日本の改革

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意外に効いた「桜を見る会」批判。安倍総理が後援会呼ぶなら、アメリカ大統領就任行事を参考に、会の費用は全額寄付で。

桜を見る会の問題で安倍政権の支持率下落。最大の問題は、政府が国の予算で行う行事で、総理が自分の後援会を大勢呼んでいたことです。総理が後援会の人を呼びたいなら、費用は全部寄付にすべきです。

意外に効いた「桜を見る会」批判

私には驚きでしたが、共産党による「桜を見る会」批判は、大きな効果を生みました。

今朝発表の読売の世論調査によると、安倍内閣の支持率は49%で、先月から6ポイント低下し、今年2月調査以来9か月ぶりに5割を下回りました。不支持理由のトップは「首相が信頼できない」で45%、前回35%から10ポイントアップです。

読売は、「首相主催の「桜を見る会」に、首相の後援会関係者を多く招待しているとの批判が影響した」としていて、来年度の開催中止は「適切だった」51%、「適切ではなかった」35%でした。政府も自民党も、危機感を持ち始めました。

内閣支持6ポイント低下、桜を見る会批判影響…読売世論調査 : 世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

政府、支持率低下に危機感…「桜を見る会」など影響か : 世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

支持率だけではありません。安倍総理の地元の長門市長選で、自公推薦の現職が負けました。当選した江原達也氏も実は自民系ですが、保守分裂選挙となりました。

https://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/e-yama/articles/2653

江原氏の父は6期連続で旧日置町長を務めた江原清氏で、安倍総理の祖父・安倍寛氏や祖父・慎太郎氏とも知己で、たまに安倍家つながりで新聞や雑誌に名前が出ます。安倍総理は、安倍寛氏よりも岸信介氏の孫としての自負の方がはるかに強いそうです。安倍家とのつながりが深いらしい江原家とは、もともと微妙な関係なのかもしれません。

いずれにせよ、支持率下落だけでなく、安倍総理のおひざ元の市長選で、自公候補が負けて、総理にはダブルパンチでしょう。どちらにも、「桜を見る会」の問題が響いていいるはずです。

digital.asahi.com

桜を見る会」の話、既に今年5月に、共産党が取り上げていました。桜を見る会の費用は、概算要求で毎年1700万円くらいなのに、実際の支出額が2014年以降、3000万円から5000万円へとどんどん増え続けたため、来年度概算要求ではついに概算要求を一気に5700万円に増やしていました。

これを共産党の宮本徹氏が5月13日の衆院決算行政監視委員会で質問したのが、ことの発端です。

www.tokyo-np.co.jp

野党の「桜を見る会」批判全てに賛成はしませんが、この指摘は正しいものです。そもそも、何年間も、概算要求と実際の支出の間に3倍も開きがあるなんて聞いたことがありません。菅官房長官も、この点で問題があったと認めざるを得ませんでした。

mainichi.jp

この事業での予算・決算の問題点については、額が小さいし、総理主催のセレモニーだし、みんな「しょうがないな、全く」と苦笑いしてそのままだったのでしょう。正直、私も、このニュースが報じられ始めたときは、なるほどおかしいけれど、随分小さな話を突っついているものだ、という程度の認識でした。

今回、私のそういう認識は間違いだった、と気付かされました。

宮本氏が質問した5月は、報道はあっても、国民は全然関心を持ちませんでしたが、今月8日に、参議院予算委員会で田村智子議員が、安倍総理の地元後援会を呼んでいたことを取り上げてから、一気に政局になるような問題に発展しました。

「親睦に利用」、野党が批判 首相主催「桜を見る会」:朝日新聞デジタル

私は、共産党の田村智子議員の追及の仕方がうまかったのも一因ではないか、と思います。私は共産党の主張の多くに反対ですし、旧民主が選挙のために共産党に引きずられているのは本当にまずいと思いますし、この政党の目的・体質とは全く相いれません。好き嫌いで言っても、嫌いだし、何より警戒感が先に立ちます。が、少なくとも今回は、共産党の作戦勝ちなのは認めざるを得ません。

総理が後援会呼びたいなら、寄付のみでやるべき

私は、桜を見る会のような行事はあっても良いと思います。安積明子氏が、歴代総理での桜を見る会につき、出席者数をはじめ、これまでの様子を紹介しています。この会は、「内閣の公式の行事として、文化、芸上、スポーツ、政界などの各界で功績や功労があった人を招き、総理大臣が慰労しながら懇談するというのが本来の目的」で、趣旨自体は問題ありません。

