日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

皇位継承の順位は当面そのままでも良いから、ただちに女系・女性天皇の議論開始を!

官房長官は、即位の一連の式典後、安定的皇位継承の議論を始めると言っていました。皇族の減少は、皇位継承を難しくするとともに、国民と天皇・皇室の接点を減らし、国民の皇室への敬意どころか関心を減らすことで、立憲君主制そのものを危うくします。皇位継承の順位を現状のままにするとしても、政府は直ちに、女系・女性天皇の是非に関する議論を開始すべきです。

先延ばし?意見を政府が聞き取るだけ?

一昨日、即位の礼の前日、政府が安定的な皇位継承に関する議論を先送りする可能性がある、と、共同通信が報じました。議論が紛糾しかねないから、来年4月19日に秋篠宮さまが皇嗣となったことを国内外に宣言する儀式「立皇嗣の礼」の後にして、有識者会議の形も、「有識者が主体となって議論する形式ではなく、政府側が必要に応じて有識者からヒアリングする形も模索」としていました。

皇位継承検討、先送り浮上 有識者会議、来春以降も(共同通信) - Yahoo!ニュース

先送りはとんでもないことであり、政府の約束違反です。

今年5月1日、菅官房長官は記者会見で、即位に関する一連の式典が終わった後、(譲位を可能にした)皇室典範特例法の付帯決議の趣旨に対応する、つまり、安定的な皇位継承の議論を始めると言っていたからです。「一連の式典」については、大嘗祭の後、つまり、11月23日以降とメディアは報じていました。

もし、来年4月になってようやく検討を始めると言うなら、5月に菅官房長官はウソをついたことになります。

令和元年5月1日(水)午前 | 令和元年 | 官房長官記者会見 | ニュース | 首相官邸ホームページ

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また、有識者会議の形についても、政府が個別に有識者から聞き取るというのは、つまり有識者会議という独立の会議体を作らないということです。建前だけにせよ、政治から中立の形で検討すべき課題について、ふさわしいやり方とは思えません。

この報道について、菅官房長官は今朝の記者会見で、有識者会議の形に関して「報道は承知しているが、内容は私は承知していない」と述べました。

そのうえで、先送りの有無については、従来の見解を繰り返しました。即ち、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少については、皇族方の年齢から言っても、先延ばしできない重要な課題である、国民の間で色々な意見があるので、十分な検討が必要である、と発言。

つまり、共同通信の報道につき、有識者会議の形式も、先送りについても、一応は否定した形です。

とりあえず安心しましたが、さりとて、政府が積極的にこの問題に取り組む様子はまだ見えません。

 

皇族の減少は天皇・皇室制度の危機!ただちに女系・女性天皇の議論開始を!

官房長官が言う通り、安定的な皇位継承に関する議論はもう先延ばしできません。

愛子さまを含む女性皇族の婚姻のため、あと数年以内に、若い世代の皇位継承者は悠仁さまだけになってしまいます。悠仁さまが即位した後、男子が生まれなければ、それで日本の天皇は途絶えます。そんなプレッシャーのかかる地位につこうとする女性がそもそも見つからない可能性はこれまで以上に高いでしょう。

日本国民は誰もが、天皇陛下がお妃選びで大変ご苦労されたことも、皇后陛下がどれほどの決心をされたかも、よく知っています。あのときよりもはるかに重い責任を一人の女性に課すこと自体が、間違っています。

悠仁さまの身に何かあったら、ということも、考えなければいけません。不吉だから考えるなというわけにはいきません。

ここまでは散々言われ続けてきた話ですが、問題はそれだけではありません。若い世代の皇族が減ってしまえば、国民が皇室とふれる機会は当然減ります。皇族は、天皇・皇后両陛下の御名代としての公務も多いのですし、それは天皇と国民との接点を減らすことになります。

