日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

候補者男女均等法をより厳しく:女性政治家(特に与党)を増やすことは、国民を統合し、日本を救う。

今日の要点

統一地方選で女性の当選者が史上最多に。しかし、まだまだ女性議員・首長は少ないのが現状です。日本国民が国民として一つに統合されるために、候補者男女均等法をより厳しくするべきです。

・女性議員・首長・大臣等の増加は、政策も変えていきます。1989年の参院選での女性議員の急増、小泉政権の女性大臣起用、小池知事の当選等は、それぞれに、日本全体に必要な新しい政策を実現しました。政策の実現のためにも、候補者男女均等法を強化すべきです。

統一地方選で女性当選者急増。候補者男女均等法を強化して、男性も女性も「日本国民」としての統合を!

統一地方選で、女性の当選者が史上最多になりました。政令市を除く市議選では女性1239人が当選し、定数672に占める割合は18.4%で、過去最高です。

市議選、女性最多の1239人当選 統一地方選後半戦 :日本経済新聞

41道府県議選の女性当選者数は237人で、こちらも過去最多で、全当選者2277人に占める女性の割合も過去最高の10.4%です。

女性当選、最多の237人 道府県議選、なお10.4% :日本経済新聞

とは言え、まだまだ、市議で2割に満たず、道府県義でやっと1割という水準です。

昨年5月、候補者男女均等法が成立しました。国会と地方議会の選挙で「男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指す」と規定し、政党に対し、女性候補を増やす努力を求める内容です。

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出所:内閣府男女共同参画局

http://www.gender.go.jp/about_danjo/law/pdf/law_seijibunya01.pdf

http://www.gender.go.jp/about_danjo/law/pdf/law_seijibunya02.pdf

今回の統一地方選、この法律の効果が十分には出なかった形です。

例外はあります。鈴木邦和都議によると、武蔵野市議会では女性議員の割合が46%になり、都民ファースト区市町村議会の女性議員の割合も46%だということです。今回、都民ファーストの候補者はほとんど当選していますし、候補者選定段階から、同様の比率を達成していました。まあ、都民ファーストは、法律が出来る前から、女性政治家を増やすことに力を注いでいましたから、法律の効果、とも言えないところはあります。

女性比率が5割近い議会がある一方で、平均が2割ですから、ほぼゼロの議会もあるわけです。垂水市では史上初の女性市議が誕生したというニュースがあり、これについての男性市議の時代錯誤なコメントが叩かれています。

digital.asahi.com

では、国政ではどうでしょうか。ちょっと字が大きすぎてすいませんが、産経新聞の4月8日の記事によると、各党の参院選女性公認候補の割合は、以下のようになっています。

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出所:産経新聞2019年4月8日記事

【政治デスクノート】「男女候補同数」へ順法精神のかけらもない政党(1/4ページ) - 産経ニュース

このグラフは、「政治部デスクノート」という、政治部次長の酒井充氏の論説記事に載っているものです。その中で、酒井氏は、法律を作る政党が、候補者男女均等法を全く守っていない、順法意識のかけらもない、と、口を極めて批判しています。立民や共産も5割に達していない、と批判してるのですから、自民党に対しては、

自民党は男女均等法の成立前よりも女性の割合が低下しており、「自主的に取り組むよう努める」姿勢すら、うかがえない

としていますし、安倍総理に対しても、

党総裁の安倍晋三首相(64)は2月1日の参院本会議で「女性候補者の積極的擁立など政治における女性活躍の推進に向けて今後もリーダーシップを発揮していく考えだ」と強調したが、何かを発揮した形跡はない

と強烈です。実際、言われて仕方のないほど、全然取り組みが足りません。記事で言及されていませんが、酒井氏の基準で言えば、0%の維新は、もう国政退場モノですね(笑)。

