日本の改革

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地方議会は26%が無投票当選:メディアは「投票に行け」と説教する前に、議員定数削減のキャンペーンを!

今日の要点

統一地方選挙前半の投票日です。地方議会では26%が無投票当選で、都市部でも無投票当選が増えています。メディアは、「住民の関心が低いのは問題です」と言う前に、「議員定数が多すぎます!」というキャンペーンを張っていただきたいです。

無投票当選の増加は、住民のせいではなくて、定数が多すぎるせい。メディアは定数削減を訴えて!

統一地方選前半戦の投票日を迎えました。

前半「戦」とはいうものの、「戦い」となっている選挙はごくわずか。知事選は北海道を除いて、例によって相乗りばかり。

www.nikkei.com

本気の戦いは、大阪ぐらいでしょう。都構想の実現を賭けて、維新が公明まで敵に回して、クロス選+府市の議会選。国政での二階対官邸もからんで、今後の政局的にも、一番注目です。個人的には、市議選で単独過半数がとれるか、とれないまでも公明党にどれくらいプレッシャーをかけられる勝ち方になるか、あたりが見どころかと思います。

ただ、他地域の興味をひくほどに選挙が盛り上がっているのは、大阪と北海道くらい。特に地方議会では、相乗りどころか、立候補者が一人しかいなくて、無投票で当選する議員の割合が26%を超えて、史上最高です。

mainichi.jp

東京新聞が、道府県議選ごとの、無投票当選者の割合を地図形式で示しています。今回の統一地方選が行われない1都5県を除いて、以下のようになっています。4割超が無投票当選となるところが5県もあります。県知事選で与野党対決のはずの北海道も、道議会選挙は35%が無投票当選、本気の戦いのはずの大阪府議会選挙でさえ、14%が選挙なしです。

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今回、大都市圏でも無投票当選が非常に多くなっています。大阪と兵庫はそれぞれ14.8%、17.4%が無投票当選ですが、これはまだ少ない方で、愛知県が40.2%にもなっています。

首都圏の神奈川、千葉、埼玉の3県について、日経が記事にまとめています。定数1の地方圏だけでなく、都市部でも無投票が相次いでいます。横浜市の西区や中区、さいたま市北区千葉市稲毛区など、県庁所在地市の選挙区でも無投票です。県以外でも、横浜市議選で戦後初めて無投票の選挙区が出ました。

www.nikkei.com

なぜ、こんなことになっているのか。先の日経の記事は、県議選は国政政党の公認候補が多く、国政での「自民一強」を反映して、自民候補だけになった選挙区も多い、としており、各政党が候補者擁立を軽視しているからだ、という有識者の意見を紹介しています。朝日も、民主党の退潮を一因に挙げていますし、先の東京新聞の記事も、無投票当選は自民党が多い、としています。

digital.asahi.com

確かに、野党がだらしないというのは一因です。メディアは他に、なり手不足や住民の関心の低さも理由に挙げています。

しかし、無投票当選が増える根本的な原因は、人口減少が続くのに議員定数が多すぎるからです。

2015年9月10日、総務省の第31次地方制度調査会(第23回専門小委員会)では、地方議会の課題について議論していました。

総務省|地方制度調査会|第31次地方制度調査会第23回専門小委員会

そこでの資料によると、統一地方選での無投票当選者数の割合は、以下のように推移しています。都道府県議会については、昭和50年代にかなりのアップダウンがありますが、平成に入ってからは、おおむね2割程度に高止まりして、最近は増え続けているのが分かります。市議会や指定都市議会は幸いかなり低い水準ですが、それでも、過去2回では上昇傾向です。

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出所:総務省

http://www.soumu.go.jp/main_content/000376781.pdf

同じ資料に、各議会の議員数の推移も出ています。平成の町村合併のため、町村議会の議員数は大きく減っていますが、都道府県議会の議員数はほとんど変わらず、市区義の数も、町村合併時に多少増えてまた減ったほかは、ほとんど変わっていません。グラフが扱っているのは平成10年以降なので、無投票当選者の割合が高止まりしている時期にあたります。

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出所:総務省

http://www.soumu.go.jp/main_content/000376781.pdf

一方、同時期の人口減少は周知の通りです。

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出所:総務省


www.stat.go.jp

もちろん、人口減少よりも早く無投票当選が増えているので、人口減少だけが原因ではありません。それでも、前々回の統一地方選以降の頃からは、人口減少が続く中で、無投票当選者割合が増え続けています。このままいけば、このトレンドが続くでしょう。

無投票当選者の増加は、投票権を行使できない有権者を増やすことになります。民主主義が否定され、議員をますます既得権化させてしまいます。統一地方選投票率の低さはもちろん大問題ですが、そもそも地方議会が既得権化していることも、住民が関心を持てない一因でしょう。

メディアは、投票に行くよう呼びかけると同時に、地方議会、特に、道府県議会の定数削減キャンペーンを打って、住民、国民に、問題提起をしてほしいと思います。住民、国民も、これから自分達の地域で声を上げるべきでしょう。タイトルで、メディアに対して、住民に説教するなと言いつつ、最後は私の方こそ、「説教」になってしまいましたが、私自身、出来ることから始めていきたいと思います。