日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

連合の神津会長が「連合は原発推進派ではない」と大嘘。傘下の電力総連等は、経団連同様、原発再稼働も推進、石炭火力発電も推進で、国民民主党を拘束。

連合の神津会長が、連合は原発推進派ではない、と主張。しかし、傘下の電力総連等は、国民民主党の議員とともに、政府に原発再稼働の要請を政府にしています。電力総連等は、カーボンプライシングにも反対する要請を政府にしており、石炭火力発電も推進の立場です。電力総連等の言いなりの国民民主党の支持率が上がらないわけです。

連合の神津会長のブログを見て「おやっ?」と思うこと①:消費税増税について

連合の神津里季生会長が、ブログをやっています。タイトルは「神津里季生の「おやっ?」と思うこと~労働組合とメディア論」。今日は、このブログの直近の記述を見て、私が「おやっ?」と思うことを挙げてみます。

神津氏は、6月20日と7月1日の2回にわたり、連合への「よくある疑問」に答える、として、連合への批判に対して、反論しています。

まず、6月20日のブログです。報道で政治ばっかりやっているような取り上げられ方は心外だ、と言っています。地道な労働運動をちゃんとやっているという趣旨のようで、まあそれはそうでしょう。

imoriki.hatenablog.com

問題は、消費税増税についてです。「連合は消費増税をよしとするのか?」という疑問に対し、神津氏は以下のように答えています。

立憲民主党と国民民主党が消費税率10%への引き上げに反対しているのに、連合は「消費税率の引き上げは着実に実施すべきであると、かねてより主張している」ので、疑問はもっともだ。一方で、両党と連合は昨年11月に政策協定を結び、中長期的な問題意識は共有している、と神津氏は主張します。

そして、政府の軽減税率やポイント制を批判した後、「政治家の皆さん」は「負担と給付の将来像」を示せ、と説教しています。

そして、「仮に消費税が10%になって、それ以降はどうなるんですか? その姿は明示されていないではありませんか?」と言って、更なる消費税増税を主張するのかと思ったら、正面からは言わず、「必要な財源を確保するためには、消費税以外にもいろいろやるべきことがあります」として、金融所得課税や資産課税を挙げています。

消費税が10%になった後、必要な財源を確保するために、「消費税以外にも」やることがある、と言っているのだから、消費税増税は当然やるべき、ということです。つまり、消費税は10%を超えてもっと上げるべきだけれど、「消費税以外にも」やることはある、と言って、消費税増税という自分達の主張をオブラートに包んで見えにくくしています。

まるっきり、「政治家の皆さん」と同じ言い方ですね。国民を騙すような言い方で、もっとはっきり消費税増税を言え、と政治家に要求しています。組織内候補に対して言うならともかく、すべての政治家に説教する前に、自分達がもっとはっきりと、消費税10%超の増税を主張すればいいではないですか。

以前、このブログでも書きましたが、去年、連合が官房長官に手渡した「2019年度連合の重点政策」には消費税を上げろと書いてありましたが、今年同じく官房長官に手渡した「2020年度連合の重点政策」には、消費税という文字さえありません。選挙の年だから、国民に連合の姿勢を隠そうとしています。そもそも労働組合が消費税を上げろと言うのが論外ですし、それを政治家が言わないと言って批判する資格など、連合にありはしません。自分達も牙を隠しているのですから。

連合が自民党に消費税を必ず増税しろと要請。国民に牙をむく労働団体・連合の組織内候補は落選させましょう! - 日本の改革

連合の神津会長のブログを見て「おやっ?」と思うこと②:エネルギー政策についての言行不一致

さて、次に、7月1日のブログです。6月20日の消費税増税についてのブログでは、それでも、一応は増税に賛成という立場を言ったうえで、最後に誤魔化した言い方をしているのですが、7月1日の原発政策に関するブログでは、はっきりと大嘘をついています。

