日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

選挙戦で正面から憲法改正を訴えた安倍総理は立派。自公維3分の2割れでも、総理の本気度が改憲の可能性高めた。

選挙戦で安倍総理が、国民の関心が低かった憲法改正を正面から訴えたのは立派です。私は選挙戦前は、総理の憲法改正への本気度を疑っていましたが、間違っていました。安倍政権は不支持ですが、早期の国民投票は支持します。今回、自公維で3分の2割れしたものの、総理の本気度が、かえって改憲の可能性を高めました。国民が憲法改正に前向きになってきたからです。

結局、憲法改正はまだ可能なのか、不可能になったのか?

今回の参院選、私は何と言っても憲法改正の今後の可否を最重視して見てきました。結論から言えば、その可能性はぎりぎり残ったと思います。自公維が「改憲勢力」だとして(公明党も最後は発議に賛成するとして)、発議に必要な85議席確保はならず、自公維は81議席で4議席足りませんでした。しかし、国民民主党切り崩しで

今朝の朝刊各紙、読売以外の各紙は、「改憲勢力」3分の2割れ(困難)を一面トップの見出しにしました。各紙とも、総理がこれから国民民主党の切り崩しにかかる、との見方は一致していますが、詳細や論調で特色が出ています。憲法改正の行方について、案外慎重な見方をしているのが産経と読売、現実味が出てきて警戒しているのが朝日と毎日、一番楽観的なのが日経、という感じがします。

意外に産経が一番悲壮なトーンで、憲法改正について悲観的な見方を示しています。ネットの記事では見つけられないでいますが、紙媒体の3面で大きく、「自民 改憲なお遠く 頼みの国民退潮 立民が壁」と見出しを打っています。趣旨は、公明党は与党と維新以外の「野党」の賛同がないと発議に賛成しないと言ってると。そして、国民民主党議席を減らし党分裂がささやかれることを危惧しています。そして、「自民党憲法改正推進本部の幹部」の声として、立民一強、枝野一強になるので憲法改正にマイナスだ、との懸念を紹介しています。

www.sankei.com

これは私には意外でした。国民民主党が瓦解して保守系議員の多くが無所属で発議に賛成したり、自民党に入ったりすれば、むしろ憲法改正にはプラスだろうと思っていたからです。

産経記事の趣旨は、たとえ国民民主党から一本釣りを行って、個々の議員に賛成させたり、あるいは議員を引き抜いて自民党に入れたりして3分の2を形成しても、「野党」国民民主党が党として賛成しないと、公明党は賛成しない、という趣旨なのでしょう。

私は、八方美人の玉木氏は、今回の惨敗を口実にさっさと代表を辞めて、自民入りなり政界再編なりをしようとするのでは、と思いましたが、外れました(笑)。御本人は「無所属ながら我々が主導して擁立した『国民民主系』を含めれば現有議席を上回った」「デビュー戦だったが土台を作った」と前向きな評価を繰り返し、引責になどふれません。

www.nikkei.com

新聞の中で、一番楽観的な見通しなのは日経に見えます。自民は維新に加え、国民民主などに改憲に前向きな議員が潜在的に多いとみている、として、玉木氏の「憲法の議論には参加する。参加したいので参加できる環境をきちんと整えてほしい」との発言をひいています。公明党については、「自民は野党から協力姿勢を引き出すことができれば、早期改憲に慎重な公明の出方も変化する可能性があるとみる」として、国民民主党は玉木氏が乗り気だから可能性あり、そこが動けば結局は公明党も動く、という見立てです。玉木氏の発言はよく見ると、どっちともとれる感じはして、実際はそう簡単ではないようにも見えますが。

首相、改憲へ野党の協力不可欠に 3分の2確保が焦点 :日本経済新聞

そして、日経、朝日、産経とも、今後は解散で脅して求心力を高めて憲法改正を狙う、という趣旨のことが書いてあります。

ということで、一番悲観的な産経の見方によっても、国民民主党が党全体として賛成すれば、発議や、それ以前の憲法審査会の議論は進むことになります。私は、玉木氏が枝野氏の言いなりになるよりは、存在感を示すために憲法改正の議論に乗る方を選ぶ可能性はあると思います。もし、国民民主党が賛成すれば、公明党も「維新以外の野党が反対している」という言い訳を使えなくなります。発議にこぎつける可能性は、一応残っていると見るべきです。

日本の歴史上初めての国民投票の早期実現を!

更に重要なのは、今回の選挙戦を通じて、世論が憲法改正に前向きになってきたことです。NHK出口調査では、いまの憲法について、「改正する必要がある」と答えた人は36%で、「改正する必要はない」が33%、「どちらともいえない」が31%でした。ANNの出口調査では、安倍政権のもとで憲法を改正することについて尋ねたところ、「賛成」が51%、「反対」が49%でした。

NHK出口調査 憲法改正「必要」36% 「不要」33% | NHKニュース

安倍政権での憲法改正 賛否が拮抗 ANN出口調査(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

出口調査ではありますが、選挙前に比べて、かなり拮抗するところまで来ています。こうした国民の意思があれば、どの政党だろうと、そうそう発議に反対を続けたり、ましてや憲法審査会の議論自体を否定し続けたりすることは出来ないはずです。

これはやはり、安倍総理が、今回の選挙は憲法改正について議論するのかしないのかが争点だ、と繰り返し訴え続けたことの効果だと思います。

私は、4月に自公維3分の2割れの予測が出され始めた頃、総理もそれは分かっているだろうから、もう本当は憲法改正はやる気がないだろう、と思って、ブログでもそう書きました。

産経等の参院選予測では、自公維で3分の2割れ。安倍政権での憲法改正は不可能に。政権は目的を失い、安倍退陣にも現実味。 - 日本の改革

その後、国民民主党改憲に賛成させることが、私が思ったよりも現実的な選択肢だったと思うようになり、そのやり方なら、可能性はまだ残っていると考えるようになりました。

野党焦土作戦の枝野氏、自分の党も炎上か。安倍総理は、消費税隠しと選挙後の国民民主崩壊見込みで、改憲を争点化。 - 日本の改革

それでも、安倍総理がどの程度憲法改正に本気なのか、まだ分からずにいました。しかし、今回、国民があまり関心を持たない憲法改正について、安倍総理が選挙戦を通じて訴え続け、現に国民世論にも変化を起こしつつあるのを見て、安倍総理憲法改正については本気であり、今から国民投票も見据えた行動をしている、と感じるようになりました。安倍総理改憲をコアな支持層向けのポーズとしてやっているだけではないか、というかつての自分の見方は、浅薄な間違いだったと反省しています。

結局、安倍総理は、これから行うであろう国民民主党の切り崩しなどよりも、憲法改正についての国民への直接の訴えによって、道を切り開きつつあります。

私は安倍政権も自民党も支持していません。多くの政策で改革が全く足りませんし、それ以前に、国民に保障されるべき自由について、価値観の点でも違いを感じるからです。

ただ、憲法改正は行うべきだと考えています。現状の自民党改憲案には反対ですが、これは、国民が憲法改正案について、自ら主権を行使して決めるべき問題です。安倍政権について、女性天皇憲法改正国民投票の実現については、期待したいと思います。