日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

社員の禁煙促進の企業連合が都内で発足!東京都は既に職員の勤務中禁煙を実施中。自信を持って、禁煙条例の広報・執行の改善を!

今日の要点

・社員の禁煙を促進する企業連合が都内で発足しました。発足式には小池知事も出席。東京都は、既に都庁職員の職務中の禁煙を定めていますが、更に一歩進めて、職員の喫煙率自体を引き下げるべきです。

・更に、東京都は、先進的な受動喫煙防止条例が都民に伝わるように広報を改善し、規制対象の事業者の意識を変える方向で講習会の内容も変更する等、条例の執行体制を改善すべきです。

「禁煙推進企業コンソーシアム」の発足。既に勤務中の禁煙を定めた東京都も、更に踏み込んで、職員の喫煙率の引き下げを!

一昨日、東京都内で、社員の禁煙を促進する企業連合、「禁煙推進企業コンソーシアム」が発足しました。東京都医師会や日本対がん協会、それに、東京に本社のある企業など23の企業と団体が設立しました。発足式には、小池百合子都知事も参加しました。

tech.nikkeibp.co.jp 

これまで、会社の社長・上司等が喫煙者のため、受動喫煙の被害者となった人が多いことを考えると、全く逆に、社長・上司が、社員の健康のために禁煙を促進する、というのですから、素晴らしい取り組みです。

 

この会の規約によると、事務局は、公益財団法人日本対がん協会、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ、ファイザー株式会社社が共同で事務局を担当する、ということです。企業だけでなく、対タバコ政策では最も厳しいスタンスをとる対がん協会も事務局を担っており、その点で信頼できます。

目的として、「政府が目標としている2022年度の喫煙率12%の 達成、または限りなく社内喫煙率を12%に近づけることを共通の目標」としており、各会員で喫煙率のマイルストーンを設け、目標達成のための相互サポートや情報交換等を行う、としています。

https://kinen-support.com/wp-content/themes/wp-kinen/pamphlet/Final.pdf

マイルストーンは会員ごとに異なるようですが、オムロンファイザーロート製薬のように、喫煙率ゼロを目指す企業もあります。

喫煙率ゼロ企業を目指して「禁煙推進企業コンソーシアム」に参加|オムロンヘルスケア株式会社のプレスリリース

『喫煙者ゼロ最終宣言』~全社員のタバコフリー実現に関する取り組みについて~

喫煙者は不採用、吸わない人に手当―「禁煙推進企業コンソーシアム」発足 加入企業は「たばこ休憩の離席減った」 | キャリコネニュース

団体のウェブサイトはこちらです。企業が参加するメリットの一つに、企業の「社会的価値の向上」が挙げられています。具体的には、「2019年からは健康経営銘柄・ホワイト企業の認定を受けるにあたり、社内の受動喫煙対策が必須とされました。社会からの禁煙対策の要請は年々強まっていく」とあるので、やはり禁煙促進について世論を高めていくことが、こうした良い取り組みにつながることが分かります。

kinen-support.com

最初の挙げた日経xTECHの記事によると、発足式に出席した小池知事は、東京都受動喫煙防止条例の2020年4月の全面施行と、2019年7月1日から学校の敷地内禁煙について説明したうえで、このコンソーシアムについて、「一人ひとりの社員が健康であることは何よりも大切なこと。そこに先駆けて取り組んでいる企業や団体について敬意を表したい」とコメントしたそうです。

既に東京都は、都受動喫煙防止条例の施行に先立ち、昨年4月より、都庁内の全職員に対し、勤務中は禁煙としています。都政新報によれば、都職員に加え、庁内で働く受託事業者や巡視員など全労働者を対象とし、庁舎外の喫煙所の利用についても、都民からの批判などを考慮し、利用しないよう促すほか、出先機関など都関連施設も同様の対応とする徹底ぶりです。

https://toseishimpo.co.jp/modules/news_detail/index.php?id=5779

 

小池知事の強いリーダーシップで、民間に厳しいルールを課すなら、まず「隗より始めよ」ということで始められたものです。メディアは当時、不満顔のようにさえ見えました。朝日も毎日も、喫煙者の職員の声や様子だけを紹介しており、不見識そのものでした。

