日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

あなたは「枝野総理」に耐えられるか:「官から民へ」は撤回、民間の賃上げ興味なし、教員の給料はアップ

今日の要点

・安倍4選のアドバルーンまで上がる中、バラバラな野党のダメっぷりが際立っています。

枝野幸男氏は、野党共闘に消極的な姿勢です。次の選挙で国民民主党を解党させて、野党を一つにまとめて政権を狙うのでしょう。

・仮に、枝野総理になったら、介護士、保育士、教員の待遇向上が柱になるでしょう。財源はまだ示しておらず、消費増税頼りの可能性もあります。「官から民へ」路線も撤回、民間の賃上げは政府の仕事ではないと言い切るなど、とても国民の期待は集まりません。

安倍4選のアドバルーン

「安倍4選」という話が出始めました。今の任期のままだと2021年で終わりだから、レームダック(死に体)になるのを防ぐため、とか言いますが、これを言い出した二階派をはじめ、自民党内では賛成が多いでしょう。日経によると、首相自身は「少し早いね。いろんなことを考えてのことだろう」と周囲に漏らしたとか。本人はやる気まんまんに聞こえます。

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 小泉純一郎元総理も反応します。自民党内は『安倍1強』でも何でもない、黙っている人が多いだけで、石破氏が「今のところ第1候補だろう」と語ったそうです。

一方、野党について、小泉氏は、「だらしない。政権を取ろうとしておらず、自分の政党が伸びればいいと思っている」、「野党が統一候補を出さない限り、選挙で自民党に勝てない」と至極もっともなことを言っています。

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小泉さんに言われるまでもなく、バラバラのままの野党は、だらしないにも程があります。去年、3選したばかりの安倍氏について、もう4選の話が出ても、ほとんど反応しないし、出来ないでしょう。

何より、次の総理候補として、野党は誰を推すのか。いま、国民の目についている人は二人います。ポスト安倍は自分だと公言する枝野氏と、小沢一郎氏が玉木氏と共演した番組で「野党のリーダー」と目した橋下徹氏です。橋下氏については、まだ国会議員ではないし、ご本人は現状では否定していますが、世論次第だと思います。仮に小沢氏らの真意が枝野氏を振り向かせることだけだとしても、国民の中で橋下待望論が盛り上がれば、野党全体が真剣に考えざるを得なくなるでしょう。自分なりの橋下待望論は、当ブログでも書きました。

"NewsBAR橋下"での、橋下・小沢・玉木会談:次の衆院選で自民打倒、橋下政権樹立。 - 日本の改革

国民民主党内で「橋下新党」待望論。実現のために、野党は見応えのある「政治」をやってほしい。 - 日本の改革

では、もう一人、野党第一党の代表で総理候補を自認する枝野幸男氏は、総理候補たりうる人物なのか、考えてみましょう。

 

枝野幸男氏の狙いは国民民主党の解党

まず、自民党に対抗できる政党をまとめることが出来るでしょうか。現時点では、とてもそんな意思も能力もなさそうです。

去年12月の日本記者クラブでの会見で、一昨年の衆院選前の「解党騒動」について、こう総括しています。

「20年来の野党の『大きな塊』論の行き着いた先がこの騒動だと直感し、選挙を通じて確信した」

政権交代が自己目的化し、それを叫ぶほど不信が蓄積した。希望の党の失速は『排除』より民進党が合流を決めたから」

こうした認識自体が間違っています。希望の党民進党の合流の時点ではまだ国民の期待は十分高い状態でした。安倍自民党を倒す可能性が高まったからです。失速の原因は、野合ではなく、総理候補も決まらず、一気に政権を狙うのか次に備えるか等の戦略も見えなかったためです。つまり、安倍自民党を倒す可能性がないと国民に思われたからです。

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立憲民主党の支持率は、現状では野党内では断トツなので、他の党と下手に組むのは得策ではないのも確かです。野合でもなく、バラバラでもなく、各党が考え方で筋を通しながら、しかも結果的にまとまるにはどうすればいいか。橋下徹氏の言う、野党間での予備選が一番良いやり方のはずです。文字通りの選挙戦でなくとも、公開討論を行ったうえでの世論調査の数字を使う等、国民が納得して支持できるまとまり方はあるはずです。

枝野氏も、当初はこの予備選の考え方に前向きだったのに、今年になってトーンダウンし、消極的な姿勢になりました。国民民主党自由党以外の他党が反対するし、自分も同じだ、ということです。せっかくの良い提案を生かすつもりがありません。

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結局、枝野氏が狙っているのは、次の参院選で国民民主党を解党させることでしょう。そして、落選議員らを個別に吸収し、国民民主党の資金等も引き継いで、立憲民主党を大きくする。そのうえで安倍自民党に挑戦する、という構想のようです。月刊FACTA3月号によれば、枝野氏周辺は、次の参院選は「国民民主を徹底的に壊滅させ、野党全体を自民と対決する『立憲民主』色に染める好機」と言っているようです。

