日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

予算案、ひっそりと成立の運び:どうすれば、国民が予算案や法案の成立過程をちゃんと監視できるのか

今日の要点

・新年度予算案が、3月27日にも参院で可決される見通しです。今回に限らず、国会での予算案の中身の審議はいつも全く不十分です。法案の審議さえ、行き届きません。

・国民が予算案や法案の成立過程を監視できるようにするため、政党の「事前審査」を原則として公開するべきです。自民党が「政調改革」をするようですが、官邸への牽制の側面ばかり強く、情報公開の視点がありません。政党助成金をもらっているのだから、与党も野党も、予算案・法案についての役所や企業団体を呼んだ会議について、出来る限りネット公開すべきです。

新年度予算案、人知れず?成立へ。予算案や法案について、国会のチェックは不十分。

2019年度予算案について、与野党が、参院予算委員会での締めくくり質疑(「シメソウ」というんだそうですね)を3月27日に行うことで合意、採決の合意はまだですが、予算案は27日中に参院本会議で成立しそうです。

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今国会は、野党は統計不正の問題を追及はしましたが、国会運営自体は大変に物分かりが良く、予算案は衆議院をすっと通り、参議院は消化試合でした。与野党ともに、本音では4月と7月の選挙が気が気ではなくて、国民に怒られない程度にさっさと国会を閉めたかったのでしょう。選挙は選挙で大事なので仕方ないことではあります。

今国会の予算委員会では、統計不正についての議論が時間をかけてなされました。去年は、モリカケの議論がされていました。私は、予算委員会で、こうした問題が議論されることには、賛成です。野党は圧倒的に不利な立場ですし、予算成立を人質にして、行政監視を含めた国政の重要課題を国民の前で議論するのは、やむを得ないと思います。ただ、総理や閣僚を必要もないのに拘束するのは問題で、そこはすぐにでも変えるべきとは思いますが。

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それにしても、予算案の中身についての国会のチェックは、現状では全く不十分です。6月に骨太の方針、夏には概算要求が公表されるとはいうものの、概算要求が出来るまでの役所内の議論は非公開、その後の財務省の査定の議論も非公開。そんな状態で年末に政府予算案が公表され、1月からの通常国会で3月までにバタバタと衆議院参議院の二つを通さないといけません。

ただでさえタイトなスケジュールのところを、統計不正やモリカケもやらないと政府は緩みっぱなしなので、それはそれで時間が必要です。ということで、予算案の中身自体は、いつもおざなりの審議です。政府も、通常は予算案について、絶対に修正など応じないのですから、予算の中身を詳しく論じても空しいばかりです。

予算案ほどではないですが、法案についても似たような事情はあります。政府提出法案については、各省の審議会等の議論が通常はネットで公開されているので、まだましではあります。とは言え、役所を超えた政治的調整については、国民はメディアの報道頼りです。

周知の通り、国会での審議の実質化について、小泉進次郎氏が国会改革案をまとめました。国家ビジョン、法案・政策、スキャンダル追及の三つに国会審議を分けよう、というものです。疑惑は疑惑で徹底追及、法案・政策については、総理等の出席は減らし、日程闘争をさせないように審議も計画化する。実現すれば素晴らしいので、将来に期待しています。ただ、残念ながら、現状では実現の見通しがありません。

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各政党は、予算案や法案に関する会議を、原則として公開すべき

国会がなかなか動かないなら、まずは政党が変わるべきではないでしょうか。一つのやり方は、予算案や法案についての政党の「事前審査」を原則として公開させることです。事前審査は、法案提出前に与党の政調部会等が予算案や法案の中身について、役所や業界団体等も呼んで審議するものです。

民主党政権でも最初は似た形でしたが、小沢一郎氏が政調自体を廃止して、一時、「事前審査」を実質的に幹事長室だけで行おうとしました。政調廃止は民主党内の権力闘争のためだったようですが(以下リンクに出ています)、いずれにせよ、政権与党は、何らかの事前審査を行っています。この事前審査の議論を、政党は公開すべきです。

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現在、自民党の岸田政調会長が、「政調改革」を進めていますが、大した変化は望めそうにありません。官邸が党政調の頭越しに色々決めるのがけしからん、もっと部会を強化しよう、ついては、副部会長等はちゃんと出席しなさい、とか、正直、下らないものもあります。部会と言えば、かつてはいわゆる族議員のたまり場で、今でも様々な利害関係者、既得権者の利益を吸い上げる場所です。官邸主導の改革を進めるときに、こうした会議体を軽視するのは、むしろ望ましいことでもあります。

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自民党政調会には、部会のほかに調査会等の色々な会議体があります。岸田氏はその統廃合を進めています。無駄な会議を減らすのは結構な話ですが、24の総裁直属機関に関しても、政調と機能が似た組織を見直して19に減らすようです。こちらは、官邸の手足を少しでも減らそうということでしょう。

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あらためて、自民党政調の部会や調査会等の役職の一覧を見ると、さすがに多いですね。私が維新の下地幹郎議員に聞いたところでは、自民党の議員達は、政府の法案に反対の時には、議連を立ち上げて、そこで騒いだり、部会以外の調査会とか何とか委員会とかを利用したりするということです。確かに、健康増進法の改正案については、たばこ議連が大騒ぎをしていました。
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いずれにせよ、岸田氏の「政調改革」の中身は、結局はポスト安倍に向けた官邸への牽制の側面ばかりが目につきます。あまり大した牽制にもならないとは思いますが。

自民党がせっかく政調改革をするのなら、官邸や党内の方だけを見ないで、国民の方を向いた改革をすべきです。会議体を作るとか廃止するとかいうのは、民主党政権の小沢氏や今回の岸田氏を見れば分かる通り、要は仲間内の権力闘争の一環です。合理化のために必要なときは権力闘争込みでやったら良いでしょうが、それだけでは困ります。

政党は、政党助成金を受け取っているのだから、与党も野党も、予算案・法案についての役所や企業団体を呼んだ会議について、出来る限りネット公開すべきです。それによって、国民は、政党や政治家が誰の言うことをどう聞いて、個々の予算の項目を決めているのか、法案の中身を決めているのか、相当程度まで分かるようになるはずです。

政治的機微にわたる部分については、国会議員同士だけで会議をすればよいので、役所や企業団体等を呼んでの予算案・法案に関する会議だけでも、原則として全て公開するべきだし、これなら、国会改革ほどにはハードルが高くないでしょう。岸田氏が断固としてやると言えば党内で議論も起こって、役員の出欠なんか取るより、よほど政調の活性化になるでしょう。岸田氏も、本気で総理を目指すなら、国民の方を向かないとダメです。