都職員、休憩中も庁舎内禁煙 屋外喫煙も「厳に慎む」:朝日新聞デジタル

記者のひとりごと:受動喫煙防止の副作用 /東京 - 毎日新聞

今回、民間で自発的に、禁煙促進の企業コンソーシアムができたのは、都知事の判断が正しかった一つの証左です。

(なお、東京都26市の勤務中の喫煙についてはまだまだのようで、今後、各市で改善が望まれます

http://cofune.net/smoking_26cities_tokyo.pdf

東京都は、先進的な受動喫煙防止条例の広報と執行体制の改善を!

東京都は、国の基準を上回る厳しい受動喫煙防止条例を制定し、その施行前に、自ら襟を正して、全職員や出入り業者にまで禁煙を求めるという模範的な対応をしてきました。東京都の事業者や都民に、受動喫煙防止条例をしっかり守ってくださいと強く言える十分な資格があります。

その観点から、東京都に、二つ注文があります。

第一に、都条例の広報を改善すべきです。

これについては、昨日、日本禁煙学会が、東京都福祉保健局長の内藤淳氏宛に、公開で要望を出しています。

http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/information/Postertokyo2019.pdf

既に今年3月18日の都議会厚生委員会で、都民ファーストの岡本都議が質問し、ジャーナリストの石田雅彦氏が批判している通りです。

news.yahoo.co.jp

東京都の受動喫煙啓発ポスターも動画も、何を言いたいのかが一見して全く分からない、意味不明の代物です。そのうえ、「吸う人も吸わない人も誰もが快適に過ごせる街」等、JTのお決まりのフレーズまで使っています。これでは、誰の方を向いた受動喫煙対策なのか分かりません。

第二に、規制対象となる飲食店等の事業者への説明会で、受動喫煙の危険や条例の趣旨を、もっと明確に伝えてほしいと思います。

これについては、NPO法人ストップスモーキング理事長の中嶋博氏が、今年3月25日の東京都主催「受動喫煙対策に関する施設管理者向け説明会」に参加し、内容について、強く批判しています。

ストップ・スモーキングのFB2019年3月26日の投稿から引用します。

施設管理者向けということもあって、受動喫煙問題の本質には寄り添っていない印象です。砕いて書くと、こんな感じでしょうか。
「国が対策を始めたので、東京都も条例を作ったんです。オリンピックに間に合わせたいので、ご協力をお願いしますね。今日来場の皆様は殆どが飲食関連ですので、まずは、条例の内容を理解してください。飲食の場合、ちゃんとした喫煙所を作れば、大方クリアできますよ。都で契約した専門家をアドバイザーとして派遣します。設置の補助金も出します。罰則は過料で最高50万ですが、いきなりは適用しません。指導によって、過料に至らないように取り計らいます。」
録音、録画は禁止。
質疑応答の時間は無し。
アンケートでお願いとのこと。

受動喫煙の深刻さを訴えてはいません。
タバコ問題への長期的なビジョンは皆無です。
喫煙所設置という対症療法の推奨ばかりが目立ちました。

https://www.facebook.com/npostopsmoking

もちろん、事業者向け説明会で、罰則を振りかざして上から目線の説明ではいけないのは当然です。目的は業者にルールを守らせることですから、結果として罰則が科せられないのが一番です。

それでも、条例の目的として、危険な受動喫煙を防止させることであり、顧客・従業員といった「人」を守るための条例だということについて、しっかり伝えるべきだと思います。最初に紹介した通り、民間でも、自発的に禁煙を促進する動きが出てきました。条例が本当に目的としているところを伝えてこそ、事業者も本当に有効な対策を打てるし、なかには禁煙促進に舵を切るところも出てくるはずです。

業者向けにこっそり、録音録画も禁止して、補助金出しますから、厳しくしませんから、というような対応は、今後は是非やめていただきたいし、事業者対象の説明会であっても、都民にも開かれたものであるべきです。そこで堂々と、受動喫煙防止条例の目的と罰則の趣旨を説明して下さい。東京都には、その資格があります。