では、あらためて、なぜ、議員等の男女比率は均等であるべきなのでしょうか。国や自治体の意思決定の場である議会、行政庁等は、当然、あらゆる属性の国民・住民の立場・意見が反映されるべきだからですし、女性が女性であるという理由で政治的意思決定から排除されてはならないからです。

これにつき、フランスのパリテ法の趣旨の解説が、仏文学・ジェンダー研究者の西尾治子氏によってなされていたので、紹介します。フランスのアガサンスキーという論者の主張ということです。それによると、パリテとは、「女性と男性の混成体である全体を代表する ために女性も決定機関の中に入っていくこと」だと言います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rjdf/5/2/5_KJ00009937069/_pdf

これを私なりに解釈すると、一部の人間・団体のための政治ではなく、「国民」、「住民」の公の利益のために政治的意思決定をする際には、まず、決定する主体である議会や行政庁が、国民、住民の代表として、その統合された意思を体現している必要があります。そして、国民、住民が、男性と女性ほぼ半々からなっている以上、当然、男女比率がほぼ等しい政治主体によって、意思決定がなされるべきだ、ということだと思います。

候補者をできるだけ等しくするという候補者男女均等法の理念は、国民の統合を進めるためのものであり、国を思うならば、より厳格な内容にし、運用を行う必要があります。今後、単なる努力義務以上の形で、政党をしばるべきでしょう。

政治家に女性が増えることは、現実に、政策を良い方向に変える。

では、女性の政治家が増えることは、実際の政策を変えるのでしょうか?過去の例を見れば、ある程度の影響はありそうです。

上智大学の三浦まり教授は、1989年の参議院選挙の「マドンナ旋風」で女性議員の比率が18%に急増したことと、94年の選挙制度改革が、女性議員を増やしたことが、90年代後半から2000年初頭に重要法案の成立をもたらした、と主張しています。「パートタイム労働法」(93年)、「育児・介護休業法」(95年)、「男女共同参画社会基本法」(99年)、「DV防止法」(01年)などは、女性議員たちが率先して政策課題にした、としています。

www.nippon.com

これらの法律がどの程度、女性議員の増加によって説明できるか、検証は必要です。三浦氏自身、立憲民主党のパリテに関するプロジェクトに関わっているので、主張の中立性にも注意は必要です。ただ、女性議員が多い方が、こうした法制度が成立しやすいことは道理でしょう。やはり、一定の効果はあったと見るべきです。

一方、三浦氏は、2005年の総選挙で小泉総理が女性候補を積極的に増やした戦略等には、低い評価しか与えていません。ここについては、政治的偏りを感じます。

小泉政権は、議員だけでなく、女性大臣を積極的に登用しました。そして、小池百合子環境大臣が実現したクール・ビズ政策は、日本人の生活習慣を変え、国民生活を大きく改善するものでした。

また、地方政治で言えば、やはり小池都知事の当選と、都民ファーストの女性都議の大量当選が、東京都の政策を大きく変えました。女性都議の割合はほぼ3割となり、三浦氏自身が言う「クリティカル・マス」を超えました。

www.tokyo-np.co.jp

これにより、自民党が反対する二つの受動喫煙禁止条例が成立、待機児童は4割近く減少、児童虐待防止条例の成立等という、それまでの都知事・都議会では全く出来なかった政策が次々に実現しています。特に、「家庭内に立ち入るな」=「父親の勝手に手を出すな」という領域の問題であった、家庭内の受動喫煙児童虐待に、遠慮なく徹底的に切り込んでいく姿勢は、やはり、女性知事、女性都議の多い議会でなければ難しかったでしょう。

そして、こうした政策は、単に「女子供」を守る政策ではありません。もちろん、なおざりにされてきた女性と子どもの権利を守るというのが第一義的な目的ですが、一方で、少子高齢化が進むなか、女性と子どもを大切にするという政策は、国家存立の根幹をなすものです。

日本国民が男女で争うのではなく、男女両方が納得して統合された社会を作るために、候補者男女均等法の内容・運用の強化を、まずは行うべきです。