日本の改革

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実はトランプ政権発足時から検討されてきた訪朝プラン。今後の米朝協議は核開発凍結止まり。日本はミサイル防衛の技術開発加速を!

トランプ大統領が、歴史的な訪朝。交渉での成果獲得と国内世論向けに長期間準備していたようで、今後の協議での交渉目標は、核開発の凍結になりそうです。日本は、北朝鮮が核保有国として事実上認められることを前提に、ミサイル防衛での新技術開発とアメリカからの装備購入を急ぐべきです。

トランプ大統領の訪朝に向けた周到なプラン。各協議の目標は核開発凍結に格下げ?

トランプ大統領が現職大統領として初めて北朝鮮を訪問、金正恩と首脳会談を行い、中断していた米朝の核協議の再開で合意しました。

jp.wsj.com

両首脳は、ツイッターで呼びかけたとかツイート見て驚いたとか言っていますが、当然、はるか以前から周到に準備されていたようです。数週間前から、という報道はいくつか見ましたが、一番すごいのはポリティコの記事で、なんとトランプ氏は就任当初から二段構えの訪朝を計画していた、と報じています。

ポリティコによれば、トランプ氏の訪朝は既に就任1年目の2017年から、しかも、二回連続で訪朝する形で、政権発足の最初から計画されていたようです。最初は邪悪な敵である北朝鮮に対峙するヒーローとして板門店に行き、次は同じ場所で笑顔で金正恩と握手をして両国の将来に語り合うという、二段構えの演出です。第一回目の訪朝は悪天候のためにヘリが着地できなかったので実現しなかったけれど(1時間も上空でねばったとか)、今回、第二回目はめでたく予定通りに実現した、ということです。

交渉の方法としては、最大限の圧力をかけた上で有利な交渉結果を得ようということで、それは結構なことです。

ただ、ポリティコに言わせれば、これはもちろん国内の選挙戦向けのショーでもあって、まずは自分で戦争の脅威を高めるポーズをして、北朝鮮に「世界が見たこともない炎と怒りにみまわれるだろう」などと言っておいて、その後で一転して笑顔で握手をして、「戦争の危機を回避した偉大な大統領」を演出しようとした、と言う話です。

これが政治的にうまいやり方なのは確かです。緊張もその後の緩和も劇的にしておけば、たとえ交渉でうまくいかなかったとしても、有権者には最後の緊張緩和が強く印象付けられるでしょう。核兵器をめぐるぎりぎりの交渉で結果が得られるかどうかなど分からないのですから、国内世論の支持を得続けながら北朝鮮と交渉するためには有効なやり方です。

ただ、もしも圧力をかける段階で最初から交渉で何も得られないと分かっていたなら、このやり方はマッチポンプ、自作自演にすぎない、ということになります。

www.politico.com

では、今後の米朝の核協議では、どんな結果が得られるのでしょうか?

ニューヨーク・タイムズによると、トランプ政権が今考えているのは、実は核開発の凍結止まりで、現状維持を続けて、北朝鮮を暗黙のうちに核保有国として認める、というプランだと言います。これはトランプ政権が否定し続けてきたもので、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」という目標とは全く違うものです。新たな核開発がなかったとしても、既に保有しているとされる20~60発の核弾頭はそのままです。

もう完全な非核化など難しいので、まずは核開発を凍結させることを目標とした協議を始めようとしている、ということです。前回の協議ではニョンビョンでの核開発だけをやめると言ってアメリカが蹴ったので、今度は北朝鮮の担当者に、「ニョンビョン」の定義を広げさせて(笑)、事実上すべての施設で、新たな核開発ができないようにする、というのがゴールのようです。北朝鮮政策特別代表のビーガン氏は、この見方を否定していますが、恐らくはこのあたりを落としどころにしているのでしょう。

www.nytimes.com

核開発の凍結止まりでもやむを得ない、日本はミサイル防衛の技術革新の加速を!

では、核開発凍結が新たな目標だっとして、それは、望ましいことでしょうか?

私は、やむを得ないことだと思います。核実験を公然と行って核保有国となった国を、これまで非核化させた例はありません。北朝鮮は既に「非公認の」核保有国であり、その現実を暗黙のうちには認めたうえで、新たな核開発は行わせないという一点について完全、検証可能、不可逆的な合意を目指せばよいと思います。それでも合意違反をするでしょうから、表向きは全ての核兵器・核開発能力の完全廃棄の旗は降ろさず、そこは中長期目標として一応は掲げ続け、既存核兵器について危険な動きがあれば、制裁も可能な形にはしておければ、なお良いでしょう。ニューヨーク・タイムズも、核凍結については、それなりの理解を示しているように見えます。

問題は、今回の訪朝とその後の核協議の結果が核開発凍結止まりだとして、日本はどうすべきか、ということです。

日本政府は、日朝首脳会談の後押しになることを期待し、今回の訪朝を歓迎しています。

政府、米朝首脳会談を支持=「日朝」後押しを期待:時事ドットコム

日本としては、拉致問題の解決はあらゆる機会をとらえて目指すべきですし、とりあえずはそう言うしかないでしょう。ただ、安倍総理の目指す日朝首脳会談は、それこそ成果が得られる見通しがなく、それどころか開催の見通しもないことを総理自身が認めています。また、今回の米朝首脳会談は、現時点では核についての協議再開を決めただけなので、拉致問題についての見通しはやはり立っていません。

本ブログで言い続けてきたことですが、日本は、北朝鮮が事実上の核保有国となってしまっている事実を前提に、北朝鮮からの核攻撃を無力化するようなミサイル防衛システムの独自開発を急ぎ、既にアメリカで開発された新技術による装備品の購入も急ぐべきです。

北朝鮮の核ミサイルを無力化するには:独自のミサイル防衛完成、集団的自衛権拡張、「国民の、国民による、国民のための」国防の実現 - 日本の改革

必要なのは核武装ではなく、核ミサイルの無力化:アメリカのミサイル新戦略と日本 - 日本の改革

北朝鮮、そしてもちろん中国の核ミサイル攻撃は、確実に、しかも実現可能なコストで、防がなければいけません。日本の核保有は不可能ですし、残る選択肢はミサイル防衛ですが、現行のシステムは費用がかかり過ぎるうえ、効果も不確実なうえ、多数のミサイルを撃ち込まれる飽和攻撃にはお手上げです。

実現しつつある現実的な新技術は、やはりレールガンやレーザー兵器によるミサイル防衛でしょう。これはこれで、膨大な電力が必要なのがネックと言われ続けてきたようですが、既に米空軍が、戦闘機からレーザー兵器でのミサイル迎撃に成功しており、電源の小型化、消費電力と廃熱量の大幅削減を達成しているよるようです。

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こうした新技術を、日本独自でも、日米独自でも開発を加速し、米空軍のように実用化しつつあるなら、早急に移転(購入)を米政府と話し合うべきです。中長期的には、今後も日米で北朝鮮、中国のミサイル防衛のための技術協力・移転を進めるには、日米安保条約について、両国政府はもとより、両国民の信頼関係を築くことが欠かせません。トランプ大統領が繰り返し表明する日米安保の防衛義務に関する片務性を、日本政府は課題として認め、見直しをしていくべきです。