日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

日本は、中国の監視カメラ販売の規制を!世界最大手ハイクビジョンが、ウイグル等の人権抑圧で大儲け。

今日の要点

・中国が国内の監視社会化と人権抑圧を強めています。その手段となる中国製の監視カメラにつき、アメリカは国防権限法によって、中国の通信機器大手とともに、政府調達等から排除しています。日本政府もこれに追随しました。

・しかし、中国製の監視カメラは、日本市場で通販含め普通に売られています。中国国内の人権抑圧に手を貸さないためにも、何より、日本国民が中国政府の監視下におかれないためにも、日本での民間での流通を規制するべきです。

監視社会化と人権抑圧を進める中国。ウイグルの「成功例」を中国全土に、やがて世界に?

中国が、国内の監視社会化と人権抑圧を進めています。日経が最近報じたところでは、現在、中国は、上海で治安維持のための大規模な監視システムを構築中で、成功すれば、他の都市にも広げていくつもりです。

www.nikkei.com

既に、新疆ウイグル自治区は、中国政府が公安組織に顔認識技術を導入する主要な実験の場となっていました。GPSや多数の監視カメラで収集された位置情報や顔の情報等は、ウイグル族らを強制収容所に送る等の人権弾圧のために使われています。

www.nikkei.com

ウイグルで100万人を強制収容所に送るというすさまじい人権弾圧を行ったのは、新疆ウイグル自治区委員会書記の陳全国です。ブルームバーグによれば、陳は、ウイグルでの「成功」を手柄に、25人しかいない党中央委員会政治局員の1人となり、2023年にはたった7人から成る常務委員会入りの可能性があります。陳がウイグル(そしてチベット)で行ってきた、徹底した監視システムと人権弾圧・抑圧の手法は、中国の他の地域に利用されることが懸念されてきました。最初に紹介した上海のシステムも、その応用例の一つかもしれません。

www.bloomberg.co.jp

中国国内ばかりではありません。CNNによると、中国は、インターネット検閲システムを世界中の独裁国家に輸出しています。
www.cnn.co.jp

中国が世界に広めようとしているのは、インターネット検閲だけではないでしょう。ウイグルで行われ、中国の大都市で進められているような、GPSや監視カメラを使った監視システムも、やがて、民主主義国家を含む全世界に輸出して、中国共産党一党独裁に反対する政府、組織、個人の特定や抑圧に使われる可能性があります。

こうした、中国の監視社会化で大きな利益を上げているのが、中国の監視カメラ・メーカーです。この分野での世界最大手は、中国政府が42%保有する杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)です。

WSJによると、ハイクビジョンは、半世紀前に立ち上げられた軍民両用技術を開発する政府の研究施設が母体で、筆頭株主は、防衛・軍事機器を製造する国有企業の中国電子科技集団(CETC)です。この会社が急成長してきたのは、中国政府が国民を監視するシステムを構築してきたからです。

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ニューズウィークによると、ハイクビジョンをはじめとする中国・監視カメラメーカーが大きく利益を伸ばしたのは、ウイグルでの人権弾圧政策のためです。2016年に、先に紹介した陳全国が新疆ウイグル自治区トップのトップにつくと、陳は、治安関連予算を2倍近くに増額しました。

それ以来、ハイクビジョンと業界二番手のダーファ(これも中国企業)は、新疆で11件の大規模な監視プロジェクトを受注し、2017年にハイクビジョンは30%、ダーファは40%売り上げを伸ばしたと言うことです。ハイクビジョンがウルムチで受注したプロジェクトは、約3万台の監視カメラを設置する計画でした。

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以上のように、中国の監視カメラ・メーカーは、中国の監視社会化と人権弾圧で成長をし、その技術が、今後は海外でも利用されることが懸念されています。

アメリカと日本の規制

こうした現状に対し、周知の通り、アメリカは国防権限法によって、中国の通信機器大手や監視カメラ企業等、5社を政府調達等から排除しました。対象となったのは、中国通信機器のファーウェイ、ZTE、監視カメラのハイクビジョンとダーファ、警察や軍で使う特定用途無線で世界シェア首位のハイテラです。効果てきめんで、これらの企業の成長は一気に減速しました。

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アメリカ政府に、日本政府も追随します。中央省庁や自衛隊が使う情報通信機器の調達手続きに関する運用指針を初めて策定し、安全保障上のリスクがある場合には、(名指しはしないものの)中国系の企業の製品を政府調達から外すことにしました。

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実際の指針を見ると、かなり広範な製品について、調達から外すことができます。監視カメラ(ネットワークカメラシステム構成機器)も対象です。

https://www.nisc.go.jp/active/general/pdf/chotatsu_moshiawase.pdf#search=%27%E6%83%85%E5%A0%B1%E9%80%9A%E4%BF%A1%E6%A9%9F%E5%99%A8+%E8%AA%BF%E9%81%94+%E6%8C%87%E9%87%9D%27

さらにこれから、14のインフラ分野企業について、指針を決めて、安全保障上のリスクがあれば、調達しないように要請する方向です。最近開かれた日中ハイレベル経済対話で、中国政府がファーウェイ排除について批判したようですが、日本政府は退いていないようです。

www.nikkei.com

日本政府のここまでの対応は大変良いのですが、問題は、インフラ分野企業にも、政府は強制力なく要請しかできないこと、そして、指定された14分野以外の民間企業、個人によるハイクビジョン等の製品購入がいくらでも出来ることです。中国の監視カメラにはバックドアの存在が指摘されているのに、価格が格安がということもあり、何の検査もなくネット通販等で流通しています。

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これについては、サイバーセキュリティ戦略本部でも、課題として議論されてきましたが、特段の対策がされていないようです。

https://www.nisc.go.jp/conference/cs/dai14/pdf/14gijigaiyou.pdf

一応、情報処理推進機構がチェックリストを公表して注意喚起していますが、その程度のようです。

www.ipa.go.jp

民間の取引に対し、現行法で規制が難しいとのなら、何らかの対応を新たに立法で行うべきです。既に、米国のファンドマネジャーたちは、これまで争って購入していたハイクビジョンの株式を慌てて手放していると言います。ウイグルの人権弾圧に加わり、アメリカ政府がブラックリストに挙げた企業の株を保有すること自体が、自社の評判を落とすから、という理由です。単にバックドアが危ないというだけでなく、こうした企業との取引自体につき、アメリカの官民と同様の対応をしていくべきです。

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日本は、安全保障上のリスクがあり、しかも中国で人権弾圧に利用されている企業の製品を、価値観を共有する同盟国アメリカの官民あげての対応にならって、政府調達からも、日本の民間市場からも、法的に排除するべきです。