日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

韓国への意地より、中国・北朝鮮・ロシアへの備えの方が重要!日韓関係は安全保障を全てに優先させよ!

日本が輸出管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」から韓国を除外することを閣議決定の方向。あまりに仲の悪い日韓両国に対し、アメリカが仲介する可能性も報じられています。日韓は、日米韓の防衛協力を他の全てに優先させるべきです。

中国、北朝鮮、ロシアにやられたい放題の日韓

日韓関係の悪化とともに、中国、北朝鮮、ロシアの動きが活発化しています。一連の動きをまとめます。

韓国軍合同参謀本部は7月23日午前、ロシア軍機が竹島の上空を飛行したため(韓国の認識で言う「領空侵犯」のため)、竹島周辺で韓国軍の戦闘機が警告射撃したと明らかにしました。中国軍機も同日、韓国の防空識別圏内に入りました。

竹島上空で韓国軍警告射撃 ロシア軍機が「領空侵犯」 - 産経ニュース

次いで、北朝鮮が25日早朝、短距離ミサイル2発を日本海側に向けて発射しました。韓国の合同参謀本部(JCS)が発表しました。少なくとも1発は新型ミサイルとみられています。

金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ米大統領が6月末に、軍事境界線がある板門店で急きょ会談して以来、北朝鮮がミサイルを発射するのは初めてです。

www.bbc.com

 更に、28日、北朝鮮の対南宣伝サイト「わが民族同士」は、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を韓国に要求する論評を掲載しました。日韓関係が悪化している直近の状況を利用し、東アジアの安全保障をめぐる日米韓連携を破壊する意図です。

論評はGSOMIAについて、日韓の「犯罪的共謀と結託の産物で、日本に軍国主義復活と朝鮮半島再侵略の足場を提供する戦争協定である」と主張。韓国国内で対韓輸出規制の拡大で「反日感情が高まっている」として、韓国の革新系の労働組合やメディアの中にGSOMIA破棄を求める声があることに触れ「至極当然のことだ」と論じました。

www.nikkei.com

そのうえ、31日には、韓国軍合同参謀本部が、北朝鮮が同日午前5時すぎ、東部の元山付近から2発の短距離弾道ミサイルを発射したと明らかにしました。北東方面に約250キロ飛行し、高度は30キロ程度だったと推定しており、移動式発射台を使ったとみてられます。
www.nikkei.com

北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会は1日午前(日本時間2日午前)、緊急の非公開会合を開いて対応を協議します。安保理関係者によると、英独仏が7月31日に要請しました。

digital.asahi.com

これら一連の動きは、日韓関係の悪化に応じて、中国、北朝鮮、ロシアが、日韓の協力体制を試しに来ている、というよりも、この機に乗じて、日韓の防衛協力体制を破壊しにきている、と見るべきです。

7月25日と31日の2回にわたる北朝鮮のミサイル発射については、情報源は韓国軍です。日本と韓国は、北朝鮮の脅威に一致してあたらなければいけません。安保理開催も、英独仏が要請していますが、本来は、一番の当事国の日韓が一致して要請した方が、国際社会に対しても、北朝鮮の危険性が伝わるはずです。

追記:北朝鮮は8月2日の今朝また、2発のミサイルを発射しました。

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20190802-00000012-jnn-int

停滞し、後退する日韓の防衛協力。喜ぶのは中国、北朝鮮、ロシア

これほど状況が緊迫しているとき、日本政府と韓国政府は、何をやっているのでしょうか。中国、北朝鮮、ロシアの思惑通りに、対立が決定的になりつつあります。

 河野太郎外相と韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は1日、日本政府による対韓輸出管理の厳格化の発表後、初めて会談しました。が、両方とも原則論に終始し、議論は平行線です。

www.nikkei.com

元徴用工問題に始まる日韓の対立は、基本的には経済分野での対立です。そしてこの問題が、安全保障分野での協力を危うくしています。

北朝鮮のミサイル発射など有事に備えて連携する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の更新期限は、8月末に迫っています。ところが、北朝鮮の宣伝と韓国の左派世論の通り、韓国側は継続の見直しを示唆し始めています。韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題でも、日韓の防衛交流も滞っています。

日本政府も、安全保障上の協力が後退するのは、決して望んでいません。

菅義偉官房長官は29日の記者会見で「日韓関係は厳しい状況にあるものの、連携すべき課題はしっかり連携することが重要だ。適切に対応する」と述べ、協定を維持すべきだとの認識を示しています。岩屋毅防衛相も「わが方から破棄する考えは全くない。安全保障ではしっかり連携していく」と強調しました。

しかし、岩屋氏と韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相が6月にシンガポールで非公式の会談を開いても、主張は平行線に終わりました。レーダー照射問題が起こってから日韓の防衛交流は中止が相次いでいます。

www.nikkei.com

外交では理性も我慢も必要。両国とも、視野狭窄な国内世論だけに縛られるな

日本も、韓国も、大国の中国、ロシアの強大な軍事的脅威と、北朝鮮という、規模は小さいにしても一番現実的な脅威に向き合っています。両国とも、現在のところ覇権国であるアメリカとの防衛同盟の下、お互い同士も緊密に協力しあって、それぞれの国を守るべきです。そのとき、歴史問題や経済問題については、理性的にお互いの言い分を検証して、お互いに忍耐もして、とにかく絶対に安全保障上の協力体制は守るべきです。

