日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

朝日新聞は、第二労組による、自社の押し紙問題等の追及に誠実に対応し、経営に反映させるべき。

参院選期間中に、ハンセン病訴訟で大誤報を行った朝日新聞。同社に第二労組が出来て、自社の押し紙問題や非正規職員の待遇改善を求めています。紙面との言行不一致を正せという要求であり、朝日は誠実に対応し、経営に生かすべきです。

ハンセン病訴訟の控訴判断で大誤報

少し前の話ですが、朝日新聞が、ハンセン病訴訟で政府が控訴するか否かにつき、誤報しました。7月9日朝、安倍総理が控訴しないという方針を発表したのに対し、同日の朝刊では既に、政府は控訴すると一面で報じていた問題です。

朝日は、「政権幹部を含む複数の関係者への取材を踏まえたものでしたが、十分ではなく誤報」であったとして、「参院選が行われている最中に重要な政策決定をめぐって誤った記事を出し、読者や関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけ」した、として、謝罪しました。

ハンセン病家族訴訟 記事を誤った経緯を説明します:朝日新聞デジタル

素人目には、正直言って、お詫び記事での経緯を見る限り、取材の手続き等は問題なさそうに見えます。が、結果としては大誤報。報道機関としての能力に、大きな疑問符がつくことになりました。誤報はどのメディアにもあり得ることとは言え、政府の政策決定に関する事実と正反対の記事を、注目の集まる国政選挙中に出したのは、朝日への信頼を大きく損ねました。

今日発売のFACTAは、朝日新聞について、二つも記事を載せています。一つは、朝日への信頼度が相当落ちているという記事で、もう一つは、朝日に第二労組が出来たという記事です。

一つ目の記事は、英オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が6月に公表した「デジタルニュース・リポート2019」で、日本のニュースメディアのブランド信頼度ランキングで、朝日新聞は昨年に続き全国紙中最下位の11位だった、というものです。

記事を書いたジャーナリストの永井悠太朗氏は、朝日の販売部数は年々30万部を超えるペースで減り続けているのに、経営陣は未だに朝日は高級紙と思い込んでいる、と批判しています。

facta.co.jp

このロイター研究所のレポートは、全世界での調査に基づくもので、日本のメディアの順位等よりも興味深いことを色々報じています。全世界的にメディアへの信頼が落ちていること、メディアがニュースをネガティブに報じ過ぎていること等、朝日新聞含め、日本のメディア全体が参考にすべきことが沢山出ています。

www.digitalnewsreport.org

朝日新聞は、慰安婦問題から吉田調書に至るまで、イデオロギーが先走ったひどい誤報がたまにあります。特に、慰安婦問題についての報道は、今に至るまで日韓両国を苦しめることになり、極めて重い社会的責任があります。私が特に許せないのは、橋下徹氏に対する名誉棄損や侮辱を、週刊朝日が行った事件です。ただ、朝日だろうと読売だろうとNHKだろうと、全国規模で取材を行えるメディアは、やはり貴重な存在です。朝日について言えば、事実を捻じ曲げない限りは、政権批判を行うメディアは当然必要ですし、注意深く利用するなら、今でも有用だと思います。

それだけに、朝日の経営者が、未だに過去の遺産で食っていけると信じ切って、あるいは、自分の在任中は安泰だと考えて、曲りなりにも500万人という読者があるメディアの報道が劣化し続けて、信頼も失墜しているのを等閑視するのは、大きな問題です。

朝日の第二労組、朝日新聞再生機構

さて、朝日の第二労組についてです。

FACTAによると、同社には、朝日新聞社労働組合という労働組合がありますが、去年、もう一つ、朝日新聞再生機構という名前の「第二労組」が出来ました。この組合は、自社の押し紙問題を解決し、正規社員と非正規社員の格差も解消するよう経営陣に要求しています。6月の株主総会で、メンバーが渡辺雅隆社長の再任の拒否を求めたり、なかなか活発に活動をしているようです。

facta.co.jp

第二労組である朝日新聞再生機構の要求は、主に、押し紙の問題の解決、そして、非正規雇用社員との格差問題の是正です。

新聞社が実際に売れる以上の新聞を販売店に押し付けて買わせて、それが新聞の「注文部数」となり、新聞社が水増しされた部数で広告収入を得ている、という「押し紙」の問題。これについては、既に2016年、公正取引委員会朝日新聞社に対して、注意を行っています。公取は正式に発表していませんが、当時、記者からの質問に対し、注意を行ったのは事実だと認めています。

平成28年5月11日付 事務総長定例会見記録 :公正取引委員会

朝日新聞公取の注意を受けて、販売部門の社員に独占禁止法順守のための研修を行った、ということですが、押し紙は新聞社の経営方針で行われているので、経営方針が変わらなければムダだ、と、元全国紙社員だった幸田泉氏は批判しています。

発行部数を「水増し」してきた朝日新聞、激震! 業界「最大のタブー」についに公取のメスが入った(幸田 泉) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

朝日の第二労組の朝日新聞再生機構は、今の発行部数の3分の1が「残紙」といわれる押し紙で、この不良在庫が新聞販売店を苦しめているとして、解決を求めています。

また、非正規社員の待遇を正規社員に近づける要求を行っています。FACTAは、「労働問題に熱心な朝日は紙面で非正規雇用格差是正を求めてきたのに、書いていることとやっていることが違う」としています。

こうした要求に対し、朝日新聞社はゼロ回答なうえ、社内の組合用掲示板の利用も拒否というので争いとなり、今年6月10日、東京都労働委員会が、不当労働行為と認定。この組合が便宜供与を議題とする団体交渉を申し入れたときは、誠実に応じろ、と朝日に命令しました。

別紙 命令書詳細|東京都

この第二労組、東京都管理職ユニオンの支部の形で結成されたようで、その機関紙に、都労委の決定について書かれています。

https://www.mu-tokyo.ne.jp/media/1/3/3/133_635x905.png

東京都管理職ユニオンは、連合傘下なので、連合にも入っていることになるのでしょう。私は、連合のことは、消費増税原発推進のスタンス等について、散々批判してきましたが、傘下の個々の組合には、主張を聞いてみるべきところもあるようです。少なくとも、朝日再生機構については、今のところ、押し紙問題の解決についても、正規・非正規の待遇格差改善についても、まともな主張をしています。朝日はその主張を経営に反映させるべきです。