日本の改革

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維新の文通費、政党支部への寄付は問題ないが、区分経理等で一層分かりやすく!今後は、実費精算導入の議員立法を!

党首討論で、共産党が維新の文通費公開方法を批判して以来、ネット上には維新議員による政党支部への寄付の領収書が上がり続けています。政党支部の支出は全て公開されるから問題ないとは言え、より分かりやすく、公開すべきです。将来的には、実費精算制度に改革する議員立法も行うべきです。

共産党が維新に噛みついてブーメラン

維新の国会議員の発行した領収書が、ネット上に数多くアップされています。結論としては合法的で問題ないものですが、イメージダウンを狙ってのアップですし、効果はゼロでもないでしょう。

きっかけになったのは、日本記者クラブ党首討論です。

維新の身を切る改革について、共産党の志位氏が維新の松井氏に、維新の文書通信交通滞在費の領収書公開について、批判しました。松井氏が、「共産党は文通費の領収書を公開すると2年前の選挙のときに言ったのにやっていない」と批判したら、「維新の議員は文通費を政党支部に寄付して、寄付の領収書があるだけだ」と反撃する一幕がありました。志位氏は維新の杉本議員の領収書(100万円全額寄付)まで持ってきて、用意周到なことでした。

【参院選党首討論】共産志位氏、維新松井氏に「身を切るのが好きなら政党助成金を返上したら」

これについては、既に松井氏が反論しています。政党支部に寄付すれば、使途は全て公開する義務を負うので、政党支部全体の使途の一部として、文通費の分も公開される、だから問題ない、ということです。

松井氏の参院選第一声から引用します。

共産党と徹底的に議論もしたが、僕は身を切る改革。志位さん約束したじゃないか。文書通信交通滞在費の領収書公開。2年前に衆院選の総選挙、僕が言ったら志位さんがやると言ったの。結局、2年たって出て来たのは、自分たちで勝手に作ったメモ一枚。自分が作成したメモ一枚でオープンにしていると。明らかにしているじゃないか。そんなメモ一枚何ぼでも鉛筆なめなめで書けるわけだ。

 それ言うと維新の会は文書通信交通滞在費、余ったものを自分たちの政党の支部に寄付しているじゃないかと言う。

 政党支部というのは、政党支部からお金を使うとき、全部1円から領収書公開なんだ。政治資金規正法の中で。この領収書の公開をごまかしたのは前堺市長の竹山(修身)さんだけ。維新の会は領収書のごまかしはしてない。そこに領収書付いている。同じことやったらいい彼らも。

mainichi.jp

これは松井氏の言う通りです。

共産党は、参院選公示直前の先月末、6月28日に、党のウェブサイトで「文書通信交通滞在費の2018年の使途」という文章を発表しています。それによると、文通費は国会議員団の「共同管理」にしているということで、要は、党に寄付させてプールしているのでしょう。使途については、「文通費の主旨をふまえて活用し、人件費と選挙には使っていない」としていますが、「会計処理はすべて領収書と伝票に基づいて執行、保管している」とは言うものの、肝心の領収書も伝票もネットに公開していません。使途について、党で作った一枚紙だけをネットに載せています。

www.jcp.or.jp

これでは、維新議員の領収書まで持って、張り切って党首討論に臨んだのに、返り討ちにあって、ブーメランが当たった形です。

維新は文通費公開をもっと分かりやすく!実費精算導入の議員立法を!

以上のように、共産党の批判に対して、維新は反論が可能です。ただ、今後は、文通費の使途公開のやり方を変えるべきだと思います。本当は選挙戦真っ最中の今だからこそ、文通費についてこう変える!と言った方が良いと思いますが、仮に、共産党に言われて変えたという形がまずいならば、選挙後でも構いません。

共産党は、自分達は領収書を公開せずに言うのだから、維新を批判しても説得力がありません。しかし、国民から見れば、この文書通信交通滞在費という制度は、極めておかしなものです。

このカネについては、国会法38条に定められています。

「議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより手当を受ける」

という規定で、「公の書類を発送」したり、「公の性質を有する通信をなす」ためのように見えますが、「等」がついているため、何に使ってもいいと解釈されています。

国会法

結局、名前こそ「文書通信交通滞在費」でも、実際は使途に制限のないお金です。無税の歳費と言ってよいもので、使途公開の義務もありません。これを政党支部に寄付すれば、一円からの公開が義務付けられるのだから、ブラックボックスのままなのがはるかに分かりやすくなって、情報公開として何ら問題ない、というのは分かります。

