日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

トランプもウォーレンも、米国の中東からの撤退希望:日本は中東依存をやめて再エネ国家への転換を!

トランプのシリア撤退表明、中東から手を引きたいというアメリカの本音をあらためて見せました。民主党左派のウォーレンらも、「果てしない戦争」を終わらせたいと言っています。アメリカが徐々に中東から手を引くことを考えて、日本は安全保障上も中東へのエネルギー依存をやめて、再エネへの転換を進めるべきです。

中東から撤退したいというアメリカの本音

トランプ米大統領がシリア北部からの米兵撤退を表明、トルコ軍が同地域のクルド勢力への軍事作戦を始めましたが、いったん停戦しました。

www.nikkei.com

私は、アメリカがシリア北部だけでなく、サウジも含めて中東全体から徐々に撤退する事態はありうるから、日本は今からそれに備えるべきだと思います。

アメリカのシリア撤退、中東撤退につき、要人の発言や世論調査等を見てみます。

トランプ氏のシリアからの撤退表明に対し、米共和党等が、イスラム国掃討作戦で協力してきたクルド人を見捨てるべきでないと批判しました。批判を浴びたトランプ氏は、トルコに停戦を促して実現する等、多少の譲歩は見せたものの、シリア北部からの撤退にはこだわります。

そこで言ったセリフが、トランプ氏に限らず、今の多くのアメリカ国民の本音を表しています。

トランプ氏は、アメリカは「警察ではない。もうみんな帰国する時だ」と述べ、トルコによるシリア進攻についても、「我々の問題ではない」、「我々の国境ではない。我々がそのせいで命を失うべきではない」と述べました。

www.bbc.com

これはオバマ前大統領と全く同じセリフです。

オバマ氏は大統領在職中、シリア内戦に関し、米退役軍人から「米国は世界の警察官でなければいけないのか」という書簡を受け取ったとしたうえで、「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」と述べました。

edition.cnn.com

オバマ氏もトランプ氏は、シリア内戦に一時は人道上の理由から介入しようとして、結局はやめたことも共通しています。

[FT]シリア危機に見るオバマ、トランプ両氏の共通点 (写真=AP) :日本経済新聞

現職のアメリカ大統領が、2代続けて、「アメリカは世界の警察ではない」と宣言しています。特に、中東からの撤退を強く示唆しました。オバマ氏は退役軍人という票田を意識しての発言でしょうし、トランプ氏は来年が大統領選のうえ弾劾騒ぎ中、どちらの発言も、アメリカ国民に支持されると考えて行っているはずです。

先日の民主党の討論会でも、予備選を争う候補たちの中で、左派のウォーレン氏らが、「中東から撤退すべきだ」と発言、バイデン氏からは批判されましたし、ワシントン・ポストのオピニオン欄で、最高司令官失格だ、と叩かれました。

www.washingtonpost.com

ウォーレン氏の発言も、トランプ氏の発言同様、批判を浴びていますが、中東での「エンドレス・ウォー」をもうやめるべきだ、というのは、彼女の外交政策の柱の一つです。政治的信念あってのことでしょうが、これで選挙に勝てると思っているから言っている主張です。

www.foreignaffairs.com

実際、昨年12月のハーヴァード等の世論調査によると、米軍のシリア撤退に賛成が52%、反対が48%でした。真っ二つに割れていますが、半分は撤退指示です。

thehill.com

トランプ氏、オバマ氏、ウォーレン氏らだけではなく、アメリカの超富裕層にも、軍事力行使を抑制すべきという意見はあります。ジョージ・ソロス氏とチャールズ・コーク氏が資金拠出をしているクウィンシー研究所(Quincy Institute for Responsible Statecraft)は、アメリカの外交政策をより非軍事化させることを目指しています。

Quincy Institute for Responsible Statecraft

foreignpolicy.com

アメリカが中東から撤退したらどうなるか、日本はどうすべきか

以上のように、潜在的には、中東からもう撤退したいと言うアメリカ国民の世論があって、米大統領が二代続けてシリア不介入や撤退を主張、実行に移しています。超党派アメリカ大富豪も、それに賛成です。

シリア撤退のアメリカにとってのデメリットは、シリアでロシアの支配がますます強まる、ということです。同じように、中東全域から撤退した場合、サウジアラビア等が中国やロシアの支配権になり、中東はこの二大国がアメリカの間隙を埋めることになる、イランがますます強くなり、イスラエルとの対立が強まる、等のリスクがあります。

しかし、以上のようなデメリットを、アメリカ国民がそれほど大きな問題と考えなければ、実際にアメリカが中東から撤退する、そこまでいかなくとも、オバマ政権から兆候が見られたように、今後ますます中東への関与を引き下げていくことは、十分考えられます。アメリカは日本のように中東に石油を依存していないのだから、その点でも、米国の中東撤退という事態は、非現実的な話とだけとらえるべきではありません。

日本は、あらかじめそれに備えるべきです。日本が外交安保政策上、最大の脅威と見るべきは当然、中国です。中東の石油と天然ガスを現地で守るのは中国になる、という事態を想定しておくべきです。 

どちらにせよ、中国は中東でのプレゼンスを増しており、この地域にエネルギーを頼るのは既に危険です。ホルムズ海峡への自衛隊派遣、散々検討してやっと自主派遣が議論されると言います。私は、中東に依存する現状では、独自派遣よりも有志連合に参加する形で派遣すべきと思いますが、本来、遠い中東よりも隣国の中国・北朝鮮・ロシアの脅威にこそ備えるべきです。自衛隊派遣の理由である中東への化石燃料依存がなくなることは、日本の安全保障上、大きなメリットがあるはずです。

 こうした安全保障上の理由からも、日本は中東の化石燃料に頼ることをやめて、原発依存もやめて、再エネ社会の実現を急ぐべきです。