日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

大阪自公の抱き付きの帰結⇒①都構想実現、②自公政権維持、安倍政権の憲法9条改正は「終了」。憲法改正は将来の橋下政権での統治機構改革から。

今日の要点

・大坂で自民と公明が都構想の賛成さえ検討。この抱き付き戦略で、

①都構想は実現するでしょう。「統治機構改革」の実現可能性が国民に示され、人口減少自治体の再編、大都市制度の改革、道州制の議論等が進むでしょう。日本全体の大改革が進みます。

②維新が公明議員を落とす「公明党壊滅作戦」は封印、国政の自公連立維持で、安倍政権の憲法9条改正は「終了」となるでしょう。一方、「統治機構改革」を軸にした憲法改正を行うにふさわしい総理候補として、橋下徹氏があらためて注目されるでしょう。

大坂自民・公明の抱き付き戦略

統一地方選で大阪の自民は惨敗、公明も常勝関西で議席減の敗北。

橋下徹氏は、都構想に協力しないと、関西6小選挙区の公明議員を維新が全員落として「公明党を壊滅」させるだろう、自民も公明より早く協力を、と呼びかけました。

その際、公明党が関西の小選挙区で負ければ組織全体がガタガタになる、自民は憲法改正に消極的な公明を切って、自民と維新で憲法改正、という見通しも示しました。

改憲「公明が妨げ」 首相へ協力 橋下徹氏、維新に促す - 産経ニュース

 衆参同日選の可能性もある中、こうした発信も奏功したのでしょう。自民、公明とも、大きく態度を変えました。既に、公明党の市議団は都構想の住民投票どころか、都構想自体に賛成に転じた、とのことです。

digital.asahi.com

自民党大阪府連会長が住民投票は賛成、都構想もゼロベースで再検討、と言い出しました。自民の大阪市議団は反対していますが、府連会長の渡嘉敷氏の決意は固そうです。

special.sankei.com

公明党がまた裏切るのではないか、自民党大阪府連が大阪市議団を抑え込めるか、まだ分かりません。が、抵抗したところで、しょせん彰義隊のようなもの。全体としては、大坂自民と大阪公明が、大坂維新に抱き付いて延命を図ろうとしている形です。この抱き付き戦略の影響を考えてみます。

①都構想の実現と全国へのインパク

まだ住民投票という高いハードルがあるとは言え、都構想がいよいよ実現するでしょう。大坂・関西圏へのメリットは言うまでもありません。インフラ整備をはじめとした大阪・関西全体の経済戦略が立てられるようになる一方、市民へのきめ細かい住民サービスが実現できるでしょう。

大阪都構想は何より、他地域、ひいては、国全体に、巨大なインパクトを与えるでしょう。これほどの改革が、現実に可能だということが全国に示されるからです。

まず、一つの市を、それも大阪市のように巨大な政令指定市を、解体して全く別の基礎自治体特別区に作り替える、というのが、空前絶後の大改革です。人口減少でもう維持できなくなっている多くの市町村で、自治体の再編の議論が現実味を持って進められるでしょう。

もちろん、他の大都市でも、制度の見直しが進むでしょう。東京都でも、都民ファーストの議員の中には、都区制度について問題意識を持っている人がいます。私自身は、都区制度もさることながら、そもそもの区割りも見直すべきでは、と感じています。各区の人口が違い過ぎて、たとえば、世田谷区は大きすぎ、千代田区は小さすぎます。都議会の一票の格差も大きいうえ、各区議会の当選に必要な票数も全然違います。そうした、「統治の仕組み」それ自体に着目した議論が、東京都でも活発になるでしょう。

他にも、370万人もの人口を抱えて教育委員会が一つ、しかも日教組が強い横浜市など、政令指定市の枠組み自体について、本格的な議論が進む可能性が出てきます。

そして、国と地方の関係について言えば、いよいよ道州制の議論が、本格的に国政上の課題となるでしょう。平成の大合併では、町村の「リストラ」がある程度進みましたが、都道府県という仕組みは、明治から令和まで、交通網が整備されようが、インターネットが出来ようが、全く変わっていません。国の権原・財源・税源・人材についても、地方への移譲は本当に遅々として進みません。

大阪で現実に大規模な政令市を再編させるような大改革が実現すれば、社会保障や教育、地域ごとの経済戦略は地域に任せて、国の外交・安保政策を強化する改革が、現実味を持って語られることになるでしょう。

公明党は「壊滅」を免れ、自公政権維持。憲法改正は安倍政権ではなく、橋下政権で。

大阪の自民公明が大坂維新に抱き付くことで、維新が脅しとして言っていた「公明党壊滅作戦」は封印されるでしょう。私は、橋下氏が言われていた、公明党壊滅の先の自民による公明切りは、正直、なかなかリアリティを理解できず、自民は公明を切れないだろうという趣旨のことを書いたことがあります。

