日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

埼玉県知事選、国の受動喫煙防止対策に反対した大野元裕だけは、絶対に落選させましょう!

埼玉県知事選、行田氏の不可解な出馬取りやめで、改革派不在の選挙戦。県政では、医療・介護が大きな問題ですが、主要二候補は代り映えしません。ただ、大野元裕氏は、参院議員時代に、受動喫煙防止を盛り込む健康増進法改正案に猛反対しました。埼玉県民と首都圏国民の健康のため、大野元裕を落選させましょう。

行田邦子氏に何があったのか

今度の日曜が投票日の埼玉県知事選、自民、公明両党が推薦するスポーツライター青島健太氏と、立憲民主党など野党4党が支援する前参院議員の大野元裕氏の対決が軸です。大野氏が、辞職した上田知事の後継で、上田氏は参院補選に出そうだというので、バーターでおかしいと叩かれたりもしてます。

みんなの党希望の党行田邦子氏は体調不良を理由に、不可解な出馬取りやめ。個人的には、出てくれればこの人が一番良いかなと思っていました。選択的夫婦別姓に賛成、政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟の事務局長、あと、県政とは関係ないですが脱原発。一度、行田氏の支援者が開いた台湾関係の集まりで名刺交換だけしたことはあります。台湾独立運動の偉い方もいらしてたし、これまた県政と関係ないけど、台湾独立にも理解はありそうです。

行田氏、とても礼儀正しく上品な方でしたが、その場ではほとんど全然話さず、聞き役として場を盛り上げる感じでもなく、政治家らしさや押しの強さはあんまり感じませんでした。まあ、その一回しか知りませんし、人柄は簡単に判断できないしな、と思ってましたが、出馬前に水面下で自民党に協力要請してたとの記事が。

上田氏が不出馬表明 埼玉県政の行方、動向が左右 :日本経済新聞

県議会は自民が単独過半数だし、当選後は協調も必要なのは当然ですが、選挙で世話になったら、最初から何もできません。実際、知事選で並べた公約も当たり障りないものばかりだし、だいぶ失望してました。まあ、それでも、改革政党で頑張ったのは事実だし、女性知事ならではの視点はあるだろうと思い、一番マシな人だと思っていました。

それだけに、出馬中止はとても残念です。経緯も極めて不自然です。活動中に熱中症の疑いで救急搬送され、入院中に選挙対策会議が勝手に出馬中止を決めたと本人がフェイスブック上で動画で報告。「無念です」と言っています。そもそも、救急搬送の数日前から、後援会と選対の一部から、「出馬とりやめを熟慮せよとの声が上がって」いたそうです。上田知事との裏取引が取り沙汰されたが事実ではない、心外だ、と言っています。そして、「青島健太さんに投票します」と。政治スタンスが一番近いそうです。

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昨日の埼玉新聞でも報じられました。「一県民として」という言葉につき、政界引退ともとれる発言も、としています。

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何があったのか分かりませんが、病気だけでないのは確かに見えます。単なる憶測で言えば、上田・大野陣営からの圧力でやめさせられた、そこで、もともと気脈を通じようとした自民党の候補に投票する、ということかもしれません。政治家に対しては同情しても後で損する?こともあるのですが、行田氏の出馬中止については、さぞ無念だろうし、気の毒に思いますし、いっそ自民に、という気持ちは理解しないではありません。

埼玉県の課題は医療と介護なのに、両候補ともヴィジョンなし

青島氏と大野氏で、政策上の争点は大してありません。行田氏の出馬中止で、構図が国政政党の与野党一騎打ちになったので、国政からの関心ばかりが報じられています。

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世論調査は、共同通信で互角(名前は青島氏が先)、毎日で青島氏リード。まあ、行田氏が出る可能性があったときには青島氏が圧倒的なリードだったのを、何とか詰めてきた、という感じです。埼玉が地元の枝野幸男氏は、野党共闘に舵を切った成果が問われる、とも言われます。

東京新聞:埼玉知事選 青島、大野氏が競る:政治(TOKYO Web)

青島氏僅差でリード 大野氏が激しく追う 与野党激戦 埼玉知事選情勢 - 毎日新聞

首都圏の首長選では国政政党が前面に出るのはやむを得ないこととはいえ、本当はそんなことより、埼玉県政の課題が争点になるべきでした。

大野氏は政策発表では、日暮里舎人ライナー、都営大江戸線都営三田線多摩都市モノレールの延伸や、コンパクトシティーづくり、エコタウン、ウーマノミクス等を掲げました。

大野氏、鉄道延伸など重点政策に 埼玉県知事選、記者会見 :日本経済新聞

https://oonomotohiro.jp/policy/

青島氏は、「強靱な県土の構築」を県政運営の基本とし、人工知能(AI)等による生産性革命推進、政策集では「子どもたちの明るい将来を最優先で考える県政実現」など7つの指針を列挙。

