 しかし、これは額面通りに受け取れません。3月に同様の要求が報じられたときも、日米両政府が否定したのに、また7月に要求されたという報道が新たに出てきたからです。韓国にはアメリカは負担増をはっきり要求しており、日本にも同様のスタンスだという報道は、他にも出ていました。

日韓ともに駐留米軍経費を大幅に増やすというのは、駐留米軍の体制を更に充実させることとセットになります。その際には、日米韓全体で、防衛体制を一体化させる必要がありますから、やはり日韓での他の問題が安全保障に及ばないようにすべきです。

米軍駐留経費、日本は「適切に分担」 官房長官 :日本経済新聞

米軍駐留経費、5割上乗せ案を否定 米国防長官代行 (写真=共同) :日本経済新聞

A $5 billion bill and Japan tensions in focus as U.S. defense heads visit South Korea - Reuters

 このように、あらゆる面から見て、日韓はお互いに譲らなければいけません。日本側がするべきこととしては、韓国が重要物資の管理を強化することを前提に、対韓輸出管理の見直しをすることです。

中長期的には、自由と民主主義という基本的価値観を共有する二国として、いわゆる歴史問題についても、人権と民主的正当性の点から、両国ともこれまでの姿勢を改めていくべきです。