日本の改革

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大坂維新と違い、自民は公明を絶対に切れない:衆院選小選挙区で、公明票が2位候補に回れば、自民は60議席減(2017年の日経試算)

今日の要点

憲法記念日の 昨日、公明党憲法改正に消極的な姿勢を示しました。橋下徹氏は、都構想に公明を賛成させるため、関西で維新が公明議員を衆院選で倒し、自公連立を自維連立に変えて、憲法改正を実現することを示唆しています。

・大坂のダブル・クロス選で公明党と戦ってほぼ完全に勝利した大坂維新と異なり、自民は公明を絶対に切れないでしょう。日経のかつての試算では、小選挙区公明票が自民から2位候補に回れば、自民は衆院で60議席が減る可能性があります。

憲法記念日公明党はやっぱり憲法改正をやる気なし。維新は公明を切ることを薦めるが。

昨日の憲法記念日公明党は予想通り、憲法改正には慎重な発信でした。

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自民党は去年3月に、4項目の改憲イメージ案を作りましたが、未だに憲法審査会に出せずにいます。野党はもちろん、上の記事のように、「野党と合意しなさい」と公明党が反対しているからです。

これについて、橋下徹氏が、改憲の妨げは公明だ、という発信を強めています。大阪市議会で、公明党大阪都構想に賛成しなければ、次期衆院選で関西選挙区の公明党議員を維新が全部落とす、というプレッシャーをかけています。あわせて、日本維新の会にも改憲での安倍政権への協力を呼びかけて、自民が公明を切って、自民・維新で改憲を進められるよう、示唆しています。

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橋下氏は、統一地方選での大坂維新の会の勝利後、こうした発信を続けてきました。日本維新の会の馬場議員も、都構想に公明市議が反対を続けるなら、これまで公明に配慮してきた小選挙区に維新の対抗馬を立てると発言しています。

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もともと、自民党が、9条の現行の条文に手を触れないで、自衛隊を合憲とする旨の規定を書き込むという「加憲」の案を出してきたのは、公明党に配慮してのことだ、と言われてきました。首相のブレーンの伊藤哲夫氏が、公明対策で主張した案がベースになっているとのことです。

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そこまで配慮して、結局は、公明党の反対で憲法改正が実現できないのでは、安倍総理もやりきれないでしょう。大阪都構想についても、大坂維新が公明に関西の6選挙区に候補を出さないという協力までしていたのに、公明党は大坂維新との約束を破って住民投票に反対、これがダブル・クロス選の原因・大義名分になりました。安倍総理も、同じように、憲法改正案まで公明の考え方通りにしたのに、今さら何だと思っていることでしょう。

大坂維新と異なり、自民は公明を絶対に切れない。

では、自民が公明を切ることは出来るでしょうか?過去に、安倍総理が公明を切るのでは、と思われたことがありました。

一昨年の都議選で公明党都民ファースト側についたときのことです。安倍総理は、「公明抜きで、単独で勝負するいい機会ではないか」と発言しました。

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その頃、創価学会と距離を置く新日本宗教団体連合会新宗連)の理事長が官邸を訪れたときには、「首相は公明党を切るのか」という見出しが日経に出ました。記事本文で、結局は憶測でした、としていますが、自民の公明切りが、当時はある程度現実味を持って語られていたようです。

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ところが、都議選での「公明抜きで単独での勝負」の結果は、周知の通り、自民党の歴史的大敗です。都議会自民は23議席の過去最低議席数となりました。

都議選後、日経が2017年8月4日の記事で、自民がどの程度、公明票に依存しているか、試算しています。

まず都議選については、公明票都民ファーストでなく自民に回っていたら、自民は35議席だった、としています。それでも大惨敗には変わりなく、都民ファーストの支持が公明頼みだけでは全くなかったのは確かですが、負け幅はいくらか抑えられました。

それよりはるかに大きな影響が出るのが、やはり衆議院小選挙区です。

昔からの自民党支持者には本当に不愉快なことでしたが、自民の候補者の多くは衆院選のたびに、「比例は公明党と書いてください」とお願いして、小選挙区公明票を回してもらう、というバーターを長年続けてきました。

もしこれがなくなったら、どうなるでしょう。日経の試算は、2017年の衆院選前のことなので、2014年の衆院選のデータによるものです。共同通信による小選挙区ごとの出口調査をもとに、選挙区ごとの公明票を試算しています。

その公明票自民党当選者の票数から引くと、自民は24議席減ということです。

もしも、公明票が自民候補でなくて2位候補に回ったとしたら、自民は60議席減にもなり、自民党は当時の290議席が230議席、今なら282議席から60限なら222議席過半数を大きく割ります。

単純な試算ですし、2017年衆院選公明票は減っていますので、今はこれほどではないかもしれないので、注意が必要です。しかし、自民党どころか、安倍総理まで、なぜあれほど公明党の言いなりなのかを理解するには、説得力のある数字に見えます。

 

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ということで、自民党公明党を「切る」ことなど、とても出来ないでしょう。公明党創価学会に「切られる」ことが怖い議員ばかりで、自公はもう骨がらみです。そう考えれば、「改憲勢力」3分の2というのも、最初から幻想だった、とも言えるかもしれません。

本ブログでも取り上げましたが、夏の参議院選挙では、砂上の楼閣とは言え、参議院で一応確保してきた「改憲勢力」3分の2が失われる可能性も高そうです。

産経等の参院選予測では、自公維で3分の2割れ。安倍政権での憲法改正は不可能に。政権は目的を失い、安倍退陣にも現実味。 - 日本の改革

自民党は既に、参院選後に自公維等で3分の2を割り込んだときのために、国民民主党への協力も呼びかけるようです。

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国民民主党自由党との合流発表以降も支持率は上がらず、じり貧なのは相変わらずなので、可能性はゼロではないでしょうけれど、当面はとてもその芽が見えません。参議院の選挙前は野党連携が国民民主党の命綱で、共産党にさえ忖度してますし、参院選で「改憲勢力」3分の2が失われれば、安倍政権の求心力が一気に落ちるので、そのタイミングで自民につくのはかえって得策でないかもしれません。

参院選の結果にもよりますが、安倍政権下の憲法改正は、もう難しいでしょう。