日本の改革

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骨太の方針2019、閣議決定:2021年にまた消費税増税検討という、去年の骨太方針を踏襲。早ければ、2022年度から消費税率は10%超へ。

3日前に閣議決定した骨太の方針2019、一番のミソは、2021年度に更なる消費増税等の議論を始めるという「骨太の方針2018」をさらっと踏襲していることです。早くて2022年に、消費税率の10%超えを決定しようとしています。

骨太の方針2019への各紙の反応。ほとんどが、「もっと負担増が必要」一辺倒

骨太の方針2019(経済財政運営と改革の基本方針2019)が、6月21日に閣議決定されました。今秋の消費税増税が明記されたことが話題になっています。高橋洋一氏は、原案が示される直前に、まだ延期の可能性があるようにも書いていましたが、そうはなりませんでした。さすがにもう延期はないでしょう。

www.zakzak.co.jp

が、大事なのは、今秋の消費税増税だけではありません。とりあえず、骨太の方針2019に対する、各紙の反応を見てみます。ほとんどの新聞が、社会保障改革をもっとはっきり書け、消費税増税について書かないのはけしからん、という論調です。これが、政府は本当は増税をする気なのに、参院選を考えて書かないのはおかしい、という批判なら分かります。しかし、新聞はどこも消費増税に賛成なのですから、骨太の方針で政府が言えないことを代弁しているように見えてしまいます。

一番厳しいのは、朝日の社説でしょうか。引用すると、

「給付を抑えるための施策と、必要な財源を確保するための税や社会保険料の引き上げのバランスを、どうとるのか。負担の論議から、いつまで逃げ続けるのか。
 そもそも、10月の消費税率10%への引き上げは、財政の土台に開いた穴を埋めていくための一歩に過ぎない。」

(社説)骨太の方針 負担論議から逃げるな:朝日新聞デジタル

まるで財務省の中の人が匿名で書いたような調子ですが、とにかく、社会保障改革とはおおむね負担増のことだ、負担増とは消費税増税のことだ、それを書かないのはけしからん、という書きぶりです。

産経はこうです。

「だが総じていえば、負担増などの痛みを伴う改革について具体的な言及はほとんどない。むしろ、世論受けしそうな政策ばかりを並べた印象である。これでは「骨太」というより「骨細」ではないか。」

【主張】骨太方針 改革断行する原点に戻れ - 産経ニュース

こちらも、負担増を言わないのがけしからん、という論調です。毎日も同様です。

社説:安倍政権の「骨太の方針」 形骸化が一層進んでいる - 毎日新聞

一方、読売は負担増に関する議論には、一切ふれていません。成長戦略が迫力不足、という論調です。自民を応援することの多い読売は、政府が参院選向けに負担増の議論から逃げた、と言われたくなかったのかもしれません。

成長戦略 民間の挑戦促す原点に戻れ : 社説 : 読売新聞オンライン

既に骨太の方針2018に、次の消費増税の時限爆弾が仕掛けてある。今年はそれを踏襲

さて、一番気になるのは日経の社説です。成長戦略を批判した後、やはり負担増に関する主張をしています。言っていること自体は、朝日、産経、毎日と同じようなもので、政府はもっと負担増について書け、というものです。

「当面の課題は、団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる22年以降に増大する医療など社会保障費をどう抑制するかだ。この問題については「20年度の骨太の方針で、給付と負担のあり方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策をとりまとめる」と具体策には踏み込まなかった。」

www.nikkei.com

こう言って批判しているのですが、去年の7月に、日経は、骨太の方針2018に、更なる消費税増税について記載された、と書いていました。そして、その部分について、今年の骨太方針2019は踏襲しているのです。だから、消費増税に賛成する日経としては、今年の骨太の方針2019を叩かなくても良さそうなものです。

去年の7月16日、日経紙上で、解説委員の清水真人氏は、骨太の方針2018につき、こう書いていました。去年の骨太につき、2021年度に消費税増税について検討を行い、2022年度以降に消費税増税の実施と読める、なぜ2022年からかと言うと、2021年9月に安倍総理自民党総裁任期が切れるからだ、と書いています。

「新財政健全化計画では「中間時点(21年度)で評価を行い、25年度PB黒字化実現に向け、その後の歳出・歳入改革の取組に反映する」とうたう。社会保障改革の先行きが見えた時点で中間検証し、必要なら増税も含む追加策を検討するという含意だ。改革による負担増も増税も実施は22年度以降。21年9月に総裁3期の任期満了となる安倍の退任後、というのがミソだ。」

www.nikkei.com

骨太の方針2018を見ると、確かに、そのように書いてあります。下に張り付けた画像の本文一番下の段落です。

f:id:kaikakujapan:20190624175551p:plain

出所:内閣府

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/2018_basicpolicies_ja.pdf

骨太の方針という文書の最も重要な特徴は、複数年度にわたって政府の財政運営を拘束する、ということです。したがって、数年後、特に3年後に何をするか、ということを書いたこの部分は、特に重要な意味を持っており、これに沿って今後、政府は必ず検討を行うことになります。

上に引用した部分では、20年の「骨太」で「給付と負担の在り方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめ」たうえ早期に改革の具体化を進める、ということも書いています。

こうした方針については、骨太の方針2019でも、以下の通り、踏襲されています(本文63ページ)。真ん中の(給付と負担の見直しに向けて)という項目で、骨太方針2018(及び改革工程表)に沿って検討を進め、骨太の方針2019で、給付と負担に関する政策を決める、と明記されています。

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出所:内閣府

 

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2019/2019_basicpolicies_ja.pdf

 

毎日も、社説では、負担増の議論がないと言っていますが、検証記事では、「将来の負担増と給付減に向け、伏線となる記述」として、上に引用した「来年度の骨太方針で給付と負担のあり方を含め社会保障の総合的かつ重点的に取り組むべき政策を取りまとめる」という部分を挙げています。2021年の本格的な消費税増税検討に先立って、2020年で既に頭出しを行うことにしています。

mainichi.jp

自民党も、公明党も、旧民主党系の野党も、メディアも、みんな更なる消費税増税に賛成

ということで、既に昨年の骨太の方針2018に、2021年度から次の消費税増税について検討すると書いてあります。すると、一番早ければ、2022年度から、消費税はまた増税です。今年の骨太の方針2019でも、この方針を踏襲して、来年の骨太の方針2020で政策を決める、と書いています。具体的には、2021年度からの消費税増税の「検討開始」と社会保障の給付・負担との全体像を決める、という形になるでしょう。

自民、公明は、この方針を既に決めています。旧民主党系の野党も、表で言うかどうかの違い(立民か国民民主かの違い)はあるにしても、本音ではこれに賛成でしょう。消費税増税論者ばかりですから。

そして、マスメディアは、骨太の方針2019に関する報道ぶりを見れば分かる通り、相変わらず消費税増税には賛成です。

せめて日本維新の会くらいは、今年と去年の骨太の方針で、政府・与党が更なる消費税増税について、もう検討・決定の時限爆弾を仕掛けている、こんなことは許せない、国民に分からないように抽象的な文言でだまして、「既に決めたことです。公表もしたでしょ?」と、来年になって、あるいは早速、参院選後に舌を出そうとしている、ますます許せない、と言って、批判するべきです。