これにより、戦後歴代の天皇が大事にしてきた、国民とともにある天皇・皇室を実現できなくなります。

私は、これによって天皇への敬意や関心が減ってしまうことが、実は最大の問題ではないかと思います。昨日も書いた通り、天皇の地位は国民一人一人の心によっているのであり、天皇の体現する伝統は、結局は国民一人一人が身に付けた伝統によって支えられているからです。

今日、自民党保守系有志議員による「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)が、男系の皇位継承を堅持する具体案を盛り込んだ提言を発表しました。結局、旧宮家の復帰という検討されつくした案にすぎません。

男系皇位継承を堅持 旧宮家男子の皇族復帰 自民有志「護る会」提言 - 産経ニュース

何度でも書きますが、この案は、安倍総理自身が、国会ではっきりと否定しています。念のため紹介すると、今年3月20日参議院財務金融委員会で、大塚耕平議員が、旧宮家復帰をすべきでは、それが戦後政治の総決算では、と、むしろこの案に賛成の立場から質問したのに、それを否定しています。

皇籍を離脱された方々はもう既に、これは七十年前の出来事で、七十年以上前の出来事でございますから、今は言わば民間人としての生活を営んでおられるというふうに承知をしているわけでございます。それを私自身がまたそのGHQの決定を覆すということは全く考えてはいないわけでございます。

参議院会議録情報 第198回国会 財政金融委員会 第5号

このように、「全く考えてはいない」と明言しています。総理にこれをやれと言っても、やるはずがありません。

 

とは言え、政府は、皇室典範を改正して女系・女性天皇も認めるかどうかの議論をするかと言えば、相変わらず、出来るだけ避けたい姿勢のようです。

とりあえず、今年の7月から8月にかけて、読売や朝日に、政府が、「現在の皇位継承順位は変えない」姿勢だ、という報道が出てきています。

安倍総理所信表明演説:保守派のリアリスト総理だからこそ出来る保守派抑え込みと、憲法改正に期待。 - 日本の改革

要は、愛子さま天皇になることはない、ということを、段々と発信し始めています。秋篠宮殿下の次は悠仁殿下、という順位を、愛子妃殿下を一位に変えることが、国会だけでなく世論の反応を含めて混乱を招きかねない、というのは、分からないではありません。

それならそれで、その先の世代のことも考えて、そして、間もなく若い皇族がほぼいなくなるという事態に備えて、今年中に出来るだけ早く議論を始め、来年の通常国会では何らかの方向を決めるべきです。

もうあらためて聞くまでもないくらいですが、10月21日に発表されたNHK世論調査で、女系天皇女性天皇とも、容認に賛成の意見が7割を超えています。

www3.nhk.or.jp

安倍総理自身が旧宮家の皇族復帰という案を否定し、男系維持を主張する自民党の議員達があらためて検討してもその案しか出てきませんでした。本ブログで主張し続けてきた通り、男系維持の手段がもうないことが、あらためて明らかになりました。

Yahoo!トップ「女性天皇認める79% 共同」:女系・女性天皇容認は、圧倒的な世論で、静かに実現する。 - 日本の改革

そして、女系・女性天皇を認めることは、伝統を否定することではありません。これまで男系が続いていたのは、日本の伝統というよりも、世界のどこでも、男子がこうした地位を継承するのが当然の時代が続いていたからです。伝統とは、現代の日本国民一人一人の中に生きているものです。だからこそ、天皇の制度はこれまで続いてきました。

伝統は、国民一人一人の心の中にある。女系・女性継承を望む民意に体現された伝統を畏れよ。 - 日本の改革

女系・女性天皇をこれほど多くの国民が望んでいるというのは、王室を断絶させる革命を起こそうというような意思とは、全く異なるものです。そうではなく、むしろ、この制度がいつまでも安定して続いてほしいと感じている国民の意思が、世論調査の結果に一貫して表れています。

皇位継承の順位は現行のままにするとしても、女系・女性天皇の実現に関する議論は、大嘗祭後に直ちに開始し、来年の通常国会では、形にするべきです。