2004年、郵政解散前年の桜を見る会では、小泉純一郎元総理が、本居宣長の「敷島の大和心を人問わば、朝日に匂う山桜花」の歌を披露したそうです。この歌、小林秀雄の『本居宣長』で知って以来、私も大好きです。郵政解散の前年に、恐らくは当時既に水面下での戦いをしながら、素知らぬ顔で桜を見ながら詠んでいたなんて、小泉純一郎という政治家は、いちいち泣かせる人です…

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が、第二次安倍政権では招待客が急増、しかも、安倍氏の後援会が大勢呼ばれて、セキュリティチェックさえろくに受けず、後援会だけが先に入れる特別サービスまであったのは周知の通りです。安積氏は、これまでも政治家枠はあったものの、第二次安倍政権での安倍後援会の急増を問題視しています。

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私は、こうした会が、政治家が支持者を呼ぶような政治色があっても、税金さえ使わないなら構わないと思います。たとえば、政府や総理の主催ではなく、「桜を見る会」実行委員会を作って、その委員会を、それこそ総理大臣の事務所なりで仕切る形でやってはどうでしょうか。私は甘すぎるかもしれませんが、そのために新宿御苑を一日貸切にして、警察・公務員を使ってセキュリティ体制を使うのも、全然構わないと思います。

性質は違うかもしれませんが、アメリカで言えば、大統領就任式の関連行事でも、色々なパーティーがあります。こうした行事については、企業やロビイスト政治行動委員会(PAC)からの寄付で賄うのが普通だそうです。オバマ政権の一期目の就任式関連行事ではこれをやめて、個人献金で賄ったのに、5300万ドルも調達したそうです。残念ながら、二期目はそこまで人気がなかったせいか、この方式はやめて、従来通りの企業献金等に頼ったそうですが、いずれにせよ、(全額かどうか分かりませんが)民間からの寄付で開催しているようです。

www.asahi.com

もちろん、大統領等を守るためのセキュリティは必要ですし、公的施設も使うのでしょうから、その限りでは税金は使われていますが、そこはもうやむを得ません。

トランプ政権になると、もちろん企業、ロビイスト献金は大歓迎、それどころか、大口献金者には特別なサービスを用意しました。ウォールストリート・ジャーナルによると、以下のようでした。

就任式の運営委員会が用意している特典リストによると、100万ドル(約1億1200万円)以上の大口献金者にはトランプ夫妻とペンス夫妻がそろう「キャンドルライト晩餐会」への参加チケット8枚が約束されている。別の日程で催されるペンス夫妻との夕食会、トランプ夫人とペンス夫人との「レディースランチ会」、さらには一部閣僚候補者や議会幹部との昼食会への参加チケットも入手可能だ。また、就任式典後の舞踏会ではVIPルームも利用できる。

加えて、大口献金者には高級ホテルでの滞在や各イベントまでの移動も提供される。

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安倍総理も、後援会サービスしたいなら、税金なんか使わずに、全額寄付にして、大口の寄付をしていただいた方には、こんな特典もつけたらいいんではないですかね。後援会だけ先に新宿御苑に入れるなんていうショボいサービス以上のことを、お世話になった皆様にできるでしょう。それはそれで、安倍政権の実態が可視化されて、国民には情報が得られます。

なお、トランプ政権での就任式運営委員会、後になって、寄付金不正利用の疑いで検察が捜査する羽目になったようですが、税金使って後援会サービスされるよりは、全額寄付で、運営委員会は安倍事務所が担って、不正がないようにするのも全て総理の自己責任でやってもらった方が、まだマシです。

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権力は儚いもの、ソメイヨシノよりは長く咲いている八重桜と言えども、儚い美しさの桜を、時の権力者が、苦楽を共にした支援者といっしょに楽しむくらいの会は、政治家が自分の集金力で自己責任でなら、やっても良いでしょう。安倍政権が史上最長の政権だと言っても、せいぜいソメイヨシノか八重桜かの違いしかありません。

それにしても、同じ桜の会で、小泉純一郎氏が本居宣長の歌を詠んだというのと、何という違いでしょうか。

それにしても、香港での自由と民主主義のための命がけの戦いと、日本の政局との間にあるのは、何という違いでしょうか。

最後に、本居宣長の歌で、私が一番好きなものを紹介させていただきます。

桜花 深き色とも見えなくに 血潮に染める わが心かな