日本の改革

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桜田五輪担当大臣の後任に、タバコ業界の代弁者・鈴木俊一氏(一昨年に業界から60万円の献金)。最悪の人事。五輪開催までに更迭し、丸川珠代氏を大臣に!

今日の要点

桜田氏に代わって、鈴木俊一氏が五輪担当大臣に。最悪の人事です。鈴木氏は前回、五輪担当大臣だったときに、自民党たばこ特別委員会の委員長として、健康増進法改正の際に受動喫煙対策の骨抜きを主導。東京オリパラ大会に向けた受動喫煙対策を「分煙で実現」と発言して、強く批判され、事実上撤回に追い込まれました。

・鈴木氏はタバコ業界から献金を受け続けており、一昨年は60万円の献金を受けています。五輪はもう目の前、出来るだけ早く、再度交代すべきです。後任は、IOC、WHOとの約束を守ると発言していた丸川珠代氏が適任です。

鈴木俊一氏は五輪担当大臣には最悪。受動喫煙防止政策を骨抜きにした張本人で、タバコ業界の代弁者。

ひどい失言を繰り返してきた、というより最初から大臣の資質など欠いていた桜田五輪担当大臣が、やっと更迭されました。今回は、復興よりも議員が大事という趣旨の失言、さすがに誰もかばい切れなくなったようです。

それにしても、「復興以上に大事なのは、(自民党議員の)高橋さんでございます」とは、言うも言ったり、です。復興より議員が大事だ、という本音をそのものズバリ公言した、ひどい発言でした。

digital.asahi.com

東北の復興については、避難した住民より地元自治体(の首長や議員)が大事のように見える政策も進められている、と本ブログで書いたこともあり、本当に腹立たしい発言でした。

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そして、安倍総理は、後任の五輪担当大臣を、鈴木俊一氏と決めました。鈴木氏こそ、後任大臣として、最も避けるべき人物で、絶対にやってはいけない最悪の人事です。

鈴木氏を五輪担当大臣とした理由は、日テレによれば、「スキャンダルがないかどうかなどのいわゆる身体検査をそれほどしっかりやらなくていいということ。国会会期中に交代しても対応できる能力があるということ」だということです。それなら、五輪担当相を経験した遠藤利明氏でも丸川珠代氏でも、五輪に詳しい他の閣僚経験者でも良いでしょう。

www.msn.com

鈴木俊一氏は、タバコ業界の代弁者であり、しかもリーダー格です。自民党たばこ特別委員会の委員長だったとき(現在は顧問)、2017年に五輪担当大臣になりました。このとき、鈴木氏は、「禁煙原則にするのではなく、徹底した分煙で実現すべき」と発言しました。

www.sankei.com

これがいかにとんでもない発言だったかは、前任者の丸川珠代元大臣とスタンスが180度違うことから分かります。

2017年4月7日、丸山珠代氏が五輪担当大臣のとき、WHO事務局次長らが厚生労働省を訪問し、WHO事務局長からの書簡を当時の塩崎厚生労働大臣に渡しました。

厚生労働省のウェブサイトによると、この書簡では「東京オリンピックパラリンピックに向けてこれまでの長い伝統であるたばこフリー政策を維持すること」また「屋内の『公衆の集まる場(public places)』での喫煙の完全禁止を全国レベルで実施すること」が公式に要請されています(書簡の本文等も以下のリンク先にあります)。厚生労働省の当初の法案が比較的厳しい内容だったのは、こうしたWHO等の要請にもよるものです。

www.mhlw.go.jp

 

同日には、WHO事務局次長らは、当時の丸川五輪担当大臣も訪問しています。これにつき、丸川氏は、担当大臣として、本当に頼もしい、素晴らしい発言をしています。

 本日、この会見の前に、WHOのアナルフィー・アサモア・バー事務局次長、ダグラス・ベッチャー非感染性疾患対策部長が大臣室にいらっしゃいました。お二人からは、オリンピックについて、WHOとIOCの間で、たばこのないオリンピック等について合意しており、これは非常に重要であるということ、また、過去の経緯も含めてお伺いした上で、中国では北京、上海、そしてその後も引き続き100%スモークフリーの町をどんどん増やしてきており、さらに、ロシアでもソチオリンピックに伴い、全土でスモークフリーをルール化した経緯をお伺いしました。これは開催する上でのリクワイアメント(必要条件)であるというようなお話がございました。私からは、お二人の話を踏まえ、引き続き塩崎厚生労働大臣ともよく連携をして、しっかり取り組みますというお答えをさせて頂きました。

記者からの質問にも、こう答えています。

今回の来訪で大変印象的だったのは、日本はどんな小さな村や町、市でも100%スモークフリーの場所がどこにもないということを、この先進国で非常に不思議なことだということを言われたことでした。オリンピック・パラリンピックを開催する上で、スモークフリーにすることは、非常に強い要求であるという姿勢でしたので、これは真摯に受け止めなければならないと思いました。健康増進、また健康への意識を高めるということは、2020年大会のレガシーであると我々は見なしているので、これが担保される実効性ある法律がつくられるということは非常に重要だと考えております。

www.kantei.go.jp

文句のつけようがありません。私は、このような認識を持っている丸川氏こそ、今回の交代劇では、後任の五輪担当大臣にふさわしいと思います。

さて、こうした発言を4月7日に前任の丸川珠代大臣が行って、8月に交代したばかりの新大臣の鈴木氏が、前任者の方針を完全に覆す発言を各新聞で行ったのです。こうして見ると、丸川氏の辞任と鈴木氏の前回の就任自体、タバコ業界の圧力で行われたのでは、と勘繰りたくさえなります。