しかし、国民から見ると、「維新は文通費の使途を領収書とともにネットで公開します!」と言われたら、それこそ、文書費、通信費、交通費、滞在費等の領収書が見られると思うでしょう。ところが一部の議員については、文通費のかなりの部分について、政党支部への寄付の領収書、名前だけ見れば「自分から自分への寄付」に見える領収書がアップされています。これでは、「文通費の」使途が分からない、と国民には感じられるでしょう。

現に共産党は、実は問題ないと分かっているのに、そこを突いてきました。今では、杉本氏だけでなく、維新議員の政党支部への寄付に係る領収書が、ネットに大量にアップされ、反論は追い付かずに維新のイメージだけが落ちています。

また、このカネは、名前こそ「文書通信交通滞在費」ですが、国民は、このカネの名称から、文書費、通信費、交通費、滞在費、関連する雑費だろう、と思うでしょうが、実は使途には制限はありません。ここも、国民の納得は得にくいところです。

国会法38条の文言を見ても、文書通信費が想定されている書きぶりです。しかし、現状では、「文書通信のためという言い方なら国民にも通りが良いだろう」ということで、公のための文書通信のためのように書いたままにしておいて、実際にはつかみ金になっています。もう、この制度自体を変えるべきです。

維新がこの問題を最初に提起したのは、2014年、江田憲司氏らといっしょに「維新の党」を作ったときでした。

私は品川の結党大会で、当時の党代表だった橋下氏が、文通費の使途公開をすべきだ!とぶち上げたときのことを、よくおぼえています。司会は清水貴之議員でした。橋下代表の、文通費の使途公開を訴える火のような挨拶の後、清水氏はユーモラスに言ったものです。

「えー、前の方の席(国会議員が座っていました)、大丈夫でしょうか、だいぶ元気がなく見えますが」

これに対し、参加いただいた支持者の皆さんは、橋下氏の挨拶に、拍手大喝采でした。メディアも、好意的に取り上げていました。橋下氏嫌いの朝日でさえ、以下のアエラの記事などで、よく見ると好意的な紹介をしています。記事は、直接的には党内の不満を紹介する形ですが、最後に、国会議員と橋下氏のその後のバトルを見越して、こんな風に書いています。

国会議員側は橋下氏への“対抗策”として、文通費を資金管理団体に寄付し、郵便代や交通費以外にも幅広く使えるようにすることを検討しているという。

 一方、橋下氏は文通費の減額も示唆するなど、改革意欲はとどまるところを知らない。公費の透明化を巡る橋下氏と国会議員のバトル。果たして勝つのはどっちだ。

dot.asahi.com

どう見ても、「改革意欲はとどまるところを知らない」橋下氏を応援して、国会議員に勝ってほしい、という書きぶりです。

あれから5年が経ちました。当時のアエラが書いていたのと同じことを、維新の国会議員達がやっています。それでいいじゃないか、情報公開が進んだんだから、というのはもちろん一つの割りきりです。

しかし、せっかく文通費を公開し続けても、それが当然となってしまえば、国民には改革姿勢がもう伝わらなくなっています。もともと文通費の制度自体がおかしいのですから、共産党のデマ攻撃で突っ込まれるスキまで作り、「違法ではないから問題ではない」という、既得権者と同じ言い訳をせざるを得なくなっています。

改革に終わりはありません。橋下氏は、文通費の削減等も検討していました。まず、文通費での支出が許される経費の種類を明示して、維新の文通費公開サイト(以下リンク)で、支部に寄付した後の使途の内訳についても、領収書付きです。

o-ishin.jp

そして、毎月100万円が自動的に支給される制度を、事後的な実費精算制度に改めるよう、議員立法をするべきです。もし可能なら、他党のおかしな使い方をメディアといっしょに暴いたうえで、実費精算制度への移行を訴えれば効果的でしょう。そこまでやれば、文通費について、維新の身を切る姿勢が、橋下氏が代表の頃のように、再び国民の共感を得られるようになるはずです。