大坂維新と違い、自民は公明を絶対に切れない:衆院選小選挙区で、公明票が2位候補に回れば、自民は60議席減(2017年の日経試算) - 日本の改革

いま、大坂自民も大阪公明も総崩れで、大坂維新に膝を屈しつつあるのを見れば、実際のところは、相当に現実味のある話だったのかもしれない、と感じています。だとすれば、もし、公明党があくまで突っ張るような愚かな選択をしてしまえば、本当に自民・維新あるいは、自公維の枠組みというのも、あり得たのかもしれません。

しかし、結果としては、公明党は白旗を上げつつあります。公明の比例票は減り続けており、中でも大阪の落ち込みぶりがひどかったこともあり、参院選衆院選が加わりそうな今年、市議のメンツなどこだわっていられなかったでしょう。

www.nikkei.com

公明党が、住民投票どころか、都構想にさえ賛成、と本当に確認できれば、維新は公明議員のいる関西選挙区に候補を立てないでしょう。手打ちです。すると、橋下氏の言っていた憲法改正の帰趨はどうなるか。橋下氏は、あっさりと、そのときは、安倍政権での憲法改正は「終了」だ、と言っています。5月2日放送AbemaTVでの御自身の番組『NewsBAR橋下』での発言のYahooでの書き起こしから引用します。

ただ、公明党と話がついて議席を譲ることになると、基本的には憲法改正は終了。公明党憲法改正のブレーキを踏むし、今とあまり変わらない状況になる。

headlines.yahoo.co.jp

この発言は、まだ公明党自民党も態度を変える前のことで、「脅し・すかし」の一部なので、どこまで本気の発言なのか、今でも同じ御意見なのか、分かりません。しかし、自公維等で衆参とも3分の2をとっているのに、安倍政権で憲法改正が進まない理由は、何と言っても、公明党の反対によるものです。維新が公明と関西で正面衝突するようなことがなくなれば、自公の枠組みは全く揺るがないでしょう。

であって見れば、やはり、安倍政権下での憲法改正は難しいままでしょう。この点は、本ブログでも、書いてきました。橋下氏の言い方を借りれば、安倍政権での憲法改正、特に公明党の反対する9条改正は、もう「終了」です。

産経等の参院選予測では、自公維で3分の2割れ。安倍政権での憲法改正は不可能に。政権は目的を失い、安倍退陣にも現実味。 - 日本の改革

なお、安倍政権での憲法改正が出来なければ、もう憲法改正は全く不可能でしょうか?私はそうは思いません。安倍政権は国政選挙で連戦連勝ですが、投票率は大変低い状態が続いています。これから、郵政選挙民主党への政権交代選挙並みの投票率で、最近全然投票していない1000万人超が動けば、自公合わせて、あるいは、改革政党プラスアルファで、衆参3分の2をまた確保できる可能性はあります。今後、郵政選挙並みに、国民を燃えさせる力を持ったリーダーが必要です。

消えた1400万人 — 郵政選挙と政権交代選挙で投票し、今は投票自体をしなくなった人達 — - 日本の改革

公明党が反対するのは、何と言っても、憲法9条改正で、それ以外の条項については、内容によるだろうと思います。彼等の言う「加憲」は9条ではなく、環境権についても言及がありました。地方自治などは、飲みやすい条項の一つでしょう。

そして、憲法改正を実現するにあたって、①の都構想実現、というのが関係してくると思います。今後、都構想が実現すれば、この空前絶後の大改革を実現した人物として、誰が注目されるでしょうか。やはり、生みの親の橋下徹氏だろうと思います。

もちろん、大坂維新の首長・議員の努力の賜物でもありますが、組織を含めた全てを、徒手空拳から作り出したのは、橋下氏です。たとえば、都構想を可能にする大都市特別区設置法が成立したとき、まだ日本維新の会は存在もしておらず、すべては、橋下氏が、時の民主党政権自民党公明党を相手に、たった一人で実現したことでした。

橋下氏がどのように、自分のビジョンを形にしたかの一端が分かる文章を、橋下氏が日経に書かれていたので、リンクだけ貼っておきます。
www.nikkei.com

私は、たとえ安倍政権が憲法改正を実現できなくても、橋下徹氏が総理になれば出来る、と確信しています。その際に中心となるのは、やはり、道州制実現や条例による法律上書き権等の地方自治統治機構改革になるでしょう。それを軸に、教育無償化と憲法裁判所についても、十分可能性があるでしょう。

自民、公明が大阪で維新に協力姿勢に転ずることは、安倍政権での憲法改正は難しくしますが、都構想実現を通じて、橋下政権での憲法改正への道を大きく開くものだと思います。