日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

経団連会長は、本気で原発を新設したいなら、自分の言い出した「一般公開の議論」に応じなさい。

今日の要点

経団連は、年初に中西会長が明言した「一般公開の議論」から逃げています。なぜ原発事業を続けたいのか、理由を国民に率直に訴えるべきです。

・野党は、国民の声をまとめるため、「原発ゼロ」でまとまるべきです。参院選の争点には、「原発ゼロの是非」を掲げるべきです。

経団連は、国民との議論から逃げるな。

経団連の中西宏明会長(日立製作所)が「原発原子力爆弾が頭の中で結びついている人に『違う』ということは難しい」と発言。原発の推進派、反対派の双方から叩かれています。

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この「原発と原爆が区別つかない」という言い方、電力業界等がずっと言い続けてきたようですね。

30年以上昔、東北電力が社内文書で、原発原子力発電所と正式に呼称するよう指導していたとか。週刊朝日が昨年3月に掲載した東電委託会社の内部NGワード集にも「×原発→○原子力発電所(原爆をイメージさせる)」とあるそうです。

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要は、経団連会長の頭の中では、

原発」という呼び方はけしからん!何も知らない連中が「原爆」と間違えるじゃないか!おかげで再稼働も新設もできない!どうしてくれるんだ!

という義憤が渦巻いているのでしょう。

こういう言葉の端々に、経団連参加企業トップ達の感覚が透けて見えます。国民の感覚とずれいている、というだけではありません。我々が「正しい」認識を持っているので、国民の誤解を解かなければいけない、と信じ切っているのでしょう。それならそれで、国民に直接訴えかけるべきです。原発は、国民の負担なしには成り立たないのであり、これからますますそうなっていくのですから。

経団連会長の中西氏は、年初の会見で、原発について、「国民が反対するものはつくれない」、「一般公開の議論」が必要だ、と言っていました。

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この発言のウラの意図は、「首相官邸への牽制と恫喝」だろう、と『選択』2月号が報じています。

中西氏は日立のトップとして、原発輸出をあきらめた昨年の時点で、青森県の東電の東通一号機の新設に舵を切ろうとした、というのです。この原発は、東日本大震災直前の2011年1月に工事を開始したものの、311後は建設がストップしています。日立にとっては、東芝の牙城である東電から「一号機」を受注するのは大変に嬉しいことだったとか。それが一夜にしてパーになってしまい、着工後は棚ざらしでした。

そこで、この東通一号機の事業を含めて、日立は東芝原発事業を統合しようとしている。

「しかし、東通一号機は建設されるのか―。」

そこで、中西氏が安倍政権にブラフをかけたのが年頭の、国民の理解と「一般公開の議論」必要発言だったと。原発と原爆の区別もつかない連中の説得に政府はちゃんと汗をかけ、原発の輸出が出来ないんだから、あとは国内で新設と再稼働しかないじゃないか、政府はちゃんと世論対策をやって面倒見てくれるんだろうな、というわけです。
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 中西氏の、国民的な議論が必要という発言、このブログでも取り上げてきました。『選択』の上述の記事は先月には読んでいましたし、中西氏の意図は脱原発とは正反対だろうと私も思っていました。が、意図はどうあれ、トップの発言は重いものです。たとえ本人が安倍政権向けの仲間内の発言のつもりだったとしても、「国民」に議論を呼びかけたその言葉はもう撤回できるものではありません。

 経団連会長の「原発は国民反対ではつくれない」発言:国民とは何か、改革とは何か - 日本の改革

中西氏は約束を守って、自身も参加して、国民との「一般公開の議論」に応じるべきです。知っての通り、小泉純一郎元首相は、やる気まんまんですよ。小泉さんが顧問を務める「原事連」(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)という団体が、経団連公開討論会開催の要請書を渡したのに、「時期尚早」と言って電話で断ったとか。4月に提言書をまとめると言っていますが、提言に基づいて公開討論に応じる、とも言いません。

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原発をどうしても続けたい企業トップ達が、どんな経営上、労務上の必要性があって、そうしたいのか、国民に率直に語ることは、絶対に必要なことです。安全性もコストも環境負荷も大きな問題を抱えている産業を、なぜ国民の負担で維持する必要があるのか。数十年にわたって重い国民負担を強いてきたうえ、廃炉と最終処分だけでも更に重い負担を国民に負わせようというのだから、逃げてはダメです。

野党は、「原発ゼロ」でまとまって、原発参院選の争点にすべき。

原発に関する国民的議論のためには、「国民」の声をまとめることも必要です。安倍自民党は、トップが絶対に脱原発と言わないので、野党が国民の声を代弁するしかありません。原発については、野党は政治的に極めて有利な立場にいるはずです。世論調査を何回やっても、再稼働さえ反対の声が賛成をダブルスコアで上回っています。

経団連会長「原発の議論をすると選挙に落ちる」発言⇒政府は国民と対話すべき。原発ゼロ決定で初めて対話が可能になる - 日本の改革

直近の朝日の世論調査でも、再稼働に反対56%、賛成32%です。

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 これほど勝ち目のある話なのに、国民民主党は「原発ゼロ」となかなか言いません。どうせ支持率ゼロなのだから、電力総連の票などより、分かりやすく原発ゼロと言って増える票の方が多いはずですが。最近になって、少しは歩み寄っているようですが。

小沢一郎氏が、国民・自由合流の焦点は、「原発、安保、消費税」と言っているようです。二党の話し合いは好きにしたらいいのですが、参院選の争点は、「原発、消費税、行政改革」の方が良いだろうと思います。

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 いずれにせよ、参院選では、原発は争点として外せません。野党は頼りないですが、原発の是非について、主権者・国民を代表して、政府・与党・経団連等の原発推進派に対峙すべき立場にある、という重大な使命をよく自覚すべきです。国政選挙こそは、統合された主権者としての「国民」の意志が示される場であり、それに向けた議論こそが、経団連の呼びかけた国民的議論となります。