日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

マイナンバー等、旧姓併記へのシステム改修で194億円、152億円は自治体へ、23億円は天下り法人へ:行革のためにも選択的夫婦別姓を!

総務省は、マイナンバーと住民票を旧姓併記にするシステム改修に、これまで194億円の予算を組み、152億円を自治体に、23億円は地方公共団体情報システム機構という天下り法人に支出しています。選択的夫婦別姓制度を認めれば不要な経費であり、現行制度は行政改革の観点からも変えるべきです。

大阪府議会・大阪市会も、選択的夫婦別姓制度の法制化を求める意見書を採択

大阪市の市議会「大阪市会」で10月25日、「選択的夫婦別姓の法制化に向けた議論を国に求める意見書」が、賛成多数で採択されました。大坂維新、公明等が賛成し、自民だけが反対しました。大阪府議会では、自民や公明などが反対を表明しましたが、同じ日に、大坂維新の会の賛成で、同様の意見書を採択しました。

www.bengo4.com

これは大変大きな成果であり、大坂維新の会に敬意を表したいと思います。

このダブル採択で、今後、関西での採択に大きく弾みがつくでしょう。大阪府下の各市や、兵庫、京都、奈良等の各府県や市の方々は、是非、声を上げていただきたいと思います。

日本維新の会は残念ながら、選択的夫婦別姓に完全に賛成というわけでもなく、現行制度との妥協案を示しています。マニフェストを見ると、

「同一戸籍・同一氏の原則を維持しながら旧姓使用にも一般的な法的効力を。同性婚を認める」

とあり、旧姓使用に法的効力を認めるという配慮をすべき、という立場です。

https://o-ishin.jp/sangiin2019/common/img/manifest2019_detail.pdf

このあたりはもっと徹底していただきたいとは思います。

立憲民主党共産党と同じ案には乗れないということもあるでしょうし、自民党が反対だから、というのは現状ではその通りです。が、自民党という政党は何でもありの融通無碍が取り柄で、だからこそ政権を担い続けています。同性婚さえあっさりと憲法審議会で議論したいと言い出すくらいです。どうせ地方議員の言うことなんて聞いたりしていません。以前もブログで書きましたが、あれは、単に憲法改正の議論への呼び水というだけでもなく、その方が選挙で有利だから、という冷徹な計算もあってのことです。

枝野代表質問、憲法改正を徹底して逃げる方向でも、安倍自民党のリベラル取り込み作戦に「大歓迎」と応じる。 - 日本の改革

選択的夫婦別姓について、地方議会で国に議論や実現を求める意見採択が続けば、気が付いたら突然、自民党が賛成に回る、ということも十分考えられます。そのときは、地方議会で一所懸命に反対した自民党の議員諸氏は置いてきぼりでしょうし、だからと言って、それで党本部に何か物言いが出来るような政党ではありません。日本維新の会はそのときに備えて、選択的夫婦別姓制度の実現に動いていただきたいところです。

いずれにせよ、大阪府議会と大阪市会で、一気に選択的夫婦別姓の法制化に向けた議論を国に求めるようになったのは、国を動かすためには大きな一歩であり、大変嬉しく、有難く感じています。

2016年度補正で94億円、2017年度補正で100億円かけて、旧姓併記でプライバシー暴露

さて、政府は、現在のところ現行制度にこだわりつつ、実際はこの制度では社会的な不都合が大きくて国民の不満が爆発しかねないとも感じています。そこで、旧姓併記を広げて何とか我慢させようというやり方を続けています。

しかし、このやり方は、当事者の方々にとって決して良いやり方ではありません。旧姓と新姓の両方をわざわざ示すことで、婚姻というプライバシー情報を公にしなければいけないからです。役所相手だけではなく、民間での社会生活上も、所属する組織内、取引先等々、あらゆる場面で、仕事等のときに、いちいち結婚についてやりたくもない会話に付き合わざるを得ないことも多いでしょう。場合によっては結婚観の違いで不愉快な発言や文字通りのセクハラにも合いかねません。そんな場面をわざわざ増やすやり方が、旧姓併記です。

そんな旧姓併記制度の使用拡大ですが、今年11月つまり来月から、住民票とマイナンバーカードに、旧姓併記が可能になります。

www.nikkei.com

問題は、これにかかる費用です。総務省平成31年行政事業レビューシート「女性活躍等に対応したマイナンバーカード等の記載事項の充実 等に必要な経費」によると、これまでかかった経費は、2016年度補正で94億円、2017年度本予算で2400万円、2017年度補正で100億円です。

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出所:総務省

http://www.soumu.go.jp/main_content/000643175.pdf

 さらに、平成30年度と上記の平成31年度の行政事業レビューシートをもとに、同事業の予算がこれまでどこに支出されたかを実績ベースで合計すると、地方自治体向けが152億円、地方公共団体情報システム機構という総務省天下り法人(地方共同法人)向けが23億円です。

平成30年度のシートのリンクは下記です。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000560574.pdf

(参考までに、平成29年度のシートのリンクは下記です。このときはまだ執行されていないので、見込みとして数字が出ています。)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000493046.pdf

地方公共団体情報システム機構には、総務省から恒常的に天下りがあるようですが、最近では、昨年7月にも、自治行政局の課長が再就職しています。

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内閣官房内閣人事局

https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/files/kouhyou_r010927_siryou.pdf

このように、わざわざ旧姓併記のシステムに変えるだけで200億円近くが使われ、1割強の23億円が天下り法人に使われています。

私はマイナンバー制度は必要だと思うので、天下り法人とはいえ、マイナンバーを担当する地方公共団体情報システム機構の業務は重要だと思いますが、総務省天下り先ということなら、費用対効果は厳しくチェックされるべきです。

システム改修については、国費だけが使われているのではありません。地方自治体独自にもシステム改修の経費をかけているようで、それを日本全体で合計すると、200億円どころではすまない、という見方もあるようです。

以上の経費は、選択的夫婦別姓にして、わざわざ併記などしなくても良いようにすれば(もともとの本人の氏のままでよいことにすれば)、ある程度支出を避けられる可能性があります。

このように、選択的夫婦別姓制度を進めることは、行政改革にも資するでしょうし、民間での更に膨大な同様のコストの支出も避けられるでしょう。

立憲民主党あたりは、本気で選択的夫婦別姓制度を実現したいなら、以上のような行革の観点からの質問も政府にぶつけてほしいところです。