AIなど活用「生産性革命推進」 埼玉県知事選、青島氏が政策発表 :日本経済新聞

青島けんたの政策 | 青島健太(あおしまけんた)公式サイト

さすがに、経験のある大野氏の方がいくらか具体的です。東京へのアクセス改善を第一義に考えるのは一つの見識でしょう。大野氏は強靭な県土というからには、経済政策というより、国土保全や安全を重視するイメージです。重点はどうあれ、どちらもインフラ整備を強調しているように見えます。

しかし、埼玉県について、本当に深刻なのは、医療と介護です。ここを強調しないのは、両候補者とも手落ちです。

まず、医師数が全然足りません。人口10万人当たりの医師数で言えば、埼玉県は全都道府県中の最下位です。

www.carenet.com

こういうときにはよくあることですが、厚生労働省は、「単純な人口10万人対医師数では、医師不足の実態を反映できない」と言って、新たに「医師偏在指標」なるものを開発しました。人口10万人あたりの医師数に、「地域の人口構成と年代ごとの受診率、医師の年代・性別ごとの人数と平均労働時間などの影響を加味した」そうです。で、そんな指標で見ても、埼玉県は5番目に医師が少ない県です。

医師偏在を可視化、解消向け新指標 ただ有効性は不透明:朝日新聞デジタル

医師少数と医師多数の都道府県を算出|第935回/2019年3月1日号 HTML版:全日病ニュース:全日病の発言 - 全日本病院協会

国はこの「医師偏在指標」に基づいて、16の「医師少数県」を指定し、指定した県には医師の供給が増えるよう調整する、としています。埼玉県はもちろんこの医師少数県にはいっており、首都圏というか関東圏は他に、千葉、茨城、群馬も医師少数県が含まれますが、その中で埼玉は一番医師が少ない県です。埼玉県は、首都圏の若い医師を何とか呼び寄せようと、若い医師が自由にトレーニングできる施設を2017年に導入したりしていますが、医師不足解消の決めてにはなっていません。

www.nhk.or.jp

そもそも、人口730万人の埼玉県に、医学部は私大の埼玉医科大学一つだけです。ここがまた微妙な医大で、戦後の新設なので学費が高く、そうなるとみんな行きたがらないので偏差値も低く、埼玉県の優秀な子供は見向きもせずに東京等の医学部に行きます。後継ぎで戻ることも多いでしょうが、やはり医学部が多いところは医師が多い傾向にあります(ちなみに、全国的には、西日本は医学部も医師も多く、東日本は首都圏含めて少ないです。東大特任教授の上昌広氏に言わせると、明治維新以来の既得権だとか)。

toyokeizai.net

医学部が県内にないと、学部選択の時点で医学部が外れやすくなるでしょうし、高度医療をできる病院も少なくなるし、やはり大問題です。国との折衝をして何とか医学部新設を働きかけたり、上田知事がやったようなトレーニング施設を更に格上げしたり、何とか医師不足の解消に努力すべきです。もちろん、教育だけでなく、医師を呼び込む政策がまだまだ足りません。

介護も大問題です。介護難民がいるだけでなく、上田知事がたくさん作った特養は介護職員が確保できずに大量に空室が出て、みんな、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を使っているようです。介護職員の不足は大都市圏で共通の課題ですが、埼玉県では特養のミスマッチが特に大きくなりましたし、県議会と知事の対立が加わって、去年は、県予算含めた供給体制自体が危うくなりかける事態まで生じました。介護サービス確保と議会対策と、両方をしっかりやれる人でないといけません。
facta.co.jp

政治的には、旧民主出身の上田知事と、自民が単独過半数の県議会は、介護だけでなく、あらゆる点で対立。そもそもこの構図を何とかしないといけません。行田氏が、自民に水面下で接触しようとしたのも(それが事実だとして)、やむを得ない面はあったかもしれません。一方で、医師がこんなに少ないのを放置していたのは、やはり医師会と自民党のせいでもあるでしょうし、本当に難しいのが埼玉県知事の仕事です。

埼玉県議会の自民がまた不必要に何でも反対路線のようで、産経でさえ、県議会も知事も自民に振り回されている、と、どちらかと言うと自民に冷ややかな書き方をしてました。

www.sankei.com

私としては、改革派の候補者が、医師不足解消を重点政策で訴えて、その一点突破で当選してもらって、県議会も医師会も民意を理由にしたがわせ、あとは是々非々で、段々と改革を全面展開してもらう、という形に期待したかったのですが、仕方ありません。

