日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

日本が日米欧のリーダーになる大チャンス!日米・米欧の貿易摩擦回避のため、日本は率先して農業市場の開放を!

今日の要点

・日米欧の通商閣僚は、中国を念頭に、産業補助金や強制技術移転への規制強化で合意し、対中での結束は進みつつあります。しかし、アメリカは自動車の追加関税は留保しており、日米・米欧の貿易摩擦は再燃する可能性があります。日本は率先して、アメリカとTPP11諸国と欧州に対して、更なる農業市場の開放を行うべきです。それでアメリカも振り上げた拳を下ろせるはずです。

対中で日米欧の結束強める日米欧。相次ぐファーウェイの技術窃盗報道も追い風。日米欧の更なる結束のため、日本は農業市場の更なる開放を!

トランプ大統領が来日中です。スピーチではより公平な貿易が必要だと釘を刺していますが、トヨタ自動車豊田章男社長にもリップサービスをしたり、とりあえず愛想良くしています。

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今回の訪日では、貿易交渉については大した進展はないと見られています。トランプ氏も、日米貿易について「数カ月以内に大きな発表を」と言っているので、訪日中に何か約束しろと言う無茶ぶりはないのでしょう。

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一方、OECD閣僚理事会と並行して行われた協議で、日米欧の通商閣僚は、中国を念頭に、産業補助金や強制技術移転への規制強化で合意しました。

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現状では、日米・米欧の貿易摩擦については、日米欧が対中で結束することで小康状態です。この傾向は、しばらくは続くでしょう。このところ、日欧ともにファーウェイへの制裁を強めています。

また、ファーウェイのこれまでの技術盗用についても、報道が相次いでいます。ウォールストリートジャーナルに、ファーウェイ社員が既に2004年に、国際見本市で展示された機械の中身を無断で撮影していた印象深いエピソードから始まる記事が掲載されています。

その記事の中には、シスコのマニュアルがタイプミスまでそのままに盗まれてファーウェイで利用されていたことや、

 アメリカの政府当局が、ファーウェイのアメリカ支社の中に、盗聴不可能でアメリカ人社員が立入禁止の部屋を見つけたことが報じられています。おそらく、中国政府との連絡に使われているものと見られています。

 最後のケースについては、「米政府も盗聴してるんかい!」というツッコミはできますが、堂々と新聞に出ているから米国内法では合法的に行おうとしたことなのでしょう。

最近のケースでは、CNEXというシリコンバレーのスタートアップ企業(マイクロソフトとデルが支援)が、ファーウェイを技術窃盗で批判しているニュースが報じられています。

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こうした情報も、日米欧各国の政府当局や国民が、中国の知的財産侵害や強制的技術移転、産業補助金について、結束して反対する力を与えることでしょう。

一方、アメリカは、日本と欧州の自動車に対する関税を延期はしたものの、手段としては留保しています。安全保障上の脅威という主張をしており、その当否はともかく、日欧ともに、何とかこの問題を克服する必要があります。

ウォールストリートジャーナルは、日欧がアメリカと対立しつつ、中国には一応は一枚岩になっていることを、”Coalition of the Unwilling ”(日本語版では、『ふぞろいの「トランプ連合」』)と呼んでいます。記事から引用します。

 だが日欧米の「一枚岩」を歓迎する前に、トランプ氏がここにどうたどり着いたかを思い出してみよう。トランプ氏はこれまで同盟国と足並みをそろえてきたのではなく、むしろ冷たくあしらってきた。トランプ氏による中国との対決は、米国の法律やレバレッジ(交渉上の相対的優位性)を駆使して米国が抱く不満や優先課題に対処するという、概して一方的なものにとどまる。トランプ氏が同盟国に対する関税措置を後退させたのは、心変わりからではなく、それが時間もエネルギーも誠意も要し、ほぼ間違いなく思い通りにならない、微々たる結果しかもたらしていないからだ。

 その結果、トランプ氏は中国に対抗する意欲のある連合体を率いるのではなく、相反する感情を抱いた、不機嫌かつ怒りに満ちた連合体を率いていることになる。これは世界的な経済協力としては、ぜい弱な基盤だ。

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今後、日本と欧州が、アメリカとの自動車貿易問題を解決するには、どうすればよいのでしょうか?上で紹介したウォールストリートジャーナルの記事は、アメリカが関税という手段を振り上げれば、日本も欧州も同じことが出来る、そうして角を突き合わせるのがお互いの不利益になることが分かるように、WTO改革がカギになる、という結論のようです。

確かにWTO改革は必要ですし、有用でしょう。トランプ政権誕生を含め、現在のアメリカと日欧等の貿易摩擦の根本的な原因は、アメリカの国内世論にあります。自由貿易はもちろん守るべき大原則ですが、実際のところ、日本もヨーロッパもそれが不徹底な部分が多々あるので、単純に自由貿易を守るべきだと言ってアメリカの追加関税を批判しても、効果は薄いでしょう。国際機関の仲裁機能強化も、結局はアメリカ国内の世論や業界を動かすには不十分です。

欧州は、日本に比べてアメリカに強硬な姿勢です。ここは日本が、まず率先して、日本の農業市場を積極的に開放すべきです。まず、アメリカとTPP11諸国に対して、更なる関税引き下げ、輸入割当拡大、国家貿易制度の見直しを行い、それに伴い、欧州に対しても、決まったばかりの日EUEPAから更に踏み込んだ市場開放を行うべきです。

これにより、日米欧のそれぞれの貿易摩擦でリーダーシップを取ることが出来るでしょう。たとえば、欧州に一層の農産品市場開放を求めて、アメリカに対しては、日欧が農業で市場開放したのだから、アメリカは自動車について安全保障上の懸念があるという主張を再検討して引っ込める、というディールを持ちかけてはどうでしょうか。

日本は、中国に対する日米欧の”Coalition of the Unwilling ”を、”Coalition of the Willing ”に変える力を持っています。是非、リーダーシップを発揮するべきです。