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それはそれで、一つの見識です。では、『立憲民主』色で一色の野党を、国民は支持できるでしょうか?立憲民主党は枝野氏の私党に近く、代表選も想定していないようです。立憲民主の色とは、つまりは枝野氏の色なのであり、本人も自分がポスト安倍の総理候補だと公言しているのですから、枝野幸男氏の考え方を国民が支持できるかどうか、というのが重要になります。

国民は、「枝野総理」を支持するでしょうか?あなたは「枝野総理」に耐えられるでしょうか?

「枝野総理」がやりたいこと

仮に枝野氏が総理になったら、何をやろうとするのか。現在のところ、参議院選の公約も発表されておらず、枝野氏も、まだ手の内を見せないなどと言っているようです。ここでは、枝野氏が一般の有権者向けに行った講演の内容から、「枝野総理」がやりたいことを考えてみます。2019年2月3日のオープンミーティングの講演をまとめてみます。

要点は二つです。

①「お互い様の支え合い」を政府が作る

・かつては、家族、隣近所等の自然発生的なコミュニティで、「お互い様」という考え方で、「支え合い」をしてきた。昭和の高度成長等で、こうした支え合いが失われた。かつてのコミュニティはもう機能していないので、国家が行うべき。

・介護、保育、教育の分野で働く人の給料は国が上げられる。民間企業の給料は政府が口出しすべきではない。
・競争を加速すれば良いという新自由主義は間違い。私もかつて「官から民へ」と言ったが間違いだった。

②多様性を認め合う社会にする

・いま現に不利益を受けている少数者のためになることは社会全体のためになる。少数者に政治の最前線で声を上げてもらいたい。
・新しい製品、技術、働き方。新しいものは変わり者が作る。人と違っている人を温かく見守る社会でなければ、新興国がまねできないものは作れない。
・多様性を認めないと活力失う。(安倍自民党の言う)「この道しかない」ではダメ。その道が行き止まりになったときに別の道がないといけない。

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二番目の、多様性重視、というのは結構な話です。社会全体の生産性についても考えており、中身次第では、十分に改革派と言えるでしょう。選挙にマイノリティの候補者を出す、というのも賛成できます。

問題は、一番目の「お互い様の支え合い」です。

中身は、見れば分かる通り、介護士、保育士、教員の給料を上げよう、ということです。介護や保育や教育の質・量を高めよう、という言い方ではなくて、待遇のアップを重視した言い方をしています。また、教員については、政治の力で上げることが出来るというのですから、主に公立校の教員を念頭に置いているのでしょう。やはり自治労の方を向いた政策です。

そして、自分が主張していた、「官から民へ」は新自由主義であり、間違いだった、として、撤回すると言います。それなら、公務員制度改革は行わない安倍政権と変わりありません。

また、民間の給料を上げるのは政府の仕事ではないと言っています。これはおかしな話です。安倍政権の「官製春闘」には賛否があるでしょうが、政府が賃上げを誘導する政策はいくらもあります。当ブログでは以前、内部留保課税を主張しました。

政府・与党・野党・国民は、力を合わせて、経団連の抵抗を排して、内部留保課税を実現しましょう! - 日本の改革

それより、民間の賃上げに興味がないというのは、国民民主党を支持する民間労組は無視、という言い方にも聞こえます。国全体のビジョンを語るというより、狭い狭い野党内に視野が限定されているようです。

教員、介護士、保育士の給料を上げるにしても、財源は明示していません。今のところ消費税増税には反対しています。「お互い様の助け合い」路線は、消費増税路線ではない、というのが普通の理解のようではあります。井手英策氏は、旧民進党代表戦につき、前原氏の「オール・フォー・オール」の消費増税路線に反対するのが、枝野氏の「お互い様の助け合い」路線だと言っています。

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それどころか、先に紹介したFACTA3月号は、立憲民主党関係者の声として、消費税減税を隠し玉として持っていると言います。しかし、以前、このブログでも書いた通り、自治労に配慮する枝野氏が、本当に消費増税に反対か、そもそも疑問です。

立憲民主党は、「本当に」消費税増税に反対か:連合は消費税増税に賛成。自治労もおそらく賛成。 - 日本の改革

以上のように、「枝野総理」では、国民の期待がとても集まりません。視野が狭く、広い国民全体に訴えかけているように見えません。「お互い様の助け合い」は、国民の心に刺さるようなフレーズでもありません。安倍自民党を倒す言葉は、やはり、「改革」です。野党は、国民が納得できる形でまとまるとともに、総理候補としては、橋下徹氏を担ぐべきです。