元徴用工問題について、日本側が発揮すべき理性としては、日韓請求権協定によって、韓国国民の個人請求権が国際法上本当に認められないのか、再検討の余地があるのを理解することです。

山本清太弁護士によると、日本はもともと、別の問題については、国と国の条約によって個人の請求権は消滅しないと主張してきました。

日米が個人請求権を互いに放棄する条項は1951年のサンフランシスコ講和条約にもあります。このため、原爆被害者が「条約により米国に賠償請求できなくなった」として日本政府に補償を求めて提訴しました。ところが、日本政府はこれを拒否しました。「自国民の損害について、相手国の責任を追及する『外交保護権』を放棄したもの。個人が直接賠償を求める権利に影響はなく、国に補償の義務はない」と主張したのです。

要は、今の韓国政府と同じく、日本政府は自国民からの補償請求を拒否し、その際に、「政府として個人を守るための『外交保護権』は放棄したが、個人が自分で請求することは出来る(だから日本政府には請求しないでアメリカに請求しろ)」と言っているのです。

その後、最高裁が2007年年4月、中国人強制連行訴訟の判決で、サンフランシスコ平和条約について「事後的な民事裁判にゆだねれば、混乱が生じる。裁判上では個人請求権を行使できないようにするのが条約の枠組み」と判断しました。この判例が日中共同宣言や日韓請求権協定にも適用され、以降、日本の法廷での外国人戦争被害者の権利回復は不可能になりました。

しかし、一方で、この判決では「(条約は)個人の実体的権利を消滅させるものでなく、個別具体的な請求権について、債務者側の自発的な対応を妨げない」としており、日本の裁判所に訴える「訴権」は消滅したが、実体的権利は消えていないから、その権利が裁判外で認められることはありうる、と言っています。 

digital.asahi.com

「徴用工判決」で報じられない「不都合な真実」 - 山本晴太|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

橋下徹氏も(山本清太氏の名前は挙げていないものの)、この考え方に賛成し、同趣旨の主張をしています。橋下氏は更に、「世界では宗主国が旧植民地に対して悪しき効果が残存している場合には責任を負う流れにもなっている」として、これら事実を踏まえて、国際裁判で勝てる理屈を考えないとダメだ、としています。

 輸出規制問題について言えば、韓国のホワイト国除外が、本当に安全保障が理由なら、当然行うべきです。しかし、それを疑わせる事実があります。

日本は、生物化学兵器関連物資管理システムに加入していない中国や台湾、シンガポールなどについては、ホワイト国とはしていないものの、フッ化水素の輸出を包括的に許容しているからです。ハンギョレ新聞の報道ではありますが、まだこれを否定する報道には接していません。

japan.hani.co.kr

ホワイト国除外が、本当に安全保障に資するならともかく、フッ化水素輸出を中国に包括的に許しているようでは、意図はあやしいものです。元徴用工問題への報復という政治的意図があると見られても仕方ありません。

アメリカの仲介があれば、日本は乗るべき

 輸出規制強化や元徴用工問題で対立を深める日本と韓国に対し、ポンペオ米国務長官が仲介に乗り出す姿勢をみせた・・・と日経は報じています。

米政府高官は日韓両国が一定期間は新たな対抗措置を取らないとする「休止協定」への署名を検討するよう提案したと語った・・・とも日経は報じています。

米外交筋は「日韓関係の悪化が一連の挑発行為を誘発している」とみる、とも書いています。

www.nikkei.com

私は、この日経の記事を見て、「ああ、良かった、アメリカが仲介してくれるなら、日韓もなんとか安保でまた関係を固めなおせる」と嬉しく思ったものです。

ところが、河野外務大臣は、米国が日韓関係改善のための仲介案を提示したとされていることについて、「まったく事実としてない」と否定しています。

digital.asahi.com

率直に言いますが、これは本当のことでしょうか?正直言って、私は河野氏を疑っています。韓国の要請があったから、という点はあるにせよ、アメリカも、日韓が緊密に安全保障上の協力をしてくれないと困るのだから、仲介をする動機は十分にあります。もう一つ、河野氏自身について、政治家としては、脱原発や行革の姿勢を私は支持しますが、入閣すると自分の意見を完全封印しすぎるきらいがあります。ツイッターの様子を見ても、どうも軽佻浮薄、ネトウヨに媚びる、耳の痛いこと言われるとすぐブロック。安倍氏並みに、平気で嘘をつくこともあると見ます。

いずれにせよ、アメリカに仲介の意図があれば、日本は乗るべきです。

韓国とは対立はしても、中朝ロに対しては、日米韓でしっかり協力してあたるべき!

最後に、韓国の文在寅政権はもともと左翼だし、もう北朝鮮と同じく敵国と見るべきでしょうか?

私は、そうは思いません。韓国は人権が保障され、民主的な選挙が行われているという点で、価値観を共有する国です。北朝鮮の核ミサイルに対処するために、韓国との協力は絶対欠かせません。ミサイル発射情報の少なくとも一部は韓国軍頼りなのは、最近のミサイル実験で分かる通りです。

また、韓国にとっては、今回のホワイト国除外の件で分かる通り、日本はまだまだ重要なパートナーです。

日韓両国は、理性をもって、国益は守りつつ妥協できるところは妥協して、自由と民主主義という共通の価値観を守るため、安全保障でしっかり協力して、中国、北朝鮮、ロシアという敵と戦うべきです。