日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

女系天皇・女性天皇を認めることは、国民を分断するのではなく、国民を統合する。愛国者が目指すべきは、論争での勝利ではなく、国民の統合。

今日の要点

・朝日の世論調査で、女系天皇女性天皇とも、賛成が7割超。天皇陛下に求める役割は、「被災地を訪問するなどして国民を励ます」が66%で最多。国民は女系・女性天皇を支持し、今上陛下の言われる「国民と共にある」皇室を望んでいます。

生前退位が国民の圧倒的支持を得て実現されたのと同じく、女系・女性天皇を認めることこそが、国民の統合を実現します。

皇室に関する直近の世論調査から分かること

朝日新聞世論調査で、女性天皇については76%、女系天皇は74%が、それぞれ認めてもよいと回答しました。安倍内閣を支持すると答えた層の意見でも、女性天皇容認は72%、女系天皇容認は70%です。

「新天皇に期待する役割」(複数回答)では、「被災地訪問などで国民を励ます」が66%で最多、次いで、「外国訪問や外国要人との面会」55%、「戦没者への慰霊など平和を願う」52%等でした。

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また、「皇室に親しみを持っている」との回答が76%に上り、朝日の調査では過去最高でした。

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この調査から、国民は、象徴天皇制をこれまでにないほど支持し、そして、女系天皇女性天皇を望んでいることが分かります。そして、国民にとって、天皇とは、国民が苦しいときに優しく励まし、慰めてくれる存在になっている、ということです。

過去の世論調査の傾向から言って、この結果は、他社がやってもほぼ同じでしょう。

象徴天皇制とは何か:「国民と共にある」皇室への国民の支持に支えられた制度

あらためて考えさせられるのは、憲法の定める象徴天皇制とは何か、ということです。憲法は、基本的人権の尊重、即ち自由主義と、国民主権、即ち民主主義を原則としています。そして、天皇の制度を憲法で定めています。

自由主義を守り、民主的な統治機構を定める憲法の第1条で、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」である、と定めています。

この国がどのような国であるかを内外に示し、日本国民が一つにまとまっていることを示すものとして、日本国が選んだのは、言葉でもなく、国旗等のデザインでもなく、建造物でもなく、音楽でもなく、人間でした。天皇陛下という人間です。そして、人間としての、個人としての天皇陛下への敬慕の念によって、日本国民は一つに統合されるのです。

苦しんでいる人達を無私の心で慰め励ます天皇陛下への尊敬の念や親しみの心が生じることで、伝統の力がますます思い起こされ、日本という国を愛する気持ちも一層強まり、日本国民としての紐帯への思いも深まる。象徴としての天皇とはそのような存在だ、と私は理解しています。

生前退位を実現した国民の意思:天皇陛下のおことばによる国民の統合

だからこそ、3年前の天皇陛下のおことばは、国民の心を動かしました。2016年8月8日の「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば 」です。

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この中で天皇陛下は、「個人として」天皇は「どのような在り方が望ましいか」、それまでお考えのことを述べられています。

天皇が国民に,天皇という象徴の立場への理解を求める」一方で、「天皇もまた,自らのありように深く心し,国民に対する理解を深め,常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる」べきであり、この意味において、日本各地を訪れる「象徴的行為」は、大切なものだ、と述べられています。

この「国民と共にある」というお言葉が、天皇の制度を支える本質の一つだと思います。

御即位以来、「伝統の継承者として」「日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくか」、天皇陛下がお考えになった末の結論が、「何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考え」るのと「同時に事にあたっては,時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと」が大切だ、と述べられています。つまり、「国民と共にある」ということです。

そして、天皇が「国民と共にある」ことが困難になり、国民生活にも影響が及ぶことを避けたい、という御懸念を表明する形で、生前退位について思いを述べられました。

このお言葉は、国民の心を動かし、国民の心を一つにしました。

その頃の世論調査の結果を、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が資料にまとめていますが、圧倒的多数の国民が退位に賛成でした。

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出所:官邸ウェブサイト

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumu_keigen/dai7/sankou2.pdf#search=%27%E9%80%80%E4%BD%8D+%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB%27

この結果はもちろん、「退位に肯定的か否か」という質問(各社で聞き方は様々です)に対する回答ですが、やはり陛下が理由として述べられた、天皇は「国民と共にある」べき、というお考えへの理解と共感があっての結果だったと思います。

そして、こうした圧倒的な民意があってこそ、色々と反対論はあったものの、生前退位が可能になり、間もなく、令和の時代を迎えることになりました。国民の気持ちが一つになり、政治を動かしたのです。今では、当時反対した人達も、結局はこれで良かったと思っているのではないでしょうか。

女系天皇女性天皇を認めることによる国民の統合

女系天皇女性天皇についても同様に、国民の意思が統合されるような結論を出すべきです。圧倒的多数の国民は、女系天皇も、女性天皇も、認めるべきと考えています。女系・女性天皇を認めることは、多少の議論を呼んだとしても、結局は生前退位の場合と同様に、圧倒的な民意により、安定的な皇位継承制度として、国民に理解され支持されるものとなるでしょう。保守派の人達も、未来永劫反対とまで言っていないようです。

小泉政権時代に出された「皇室典範に関する有識者会議報告書」は、基本的な視点として、「国民の理解と支持を得られるものであること」、「伝統を踏まえたものであること」、「制度として安定したものであること」という視点から検討し、皇位継承資格を女子や女系の皇族に拡大するべき、と結論づけました。

 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kousitu/houkoku/houkoku.html

このままでは、皇位継承資格者も、男性皇族もお一人になってしまう、それでは、天皇、皇室が「国民と共にある」ことを実現するのも、困難になってくるでしょう。

官房長官も、衆議院議長も、速やかに皇位の安定継承についての議論を始めるべき、と言い出しています。

安定継承の議論「即位後、時間待たずに」 菅官房長官が答弁 - 毎日新聞

衆院議長「皇位安定継承、早期に議論を」 (写真=共同) :日本経済新聞

安倍総理は、(男系維持のために)旧宮家皇籍離脱の決定を覆すというようなことは、全く考えていないと国会で明言しています。

参議院会議録情報 第198回国会 財政金融委員会 第5号

本当は、どのような結論を導くのが自然か、要路の人々は分かっているはずです。保守派の方々を含めて、これまでの立場や論争の経緯を乗り越えて、日本国民として一致できる制度にしようではありませんか。

象徴天皇制度が引き続き国民の理解と支持を得られるようにして、皇室の公務を支える皇族の数を維持するためにも、皇位継承資格を女子や女系の皇族に拡大するべきです。それこそが、国民を統合し、国民の皇室への敬慕を強め、日本が大切にしている天皇の制度を守ることにつながるはずです。