この発言は強く批判され、たとえば、日本禁煙学会がこれに反対する緊急声明を発表しました。この発言は、IOC、WHOに対する「裏切り行為」であり、「世界から集まるアスリート、数十万人にものぼる 観客が受動喫煙を浴びるという国際的な問題であり、国辱的な問題でもあります」と、痛烈に批判しています。

http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/%2017.8.10%20%20鈴木氏抗議声明%EF%BC%81-2.pdf#search=%27%E9%88%B4%E6%9C%A8%E4%BF%8A%E4%B8%80+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%96%B0%E8%81%9E+%E5%88%86%E7%85%99%E3%81%A7%E5%AE%9F%E7%8F%BE+%E7%A6%81%E7%85%99%E5%AD%A6%E4%BC%9A%27

反発の強さに驚いたのか、鈴木氏は、この発言を事実上撤回せざるを得ませんでした。(2017年8月18日の東京新聞の記事。日本禁煙学会のウェブサイトに記事のコピーが上がっているので、リンクを貼っておきます)

http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/%20%2020170818_鈴木撤回.pdf

鈴木氏の発言は、単なる失言ではありません。

鈴木氏が前回五輪担当大臣となった2017年には、厚生労働省健康増進法の改正で、比較的厳しい案を国会に提出しようとしていました。これに対し、鈴木氏は、自民党たばこ特別委員会の委員長として、法案つぶしを主導しました。この法案が、2020オリパラ大会対策の一つであったにも関わらず、たばこ業界のエゴ丸出しの露骨な活動を行い、まさにIOCとWHOを裏切る暴挙に及んだのです。

当時の厚労省案に反対するたばこ議連の臨時総会で、「鈴木俊一党たばこ特別委員長が「箸の上げ下げまで法律で規制する考えは党の理念に反する」と気勢を上げ」た、と、産経新聞が報じています。

www.sankei.com

周知の通り、鈴木氏らの反対運動により、健康増進法での規制対象の飲食店は範囲が大幅に狭められました。そもそも鈴木氏は、現在の改正後の法律どころか、改正前の法律さえ、「行き過ぎた喫煙規制」だ、と過去に批判していました(下の黄色の強調は引用者による)。

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出所:鈴木俊一ホームページ

実績への信頼|鈴木俊一ホームページ

鈴木俊一氏のタバコ業界からの政治献金

なぜ、これほど、鈴木氏は受動喫煙防止対策に反対するのか。言うまでもなく、タバコ業界とべったりで、献金も受け取り、おそらくは選挙でも世話になっているからです。日本禁煙学会が、自民党たばこ特別委員会の議員につき、2015年までの6年間での献金額を調べたところ、鈴木氏は6年間で125万円の献金を受け取っていました。年間平均で20万円強です。

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出所:日本禁煙学会ウェブサイト

http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/17-12_02_kantogen1122.pdf#search=%27%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A+%E7%8C%AE%E9%87%91+%E7%A6%81%E7%85%99%E5%AD%A6%E4%BC%9A%27

私も、直近の政治資金収支報告書(昨年11月公表)で調べたところ、鈴木氏が代表を務める自民党岩手県第二選挙区支部は、タバコ業界から、一昨年2017年に、合計で60万円を受け取っていました。2015年までが平均20万円強でしたから、タバコ業界からの献金はむしろ増えています。

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出所:岩手県選挙管理委員会

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出所:岩手県選挙管理委員会

http://www3.pref.iwate.jp/cgi-bin/db.cgi?page=DBView&did=778

献金を受けた団体へのアピールとして、先に紹介した鈴木俊一氏のウェブサイト(「鈴木俊一ホームページ」)には、葉たばこの買い入れ等の視察の写真レポートが繰り返し、紹介されています。

私は、鈴木俊一氏の人格攻撃をするつもりは全くありません。ただ、これほど深くタバコ業界に関わり、タバコ業界の代弁をしてきたうえ、WHO、IOCに政府が約束をした直後に、政府の受動喫煙対策をつぶすという裏切り行為を平気で行った政治家には、絶対に五輪担当大臣を任せてはいけません。

今回、あまりに急な交代劇で、安倍総理も十分検討する時間はなかったことでしょう。今回は国会対応のためのワンポイントリリースということなら、一万歩譲ってやむを得ないとしましょう。それでも、できるだけ早く、五輪開催までには絶対に、鈴木氏を交代させるべきです。後任は、身体検査がいらなくて、五輪担当大臣の経験がある人、ということなら、IOC、WHOとの約束を守って実効性ある受動喫煙対策を行うと明言した丸川珠代氏にすべきです。