そもそも、今回の選挙戦では、医療と介護という、誰が知事になっても県政の最重要課題を誰も重視していません。

あと、身を切る改革(だけ?)が好きな人がもし出るなら、県議会の政務活動費の問題などは訴える価値はあったでしょう。議会の会派で、残らず使って返還がゼロなのは自民党だけだというのだから、調べればいくらでもホコリが出るはずです。でも、埼玉維新は全然非力すぎて、知事選なんて夢のまた夢。大坂維新の支持者さんは、同情もあってか、国政選挙連敗中の人を好意的に見てるようですが、支部として党本部からもらうものもらっているなら、何回やっても箸にも棒にもかからないんだから、あれも一種の既得権ですよ。まず市議選で結果出せと突き放すべきです。そこまでいかなくても、東京は音喜多氏のあたらしい党と組んだことで結果出したんだから、埼玉の別の改革グループを探してお尻叩くくらいはしないと。

政活費返還 6割減る:朝日新聞デジタル

大野元裕氏の、受動喫煙についてのどうしようもない認識

では、埼玉県民は、何を基準に選べばいいのでしょうか?

私は、医療つながりで、最近ネットで言われ始めた、受動喫煙に対するスタンスで選んではどうかと思います。

埼玉県の受動喫煙防止対策は、東京、千葉、神奈川に比べて遅れています。県が上乗せ条例で進めてきたのは、認証事業だけです。最近、飲食店だけでなく、地域についても認証制度を導入、と言っていますが、そもそも認証だけでは足りませんし、いつまでにやるかも不明、導入発表の記者会見当時から、やる気が疑われていました。

改正健康増進法を上回る受動喫煙防止対策を推進します 「埼玉県受動喫煙防止対策実施施設等認証制度」を6月から開始します - 埼玉県

知事記者会見テキスト版 令和元年5月21日 - 埼玉県

そんな中、去年6月、埼玉県議会の自民党が、独自の受動喫煙防止条例を作る、と言い出しました。

digital.asahi.com

これは期待できるのか?と思って、さっき県議会の議事課に聞きましたが、その話は把握してるが、まだ検討中と聞いている、とのこと。県庁の受動喫煙対策の担当者にも念のため聞きましたが、議会のことなので分かりませんとのお答え。1年たっても具体化してないから、こちらもやる気はあんまりないでしょう。あんまりないでしょうけど、国より厳しくする、条例も検討すると言ったのは確かだし、知事が本気で上乗せでもっと厳しくする、と言えば、しぶしぶ着いてくる可能性はあります。

で、受動喫煙対策で選ぶとしたら、絶対に票を入れてはいけない、こいつだけは絶対落とすべきだ、という候補者が、大野氏です。

一昨年、「喫煙文化研究会」なる妙な組織が働きかけて、民進党分煙推進議連が発足しました。その設立準備会に大野氏は参加しています。そして、「外国では、屋内禁煙、屋外喫煙可がほとんどだが、日本には路上喫煙禁止条例があり、法案が通ると喫煙者はどこでタバコを吸えばいいのか」などと質問しています。

最新情報 | 愛煙家通信 Web版 - 喫煙文化研究会

そのうえ、この反社会的な議連は政府の健康増進法改正案に対案まで作っていました。それをやっていたのが大野氏です。大野氏は、議連会長の松原仁氏のインタビューの最後に割って入ってまで、こんなことを言っていました。NEWSポストセブンから引用します。

松原氏のインタビュー終了後、同議連の法律案骨子に携わる大野元裕参議院議員も駆けつけ、こんな主張をぶちまけた。
「政府はWHO(世界保健機関)とIOC国際オリンピック委員会)との合意に基づいて、罰則の伴う受動喫煙防止法が必要だといっていますが、そもそも国内法措置を必要とする条約や国際合意については、法案提出前に国会審議に諮らなければなりません。
 そうした手順をまったく踏まずに政府の閣法(内閣提出法律案)でたばこ規制を行なうのは無理があります。それならば、広く国民の声を代表する議員立法で出すべきです。
 われわれ民進党も、一丸となって受動喫煙防止強化に取り組んでいきますし、オリンピックを機に健康増進を進めていくことに異論はありません。しかし、モノが規制されていない中で、国民の権利を規制する今回のやり方には断固反対です」

www.news-postseven.com

もう本当にどうしようもない人です。条約なんてあろうがなかろうが、せめて他国と同じ水準で、タバコの害から一刻も早く国民を守るという気はゼロ。色々言い訳つけて、受動喫煙防止政策を妨害しようとしているだけで、最後に持ち出すのは、タバコは禁止されてないじゃないか、という屁理屈です。

争点の少ない、ぱっとしない埼玉県知事選。積極的に選べる人がいないなら、せめて、絶対に、何が何でも落とす候補だけを、決めてはいかがでしょうか。

ただでさえ医師が全国で一番少ない埼玉県で、県民の健康にとって最大の脅威となる有害邪悪な候補である大野元裕は、必ず落選させるべきです。