日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

消費税増税は延期せず、かわりに大型補正予算組んで衆院解散か。企業向けバラマキの目玉は「データ資本主義」?

今日の要点

・昨日の経済財政諮問会議で、景気失速時の補正予算の議論がありました。来年度予算も既に成立しましたし、さすがに消費税増税の延期はもう無理。おそらく、大型補正予算組んで、衆参ダブルで解散打ってくる、と予想します。

・バラマキの名目は、G20で議題となる「データ資本主義」の振興あたりではないかと思います。「データ自由流通のインフラ作り」等の名目で幅広い業界に配る形です。

・改革派は、景気対策として、企業向けの支出ではなく、保育・教育の無償化前倒しや介護保険負担減等、家計向けの支出を訴えるべきです。

野党がバラバラで支持率低い⇒解散したいけど、消費増税延期は無理⇒大型補正予算で支持率上げて解散!?

昨日の経済財政諮問会議で、世界経済の減速が国内に与える影響への対応等につき、議論がありました。

時事通信によると、民間議員が、世界的な景気失速が鮮明になった場合は「機動的な政策をちゅうちょなく実行すべきだ」と提言したそうです。安倍首相は会議で「海外の経済情勢や政策動向の変化がより著しくなってきている」として、「国際経済リスクを十分注視し、経済運営にいっそう万全を期していく」と発言しました。

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私はこれを見て、衆議院解散で衆参ダブル選挙もあるのでは、と感じました。

総理は消費税増税までに解散がしたいはずです。まず、野党は一向にまとまらないまま統一地方選に突入、参院選でも、バラバラのままになりそうです。

立憲民主党は、国民民主党等の旧民進党出身者が出る選挙区にも独自候補を擁立すると発表して、国民民主党の議員の中には、「これだけ嫌がらせされて協力できるわけがない」と怒ってる人もいるとか。後半国会の憲法審査会への対応さえ足並みがそろわないようです。

立憲、国民 ずれる思惑 夏の参院選での共闘「できるわけがない」 - 毎日新聞

国民民主党自由党の合流さえ、一向に進みません。玉木氏は党内を全然まとめられず、立民に手を突っ込まれて、解党論まで出る始末です。

国民民主、くすぶる解党論 自由党との合併に展望なく(1/2ページ) - 産経ニュース

そんな状態のうえ、前半国会での統計不正の追及が国民には伝わらず、野党の政党支持率は、軒並み低迷しています。今月の世論調査では、野党第一党の立民さえ、朝日で5%(前月比-1%)、読売で4%(同-2%)、日経で7%(同-2%)です。通常国会を通じて、立民の支持率はおおむね下がり続けていました。立民も、強引な候補者擁立で一人勝ちとなる力はありません。内閣支持率はほぼ横ばい、自民支持率は微減程度です。

世論調査―質問と回答〈3月16、17日〉:朝日新聞デジタル

2019年3月 電話全国世論調査 : 選挙・世論調査 : 読売新聞オンライン

支持率を追う 日経世論調査アーカイブ:日本経済新聞

総理はこのチャンスを逃したくないでしょう。しかし、大義名分がないとかえって世論の反発を買います。

幸い??世界経済は不透明になってきています。米中貿易摩擦中国経済の減速、日本にとっては中国への輸出減、イギリスのEU離脱の可能性もあり、ドイツとイタリアの経済が不調、日米貿易交渉でアメリカへの輸出は減る可能性もあります。

こうした背景から、日銀が4月1日に発表する短観は大幅な悪化が見込まれ、製造業の景況感も悪化しています。

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アメリカの景気は悪くないようですが、アメリカの長期金利短期金利が逆転する逆利回りになっていて、今後の景気後退が予想されています。そういうときには、金融緩和を予想した「政策相場」でかえって株価は上がると言われていますが、それも長続きしませんし、今回はそうした政策相場にならないかも、という声もあるようです。

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このように、海外要因で日本の景気悪化が見込まれる、というのは、安倍総理にとっては、ありがたい??展開でしょう。何らかの景気対策を打ち上げて支持率を上げて解散をしやすくなるし、そのうえ、国内経済が悪くなって対策が必要になるのは自分のせいではなくて海外のせいだ、と言えるからです。消費税増税延期で「リーマン・ショック級の」何かがあれば、という言い方をしてきたのも、そのせいでしょう。

では、今回は、消費税増税を延期するでしょうか?朝日は、まだ可能性はあると言いますが、

消費増税の最終判断、首相は留保の構え 各党選挙戦へ [2019統一地方選挙]:朝日新聞デジタル

日経は今回はさすがに難しいのでは、と見ているようです。今日の記事を引用します。

首相は過去2回は増税予定日のだいたい1年前までに増税延期を判断してきた。首相は予算成立を前に「よほどのことがない限り、予算を崩す方がリスクが大きい」と周囲に語っている。

リスクというのは、延期時の混乱です。消費増税は幼保無償化の財源になっているので、それを見越した新施設の開設準備もされているし、小売店も税率変更と軽減税率とポイント還元のための対応をしているからです。

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確かに、民間が既に進めた対応を全て無視して増税延期をするのでは、反発は大きいでしょう。内閣支持率が下がっては、増税延期をする意味がありません。

そこで、昨日の経済財政諮問会議の話に戻りますが、大型の景気対策を打つと発表して解散、ということにならないか、と感じたわけです。補正予算を組むにも参院選まででは国会日程が厳し過ぎますが、景気対策をやりますとだけ発表して選挙後に補正予算ということなら、日程の問題はクリアできます。

バラマキの目玉は「データ自由流通のインフラ作り」?

