日本の改革

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鈴木大地スポーツ庁長官は、JOCに行政指導を!理事会の非公開化等を撤回させ、ガバナンスコード執行主体としての自覚を促すべき!

日本オリンピック委員会JOC)の山下泰裕会長が、これまで原則公開だった理事会を非公開に。そのうえ、JOCは、不正送金疑惑で辞任した竹田前会長を名誉委員に。同団体は、新たに作られたスポーツ団体ガバナンスコードを他のスポーツ団体に遵守させる立場なのに、自分のガバナンスはデタラメです。鈴木スポーツ庁長官は、JOCに情報公開と人事につき、行政指導を行うべきです。

情報公開も人事もデタラメなJOC

JOC=日本オリンピック委員会は、これまで原則として公開してきた理事会について、非公開とすることを決めました。

今年6月に就任した山下泰裕・新会長が発表しました。人事案件などを除き原則として報道陣に公開してきた理事会について、NHKを含めた報道各社で作る記者会に対して非公開にする方針です。

記者会は、「スポーツ庁が競技団体に透明性のある組織運営を求めている時代に逆行する行為であることやマスコミの前では活発な議論ができないと説明したことは自助努力を放棄するに等しい」として、抗議文を提出していましたが、山下氏はこれを無視して決定したようです。

www3.nhk.or.jp

スポーツ団体の不祥事があれだけ問題になって、オリンピックについては、JOCの前会長の竹田恒和会長がフランス当局の捜査対象になって辞任して、それでも、こんな決定を平気で行うのだから、JOCというのは、つくづく度し難い組織です。

JOCはそのうえ、辞任した前会長の竹田氏を、まだほとぼりも冷めない今年7月に、名誉委員に任命しています。これを決めた理事会は人事案件のため従来基準でも非公開だったようですが、とにかく異論が出ずに、全会一致で決めた、と言います。

mainichi.jp

名誉委員だからと言って、問題はないと思ったら大間違いです。日本レスリング協会・会長の福田富昭氏も、JOCの名誉委員ですが、悪い噂が絶えません。たとえば、雑誌「選択」2015年12月号によると、福田氏は森喜朗氏の「裏方」と呼ばれていたとかで、東京五輪誘致活動に使うカネにからんで、仕手筋と関係があったとのことです。同氏については、他にも暴力団との交友関係に関する報道があり、文春と係争中です。

逮捕の「大物相場師」と親密な関係 JOC重鎮の良からぬ風聞 | 【公式】三万人のための総合情報誌『選択』- 選択出版

レスリング会長が文春提訴「記事は名誉毀損」 - zakzak

こんな風に、「JOC名誉委員」というのは、五輪誘致活動等での汚れ仕事をやることもあり得ます。そこに、不正送金疑惑で辞めた竹田氏をまたつけるのですから、反省ゼロです。もちろん、フランス当局が動いた贈賄事件の実働部隊は電通等で、竹田恒和氏には、福田氏のようなカネを作る才覚はないでしょう。しかし逆に、お飾り名誉委員様に、どんな輩がどんな意図で近づいてくるか、分かったものではありません。

第一、贈賄事件で引責辞任した人物を名誉委員にする人事を全会一致で決める理事会というのは、全くどうかしています。

JOCとは、他のスポーツ団体を監督する団体。スポーツ庁長官はJOCに行政指導を!

そもそも、JOCという団体は、単なる民間のスポーツ団体ではありません。多額の補助金が投入されているというだけの団体(それだけでも十分公的な存在ではありますが)でもありません。JOCは、他のスポーツ団体を指導、平たく言えば、監督する権限・責任を持った公的団体です。

昨年相次いだスポーツ界の不祥事を受けて、スポーツ庁が昨年末、対策をまとめました。柱となるのは、競技団体が守るべき規範を定めた「スポーツ団体ガバナンスコード」を定め、JOCはじめ3団体(他は日本スポーツ協会と日本障がい者スポーツ協会)が、4年ごとに全国的な団体をチェックする仕組みです。また、3団体とスポーツ庁日本スポーツ振興センター(JSC)による円卓会議で、審査状況や不祥事への対応など情報を共有し、必要に応じて改善を求めます。

www.nikkei.com

加えて、スポーツ団体ごとに、規模等が異なるため、全国的な団体とそれ以外の団体は、区別されます。全国的な団体である中央競技団体は、上記3団体がガバナンスコードを守らせ、その他は日本スポーツ協会が担当します。ポンチ絵では、以下の形です。

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出所:スポーツ庁

http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/001_index/bunkabukai004/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2019/06/19/1418208_004_1.pdf

少し複雑に見える形になっているのは、スポーツ団体の自主性を重んじて、国の関与をなるべく間接的にするためでしょう。しかし、自主性に任せて自由にさせてきた結果が、今日のようなひどい運営では、今後、国の関与を強めるべきという声はますます高まるでしょう。実際、昨年末、円卓会議の初会合が開かれたとき、産経は以下のように書いています。

 とりわけJOCには厳しい監視が必要だ。過去には、事務局OBが制度の抜け道を使ってサッカーくじ助成金を不適切に受給するなど、組織のモラルには怪しい面が多い。事務局体制も強固とは言い難く、傘下団体を審査する側に立つには説得力に乏しい。
 統括3団体の財政面やマンパワーの不足も指摘されている。JOCなどは「自主・自立」を掲げて審査の実務を勝ち取った。その経緯を踏まえれば、「審査に伴う経費は統括3団体に負担していただく」というのがスポーツ庁の立場だ。国にもたれかからない形で、実務を進める体力と覚悟が求められよう。
 スポーツ界の唱和する「高潔性」が空念仏にすぎないことを、世間は見抜いている。不祥事の連鎖を来年も繰り返すなら、円卓は簡単にひっくり返ることを、JOCなどは心しておくべきだろう。

「円卓会議」初会合 競技団体に問われる自制と自省 - 産経ニュース

今回の理事会非公開の決定に対して、朝日も、JOCは中央競技団体に対して、ガバナンスコードで「適切な情報開示」を求める統括団体なのに、自分達が情報非公開でどうする、と、誠にもっともな批判をしています。

 従来も人事案件など、議案によっては非公開だった。完全非公開は、議論を活発にするためという。しかしスポーツ基本法は、スポーツ団体は事業を適正に行うため透明性を確保すべきだと定め、スポーツ庁が6月に公表した中央競技団体が順守すべき規範「ガバナンスコード」は、「適切な情報開示」を求めている。統括団体として指導する立場にあるJOCの決定は、現在も理事会を公開している加盟団体に、透明性を下げてもいいとの誤ったメッセージを送ることになる。

digital.asahi.com

私は、昨年一応作った枠組みで、当面はしっかりガバナンスを利かせるようにしていくべきだとは思います。しかし、新体制がスタートを切った矢先に、今まで公開していた理事会は非公開にするわ、引責辞任した前会長を全会一致で名誉委員にするわ、では、とても信用できません。

鈴木大地スポーツ庁長官は、JOCの山下会長に対して、理事会の公開を求めるとともに、竹田氏の名誉委員就任の撤回を求める行政指導を行うべきです。