日本の改革

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関電経営陣、原発工事受注企業から多額の金品:原発事業に関する職務につき、電力会社の役職員をみなし公務員化して賄賂罪適用を!

関西電力の経営者らが、原発立地自治体の関係者から多額の金品供与を受けていました。原発事業に関する職務につき、電力会社の役員等をみなし公務員にして、賄賂罪適用を可能にするべきです。

民間の電力会社役員らが、公務員だった元助役からもらった金品

関西電力の歴代トップらが、原発が立地する福井県高浜町の元助役の森山栄治氏から、計3億2千万円分もの金品を受け取っていました。一見すると、元公務員から民間企業が金品を受け取るという妙な話ですが、共同通信によると、カネの出所は「吉田開発」という建設会社です。2013年8月期の売上高は3億5千万円だったのが、15年8月期は10億円を超え、18年8月期には21億円を上回っています。関電の原発関連工事が業務の多くを占めていたそうです。

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要するに、建設会社が関電発注の工事をとるために、元助役を通じて、関電経営者らに金品を渡した、という構図です。受け取った方は民間人ですから、送った方も貰った方も賄賂罪は成立しません。会社法上の刑法犯にすることも難しそうです。

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しかし、政府も、関電の筆頭株主大阪市長も、激怒しています。

官房長官は、これは大変な問題なので他に同様の問題がないか調査すると言い、菅原経産相も言語道断と発言。松井大阪市長バックマージンが疑われるとして、前市長の吉村大阪府知事も大問題で全てオープンにすべき、と厳しく批判しています。

関電「便宜供与ない」 では3億超える金品なんのため?:朝日新聞デジタル

検証:関電3.2億円受領 不信呼ぶ還流の闇 - 毎日新聞

政治家が怒るのは当たり前ですし、国民はもっと怒っています。構図としては、関電が発注する原発工事を受注する業者が、元助役を通じて、関電役員を買収した形だからです。これでは、公益企業の発注の公正さが疑われます。特に、原発立地自治体の企業が原発の建設工事で電力会社役員を買収していた、ということなので、国の原発政策への信頼も失墜します。

現行法でこの行為が処罰されないなら、実質的に見てそれはおかしい、と言えます。

電力会社・電事連という「私的権力」を許すな

そもそも関電を含む大手電力会社や、その団体である電事連は、国の原発政策をも牛耳るような政治的に強力な企業・団体であり、私的権力と言っても良いような存在です。

関電の現在の社長の岩根茂樹氏は、今年6月に電事連の会長になったばかり。早速、原発の新増設やリプレースもどんどんやっていくべきだ、という趣旨の発言をぶち上げていました。原子力規制委員会原発のテロ対策強化を電力会社に求めて、テロ対策施設の設置期限が守れなければ運転停止だと決めたとき、関電、九電、四国電力は、そろって規制委員会に期限は守れないと主張し、批判を浴びていました。言わば、安全水準を緩いものにするべく、堂々と安全対策でのカルテルを結んで法令違反を見逃せと監督官庁に要求したようなものですから、批判されて当たり前です。

また、電事連は、未だに9電力時代の電力会社で構成されており、今や600を超える新電力の企業も参加できていません。新規参入企業は排除して、既得権を守るための団体です。そのトップが今回、3億円超の金品供与を受けた関電のトップでもある岩根氏です。

www.nikkei.com

関電は、歴代総理にも多額の献金を続けていたことを元副社長が告白しています。

関電、歴代首相7人に年2000万円献金 元副社長が朝日新聞に明かす : J-CASTニュース

関電に限らず、電力会社は、政治家に対しては献金で、役人に対しては天下りで、それぞれ手懐けてきました。これにより、本来は私企業を規制する立場の官庁等が逆に私企業に取り込まれてしまうという、いわゆる「規制の虜」状態にあったことが、福島の原発事故の背景にある、と、国会の事故調査委員会も指摘しています。

(本文はこちらで)

http://www.mhmjapan.com/content/files/00001736/naiic_honpen2_0.pdf#search=%27%E5%9B%BD%E4%BC%9A%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%27

(メディア向け解説はこちらです)

https://s3-us-west-2.amazonaws.com/jnpc-prd-public-oregon/files/2012/07/69a9a81958b425777bea6df6b185d4ac.pdf#search=%27%E4%BA%8B%E6%95%85%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A+%E8%A6%8F%E5%88%B6%E3%81%AE%E8%99%9C%27

このように、政治家も官庁も動かすほどの力を持った電力会社が、原発という国のエネルギー政策・安全保障政策に関わるような重要施設の建設工事等を発注する際は、公務と同様の透明性や公正さが求められるべきです。

特に、原発立地自治体には、電源立地対策等の形で、エネルギー対策特別会計から多額の税金が支出されています。この特別会計の概要は以下の通りです。

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出所:財務省

https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2019/seifuan31/08.pdf

このうち、電源立地対策(実質的には原発立地対策)の元手となる電源開発促進勘定は、電源開発促進税という、電力会社が負担する税金でまかなわれています。もちろん、この税は電力料金にきっちりと上乗せされており、電力消費者が負担しています。

料金設定の仕組みとは?|電気料金の仕組みについて|電気料金について|資源エネルギー庁

つまり、大手電力会社は、電力を使わざるを得ない消費者・国民から、電気代とそこに上乗せされた税金を徴収し、これを元手に、自分達が作る原発の「地元対策」にかかる1000億円のオーダーの資金をばらまいています。お金の流れという点から見ても、職務の公正につき、大手電力会社には政府同様の厳しい基準が求められるべきです。

既に、JRやNTT等の公益企業では、みなし公務員制度が適用されており、役職員の金品授受について要件を満たせば、賄賂罪が成立します。本件、まだ奥が深そうですが、現時点で分かっていることだけでも言えることは、電力会社の役職員は、原発事業について、みなし公務員とすべきだ、ということです。今回のケースは、残念ながら事後法で処罰することはできませんが、再発防止のために、臨時国会で速やかに電力会社の役職員のみなし公務員化の道筋をつけて、遅くとも来年の通常国会では法改正を行うべきです。