神津氏のブログから引用します。

連合はときどき「原発推進派」のレッテルを貼られます。全くの誤りです。連合はあの東日本大震災福島第一原子力発電所の事故という事態を受けて、およそ半年間の大議論の末に、「最終的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざしていく」ことを組織全体の政策として確認しています。一部のメディアや政治家は「電力総連をはじめとした関連産業の労組を抱える連合は原発推進派」という決めつけを好んで行うようですが、まったくもっておかしな話です。

imoriki.hatenablog.com

連合が「最終的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざしていく」ことを「組織全体として」決めていることは事実です。直近の一番詳しい政策文書は「2020~2021年度 政策・制度 要求と提言」(2019年7月~2021年6月)ですが、その51ページに

「中長期的に原子力エネルギーに対する依存度を低減し、最終的には原子力エネルギーに依存しない社会をめざすための政策を推進する」

とあります。なんとも抽象的で曖昧、本気度は伝わらないものの、「最終的には」原子力エネルギーに依存しないようにする、ということは書いてあります。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/seisaku_jitsugen/data/yokyu_teigen2020.pdf?0614

 

また、この「2020~2021年度 政策・制度 要求と提言」には、温暖化防止についても、弱者への経済負担が出来るだけ増えないように脱石炭を進める「公正な移行」を目指す等、先進的な環境政策についても、ふれられています。この政策は、欧州から世界に広がりつつあり、日本でも是非採用すべきです。例としては、欧州で緑の党が主張する、炭素税の税収を一時金として市民に還元する「炭素税・配当」モデル等があります。

www.nikkei.com

このように、原発政策でも、温暖化対策でも、連合が「組織全体として」決めた政策文書には、一応は立派なことが書いてあります。問題は、それを連合が守っているのか、特に、連合傘下の産業別組合が守っているのか、です。

今年3月、電力会社の労働組合「電力総連」など産業別労組3団体が、国民民主党の衆参5議員とともに世耕弘成経済産業相に会い、原発再稼働の推進を求めています。連合が「組織全体として」原子力エネルギーに依存しない社会を目指すと言っても、実際には、連合を構成する労働組合が、真逆の行動を国民民主党の議員とともに行っています。

国民民主党について言えば、参院選の公約に、「2030年代を目標として、できるだけ早期に原子力エネルギーに依存しない社会(原発ゼロ社会)を実現」とあるのに、公約に矛盾した行動を議員がとっています。

そのような行動を国民民主党議員にとらせているのは、電力総連等の連合傘下の労組であり、その責任は連合に帰属します。

電力総連などが再稼働要望=訂正・おわびあり:朝日新聞デジタル

原発地球温暖化防止のために必要だ、と言われ続けてきました。経団連等も、同じことを言っています。

では、電力総連(と電機連合基幹労連)は、火力発電には抑制的かと言うと、全然そんなことはありません。むしろ、炭素税等のカーボンプライシングには反対(「慎重な検討」)だ、という要請を、国民民主党の議員とともに、世耕大臣に行っています。「公正な移行」どころか、「移行」自体に反対の姿勢です。電力総連等三労組が国民民主党の議員にこうした行動をとらせている責任も、もちろん、連合にあります。

参議院議員 小林正夫の活動日誌

要は、連合は、原発政策にせよ、温暖化政策にせよ、全く言行不一致なのです。連合の「組織全体」としては、脱原発や「公正な移行」を目指しますと言いながら、連合を構成する枢要な労組が国民民主党議員とともに、原発再稼働や炭素税等のカーボンプライシング反対と、政府に要請することは放任です。脱原発もしない、カーボンプライシングに反対して脱石炭もしない、このやり方は、経団連と全く同じです。

連合や電力総連等が、電力会社や重電メーカーの労働者の生活を考えないといけないのは分かります。しかし、中長期的に国全体の利益を考えるより、目先の労働者の生活が優先の組織だというなら、脱原発や温暖化対策をやっています、などと、大嘘を言うのはやめるべきです。この大嘘、言行不一致が国民民主党を縛っています。同党の支持率がさっぱり上がらないのも当然です。