日本の改革

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新天皇陛下が皇太子時代に言及された「四つの新たな公務」:令和では、陛下御自身の御関心がより広く、より強く示される。

今日の要点

天皇陛下が即位されました。陛下は、皇太子時代に「時代に即した新しい公務」につき、かつて、四つのテーマを挙げられました。環境問題、子どもと高齢者に関する事柄、国際交流、産業・技術面での新しい動き、です。「水」に関する御自身の研究での知見を生かされたいとの御発言もあります。

・令和での天皇陛下の御公務は、陛下御自身の御関心が、より広い分野で、より強く示されそうです。

天皇陛下が御関心を寄せる「新たな公務」

今日から令和となり、天皇陛下が即位されました。誠に喜ばしいことです。陛下は、即位後朝見の儀で、お言葉を述べられました。最後の部分を引用します。

歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。

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伝統を守り、憲法を守り、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら」責務を果たされることをお誓いされました。上皇陛下同様、「国民と共にある天皇」を目指されるということで、一国民として有難く感じています。

一方、御公務(象徴としてのお務め)につき、平成の時代から、時代に即した変化もありそうです。

皇太子時代、天皇陛下は、たびたび、「新たな公務」について、発言されてきました。特に2005年の記者会見では、環境問題、子どもと高齢者に関する事柄、国際交流、産業・技術面での新しい動き、という四つのテーマを挙げられました。 

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その際の、陛下御自身(当時は皇太子殿下)の御発言を引用します(2015年2月21日記者会見)。まず、時代の変化とともに、皇室に求められるものも変わるので、御公務の内容も見直す必要がある、と述べられています。

時代は大きく変わっており,その時代の皇室として何が求められているかを的確に感じ取り,時代に即した公務の内容を考えていく必要があるとも述べてきました。それは,自分が何をやりたいかという以上に,私たちが置かれている,目まぐるしく変化する現代という時代の中にあって,自分が何をすることが,国のため,そして国民のためになるかということを模索することです。

(出所:宮内庁

そして、「我が国内外の変化によって重要性を増す分野の事柄について,新たな要請がある場合には,積極的に考えていきたい」分野として、先の四つを挙げています。

そのような分野として私が当面考えているのは,まず環境問題です。
一昨年京都で開かれた世界水フォーラムの名誉総裁を務めた経験から,水の問題は今後環境問題として大変重要になってくることを感じました。

(中略)
次は,子どもと高齢者に関する事柄で,我が国や先進諸国において少子高齢化の傾向が急速に進む中で,子どもや高齢者の福祉の問題のほか,子どもの教育の問題も重要性を増していくと思っております。
さらに,国際的な文化面での交流や,諸外国との友好親善関係の増進も,ますます大切なものとなってくるでしょう。例えば,私が本年実施される「日本におけるドイツ年」の名誉総裁をお引き受けしたのも,そうした考えに基づくものです。
その外に,我が国における産業・技術面での様々な新しい動きも,将来の人々の生活に大きな影響を与えるものとして,注目に値するものと考えております。

(出所:宮内庁

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このうち、「我が国における産業・技術面での様々な新しい動き」が何を指すのかは分かりませんが、最近の御発言で、平成はITその他の科学技術の飛躍的発展があった時代と言われていますし、IT技術も念頭に置かれていたかもしれません。

更に、今年の2月21日のお誕生日には、即位を控えての記者会見で、やはり新たな公務についてお話しでした。そこでは、上皇陛下の被災地視察や各地訪問を引き継ぐとともに、国際親善と、「水」問題について、語られました。特に、御自身が研究もされ、皇太子時代に御公務で関わってこられた「水」問題には特別のお考えがあるようで、次のように言われています。

私が長年携わってきました「水」問題についても,そのことを切り口に,豊かさや防災など,国民生活の安定と発展について考えを巡らせることもできると思います。日本の変化に富む豊かな国土は,同時に,自然災害,例えば台風や豪雨,津波などの影響を受けやすいことから,「水」問題への取組で得られた知見も,これからの務めの中で,国民生活の安定と発展を願い,また,防災・減災の重要性を考えていく上で,大切にいかしていきたいと思います。

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以上のように、天皇陛下は、平成の御公務を特徴づけていた行幸啓を引き継がれるとともに、新たな分野についても、積極的に公務を広げたい、御自身の知見を生かしたい、とのお考えを述べられています。

陛下御自身の御関心が、より広く、より強く示される御公務に

天皇陛下が挙げられた分野は、いずれも、現代及び将来における重要な課題です。時代に即した皇室のあり方を、新たな御公務を通じて示していただくことで、国民との紐帯は一層深まることでしょう。

更に、「水」問題についての御発言ではっきり言われている通り、御自身のこれまでの御研究や御公務で得られた知見を生かしたい、との御意志もお持ちです。これも、憲法4条の範囲内で、「象徴としてのお務め」としてなされるならば、問題はないはずです。

天皇陛下が皇太子時代、御公務の位置づけをめぐって、秋篠宮殿下とお考えの違いがあるように報じられたことがありました。秋篠宮殿下は「公務は受け身のもの」と発言され、天皇陛下は当時、皇太子として「時代に即した新しい公務」と言われていたからです。

これにつき、上皇陛下は当時、以下のように、お二人の発言は矛盾するものではない、と述べられました。その理由を、以下のように説明されています。

新たな公務も,そこに個人の希望や関心がなくては本当の意義を持ち得ないし,また,同時に,与えられた公務を真摯しに果たしていく中から,新たに生まれてくる公務もあることを,私どもは結婚後の長い年月の間に,経験してきたからです。

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以上のように、天皇陛下は、現代に即した幅広い分野で、新たな公務に取り組まれたい、そこには、御自分の思いも反映させたい、というお考えを示していますし、これまでお話しになった範囲で、憲法上の問題は特にないと考えます。

令和では、天皇陛下御自身の御関心が、御公務を通じて、より広く、より強く示されるでしょう。私は、象徴天皇制を支えるのは、国民が個人としての天皇陛下と皇室に感ずる親しみや敬愛の念だと考えています。このため、国民が陛下の本当の思いに触れる機会が一層増えることを期待し、天皇陛下の御即位を、心よりお祝い申し上げます。