日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

かんぽとゆうちょ銀行の違法・不当販売の責任は、参院選の全特組織内候補・柘植芳文(自民)にある!政府は小泉改革の原点に戻り、二社の即時完全民営化を!

日本郵政グループ、ゆうちょ銀は投信で、かんぽは保険で、不適切販売が批判されています。ゆうちょ銀行は国有で貸出業務も自由に出来ず、一方で、自民党が全特の票目当てに、国有なのに郵貯限度額を上げています。もう、違法・不適切な営業と政治力が命綱です。まともな状態に変えるため、小泉改革の当初方針通り、かんぽとゆうちょ銀行は完全民営化し、業務を自由化させ、市場規律で経営を正常化させるべきです。

ゆうちょ銀とかんぽの違法・不適切販売

日本郵政グループのゆうちょ銀行が、勧誘時の健康確認を怠るなど、不適切な手続きで高齢者に投資信託を販売していました。約230ある直営店のうち約9割の店で発覚しており、社内ルールなどへの抵触は1万5千件以上にのぼる、と日経が報じています。

www.nikkei.com

一方、同グループのかんぽ生命保険は、顧客が新しい保険契約に乗り換えできずに不利益を受けた事例が約1万9千件にのぼると発表しました。ノルマが過大だったこと、民間の生保会社と違い、新旧契約の引き継ぎを行う「転換」がなく、「乗り換え」を行っていたことが背景として指摘されています。なぜ「乗り換え」かというと、かんぽ生命は保険金の上限額が2千万円と決まっていて、新旧の契約を併存させにくいためです。このため、新旧の契約に切れ目が生じるという課題があった、と日経が報じています。

www.nikkei.com

かんぽ生命については更に、契約の乗り換え時に、顧客に半年以上にわたって新旧契約の保険料を二重払いさせていた事例が約2万2千件あることも発覚しています。こちらは、旧契約を半年以内に解除すると郵便局員の手当が半分になることから、半年超にわたって、新旧両契約の保険料を支払わせて、自分の手当を確保していた可能性が指摘されています。

保険料 故意に二重払い かんぽ生命、2万2000件で :日本経済新聞

国有だから、手足を縛られている、ゆうちょ銀行とかんぽ生命

なぜ、こんな話が相次ぐのでしょうか。日本郵政グループが、官とも民ともつかない、中途半端な状態にあることが最大の問題です。

ゆうちょ銀行と、かんぽ生命保険は、どちらも、日本郵政グループを通じて、政府が未だに株式を保有しています。政府は現在、日本郵政株を57%保有しており、日本郵政はゆうちょ銀の87%、かんぽ生命の89%の株を保有しています。

政府は今年から日本郵政株の追加売り出しを始めていますが、郵政民営化法で、3分の1超は保有が義務付けられています。この決まりは、民主党時代に出来て、安倍第二次政権も引き継いでいるものです。

 

日本経済新聞2019年4月10日記事より引用)

郵政民営化、形から 政府保有株を追加売却へ :日本経済新聞

このように、日本郵政は、実は未だに過半数の株を国が持つ国有企業です。ゆうちょ銀とかんぽ生命の株式売却について、期限は定められていません。小泉政権時代に出来た郵政民営化法では、2017年9月、つまり一昨年9月には、この金融二社の株式を全部売却する予定だったのに、民主党政権がこの期限を撤廃してしまったからです。そして、政権を取り戻した第二次安倍政権も、郵政民営化法はそのまま引き継いだので、ゆうちょ銀も、かんぽも、完全民営化の目途は全く立っていませんし、安倍政権は、目途を立てるつもりもありません。

郵政民営化法とは 金融2社株、売却期限なく :日本経済新聞

この結果、何が起きているか。ゆうちょ銀も、かんぽ生命も、実質的に国有のままなので、出来る業務範囲が厳しく制限されているのです。

ゆうちょ銀は、銀行という名前がついているのに、貸出業務が自由に出来ません。地域の郵便局のネットワークが強みというはずなのに、地域金融での仕事が出来ず、仕方なしに運用で儲けようとしています。だから無理な投信販売をやろうとして、今回のような羽目になるのです。その運用についても、現在の低金利で極めて厳しい状況が続いており、国債を売って外債を買い続けています。資金調達はほとんどが国内の郵貯のみですから、大きな為替リスクを負っていると言われています。

weekly-economist.mainichi.jp

また、かんぽ生命については、先に述べた通り、保険金の上限が2000万円と決まっています。これも、国有であるから課せられる制限です。この制限のため、民間の保険会社のように、スムーズに新契約に移行する「転換」ではなく、いったん解約するような「乗り換え」方式をとっており、これに販売する郵便局員の手当による誘因もからんで、大問題になってしまいました。

国有なのに、全特の圧力で郵貯限度額の引き上げ

以上が、日本郵政が「国有だから」制限されている話でした。ところが最近、郵政は「国有なのに」民間同様に、業務範囲を拡大させるという、全く理屈に合わない逆コースのことが起きてしまいました。それが郵貯限度額の引き上げです。

先ほど書いた通り、郵政が「国有だから」受けている制限の一つに、郵便貯金の限度額があります。これが、以前は1300万円だったのに、なんと2倍の2600万円まで引き上げられてしまいました。

理由は、以前も本ブログで書いた通り、今回の参院選のためです。全国郵便局長会(全特)の票がほしい自民党は、全特とその利益を代表する議員・柘植芳文氏に言われるままに、限度額引き上げに応じました。

柘植芳文氏は、全特の組織内候補として、2013年の参院比例選で、自民党から出て党内トップの約43万票を獲得し、今年の参院選にも出ています。柘植氏は昨年末から、麻生財務大臣参院幹事長の吉田博美氏に、ゆうちょ銀行の限度引き上げについて、働きかけを続け、「道筋がつかなければ団体に顔向けできない。私は次の選挙で出馬しませんよ」と脅した結果、党の会議で異論は出ず、わずか15分で引き上げが了承されました。

日米貿易交渉を、国内改革に利用すべき。農業はTPP以上に自由化し、サービス分野で、ゆうちょ銀行等の完全民営化を! - 日本の改革

この柘植氏が全特の会長だったのが2007年から2012年ですから、ちょうど第一次安倍政権が終わる頃から民主党政権の頃に重なります。この間、民主党が連立を組んだ国民新党を通じて、全特は政権に圧力をかけ続け、小泉郵政改革を全否定する、現行の郵政民営化法を作らせてしまいました。

だから、今日の郵政の混乱と、郵便局員に騙された高齢者の被害の責任は、今回の参議院選挙の候補者である、柘植芳文氏にあります。

小泉改革通りの完全民営化の即時実施を!

ゆうちょ銀には貸出禁止、かんぽ生命には上限2000万円、こうした制限は、国が株式を持っている限り、必要なものです。民間金融機関に比べて、国有の会社が全く自由な営業が出来るのでは不公平に過ぎて、民業を大きく圧迫し、長い目で競争をなくして国民の利益を害するからです。こうした不都合をなくすためには、小泉政権で決めたような、完全民営化、つまり金融二社の株式100%売却が必要です。

また、柘植芳文氏がやったような、ゆうちょ銀行とかんぽ生命に対する、あらゆる不当な政治的圧力を排除する必要があります。

いずれの理由からも、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の完全民営化を、即時に行うべきです。