では、大型経済対策の目玉は何でしょうか。それらしい今風の言葉を使ってお化粧をするため、「データ資本主義の加速」とか「データ自由流通のインフラ作り」とか言い出すんでは、と思います。

IT大手プラットフォーマー(いわゆるGAFAマイクロソフト、それに中国企業)がデータを独占していることが競争法や消費者保護の点で問題になっていますが、データの自由な流通というのも大きな課題になっています。特に、中国が自国内で集めたデータを外に出さないのに、世界中のデータを集めているのが問題なので、日米欧でデータの自由流通を保障してデータ資本主義の発展を促す、という話です。

データ経済圏 覇権競う 日米欧、自由な流通へ枠組み/中国、官民で集約しAI強化 :日本経済新聞

既に、中国を念頭に、WTOがデータ取引を自由化するルールを作ることになっていますし、

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これを踏まえて、安倍総理は1月のダボス会議で信頼ある自由なデータ流通のための体制を作り上げる、と述べていますし、

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6月に大阪で開かれるG20でも、この点が議題になる予定です。経済界もこれに先立って、経団連が議長役のサミットを開きました。

データ自由流通の重要性を確認へ G20経済界サミット開幕 :日本経済新聞

これを受けて、昨日の経済財政諮問会議の資料でも、民間議員が、「国際的なデータ駆動型経済拡大の時代に相応しい、安心と信頼性の高いルール づくりを、データの越境流通や国際課税等の分野でリードし、グローバルな経済 活動を促進すべき」と提言しています。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019/0327/shiryo_04-1.pdf

議論されたのはあくまで、「ルール作り」の話ですが、そのためのインフラ作り等の名目で、色々な業界に対して、国内ITベンダーがもうかって各種の業界にもちゃんとお金が行き渡るような景気対策を打つんではないかと予想します。「データ云々」は本当はどうでもよくて、バラマキとか効果がないとか言われないようにするための名目として、こんな言葉が使われそうに思います。効果なんてあろうがなかろうが、経団連企業のITベンダーがもうかるような事業があちこちで行われているので、それと同様のやり方です。本ブログでも以前、医療IT事業について取り上げて批判しました。

国の医療IT事業を食い物にする既得権者、国内のITベンダー。グーグルの医療クラウドに駆逐されてしまえ。 - 日本の改革

 旧来型のITベンダーも、新興のネット企業にもお金がゆくような対策なら、経団連企業だけでなく、自民党が支持を広げたがっている新経連からも支持されるでしょう。自民はネット世論ももちろん気にしているので、そこ向けのアピールにもなるはずです。

[自民党研究 政党を問う]第2部 団体・組織<5>政治献金 縛られぬ関係…交付金で財界依存度低下 : 政治 : 読売新聞オンライン

[自民党研究 政党を問う]第2部 団体・組織<3>ネット世論 政策左右…業界偏重では「大きな票失う」 : 政治 : 読売新聞オンライン

改革派は、企業向けの支出ではなく、保育・教育の無償化前倒しや介護負担減の家計向き景気対策を訴えて!

では、改革派は、景気対策として、何を訴えるべきでしょうか。向こうが企業向けのバラマキでくるなら、こちらは同じバラマキでも意味のあるバラマキ、家計向きの支出増にすべきです。以前、既に本ブログで書いた通りで、企業向けではない、家計向きの財政支出を主張すべきです。

景気悪化の際の経済政策:金融緩和継続、消費増税路線を撤回、財政支出を企業・団体からバウチャー方式で家計へ。 - 日本の改革

繰り返しますと、教育・保育の無償化を前倒しし、介護の自己負担を軽減するという目的限定の補助金、つまりはバウチャー方式の支出を家計について手厚く行い、その財源は、非効率さの目立つ企業・団体向けの財政支出の削減で賄うべきです。既得権者の団体やその支持を受ける政治家・政党の力を弱め、家計向けバウチャーを増やすことで、そうした団体と無縁の無党派の人達の支持を得られます。

総理が解散についてどう判断するか、断言はもちろん出来ませんが、色々な可能性は考えるべきです。私は、何としても解散したいはず、消費税増税延期は無理なはず、それなら大型景気対策は出してくるはず、その名目にG20で取り上げるテーマであるデータ資本主義の促進を入れるはず、という予想をしています。総理がどう出るにしても、国民がその意図を含めて政策の本質を見抜いて、改革派が正しい対案を出してくれることを願っています。


追記:読売の紙媒体の一面トップは、老朽インフラについて。従来型の公共事業も当然やるでしょう。