日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

政府は、吉本興業とクールジャパン機構という二つの無法会社が行う共同出資事業を中止し、官民ファンドを全廃せよ。

所属芸人二人の記者会見で、あらためて無法経営ぶりが明らかになった吉本興業。この企業に、財政投融資や税金は1円も使うべきではありません。政府は、クールジャパン機構法の規定通り、共同事業を行う吉本興業の経営実態を国民に公開すべきです。その上で、吉本とクールジャパン機構との共同出資事業を中止し、クールジャパン機構を含む官民ファンド自体を全廃すべきです。

「契約書のない会社では何が起きるか」を見せつけた記者会見

吉本興業に所属する芸人二人が、特殊詐欺グループの会合で営業活動をしたことについて、謝罪会見を行いました。宮迫博之氏は、吉本興業の岡本昭彦社長から、「会見をしたらお前ら全員クビにするからな」と言われたと発言しました。

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この会見は、契約書がない会社では何が起きるかを、国民にまざまざと見せつけました。経営者は法的に縛られるべき義務が事実上ない状態となって、何を言っても、何をやっても構わないことになります。

吉本興業が、書面の契約書なしに芸人に仕事をさせていることは、本ブログでも以前取り上げました。そこでは、公正取引委員会の「人材と競争に関する検討会報告書」を取り上げて、その内容の重要な部分は独占禁止法で明文化すべきだ、と主張しました。

www.kaikakujapan.com

今回のケースについては、独禁法改正を待たなくとも、公正取引委員会吉本興業に対して、所属芸人との契約実態について調査のうえ、不公正取引として排除措置命令を下し、罰金を課すべきです。「人材と競争に関する検討会報告書」では、口頭のみで発注を行う行為を「競争政策上望ましくない行為」としており、「発注者は,書面により,報酬や発注内容といった取引条件を具体的に 明示することが望まれる」としているからです。

https://www.jftc.go.jp/cprc/conference/index_files/180215jinzai01.pdf

報告書の書きぶりは、「望ましくない」という努力規定的な表現ですが、吉本興業は、どの芸人とも、それこそ明石家さんま氏のような大物芸人との間にも、書面の契約書は一切交わしていないと言っています。企業全体として、全ての収益の発生源となる芸人との契約がない状態を長年続け、その弊害が国民全体に周知されるようになった以上、公正取引委員会は直ちに吉本興業と芸人との契約実態につき、調査を行い、必要な処分を行うべきです。

後述の通り、吉本と所属芸人との契約は労働契約ではなく、「専属実演家契約」だと会長本人が言うのですから、労働法ではなく、独禁法の適用がやりやすい領域のはずです。恐らくは、優越的地位の濫用と見るべきケースがあるはずで、その場合には当然、排除命令と罰金となります。

吉本興業ホールディングズの大崎洋会長は、ビジネス・インサイダーのインタビューで、「芸人、アーティスト、タレントとの契約は専属実演家契約。それを吉本の場合は口頭でやっている」と発言しています。

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これにつき、弁護士の志賀剛一氏は、こうした場合、「契約は拘束される範囲や権利関係について細かい取り決め事がたくさん出てくるので、契約書面はかなりの分量になるのが通例」として、すべてのタレントとの契約を書面にすべき、と主張しています。

当たり前の話であって、吉本のやり方が異常過ぎるのです。

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無法経営続けるクールジャパン機構と吉本との共同出資事業

この吉本興業と官民ファンドとが共同出資事業を行っています。それも、散々批判されたクールジャパン機構との事業です。

本ブログでは、官民ファンドは全廃すべき、と主張し続けてきましたが、クールジャパン機構は特にひどい会社であり、真っ先に廃止すべきです。

ゾンビ企業を支援するゾンビ・ファンド:官民ファンドは全廃を - 日本の改革

ただ、吉本興業に対する社会的批判が集まったこの機会に、共同出資者である吉本の経営実態を公取とともに明らかにしたうえで、解散すべきです。

まず、クールジャパン機構の実態と、吉本との共同事業について見てみます。

クールジャパン機構、正式には、海外需要開拓支援機構という株式会社は、投資の失敗から利益相反からセクハラに至るまで、ありとあらゆる問題点を指摘され、批判され、複数の訴訟を抱えるまでになっています。

ガバナンス効かぬクールジャパン機構がもたらす惨状 WEDGE Infinity(ウェッジ)

「事業は瀕死」クールジャパン機構を長崎企業連合が提訴:朝日新聞デジタル

くじ引くと「幹部と映画へ」…元派遣社員がセクハラ提訴:朝日新聞デジタル

日経が、官民ファンドのうち、とくに赤字が目立つ4ファンドの2018年度決算について報じています。合計の累積損失(利益剰余金のマイナス)は1年前より6割増え、367億円にのぼります。2019年3月末の累損は、クールジャパン機構が179億円(18年3月末は97億円)で最も大きくなっています。

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この無法・無能会社であるクールジャパン機構と、無法・有能会社である吉本興業が組んで、共同事業を行っています(吉本が有能というのは、芸人の膏血を絞るブラック企業として有能、ということですが)。

共同事業は、「教育コンテンツ等を国内外に発信していく国産プラットフォーム事業」で、クールジャパン機構、吉本興業、NTTが出資する「株式会社ラフアンドピース」により、「日本初の良質な教育等コンテンツを世界に発信」する、教育のためのプラットフォームを作る、ということです。クールジャパン機構は、最大100億円を出資することになっています。

https://www.cj-fund.co.jp/files/press_190421-jp.pdf

この事業では、吉本の芸人が教育コンテンツで使われることを想定しており、既に、コンテンツ作りも進んでいるようです。

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政府は、共同出資事業を行う吉本の経営実態を国民に公開した後、同事業を中止し、官民ファンド全廃を!

これほど問題のある二つの会社による共同出資事業は、吉本興業に社会的批判が集まっているこの機会に、いったん即時中止とすべきです。

更に、吉本興業の経営、特に、所属芸人等との契約の実態につき、公正取引委員会が調査すべきですし、それ以前に、クールジャパン機構自身が自ら、吉本興業について徹底した情報公開を行うべきです。吉本興業は、同機構の事業上の共同出資者であるとともに、出資先の事業には吉本興業の所属芸人も参加するのですから、本来の所属先での契約のあり方によっては、暴排条例等のコンプライアンスの問題が出資事業で生じうるからです。

クールジャパン機構の設置根拠法である、株式会社海外需要開拓支援機構法では、23条に、経済産業大臣が「支援基準」を定めるとあり、

https://www.cj-fund.co.jp/files/cjf_25_51.pdf

その支援基準には、

「個人及び事業者に関する情報の適正な取扱いに留意しつつ情報公開を一般に 行うことで国民に対する説明責任を果たすとともに、機構に出資する国や民 間事業者等に必要な説明を行うことにより、その運用の透明性を確保するこ と」

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/shienkijyunset.pdf

とあります。この規定を使って、所属芸人が反社会的勢力とつながりを持たざるを得ないと疑われている共同出資者の経営実態を、国民に明らかにすべきです。

既に報じられているだけでも十分問題ですが、機構の情報公開と公取の調査で、問題点を更に明らかにしたうえで、吉本とクールジャパン機構との共同出資事業を中止し、クールジャパン機構を含む官民ファンド自体を全廃すべきです。