日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

統計不信で内閣支持率下落。野党は不正と政治的中立性の問題に集中し、実態解明と対案実現で結果を出すべき。

今日の要点

・統計不信で、少しですが、内閣支持率が下がり始めました。政府・与党の対応を見ると、まだ攻める意味がありそうです。

・野党は、アベノミクス自体への批判は避け、不正と政治的中立性に論点を絞って、実態解明で結果を出すべきです。また、自らの統計制度改革案をぶつけるべきです。

統計不信で内閣支持率下落

統計不信で、内閣支持率が少し下がりました。以下、全て2月16、17日の世論調査、増減は前月比です。

FNNの世論調査で、安倍内閣を「支持」が、4ポイント減って43.9%、「支持しない」が、3.7ポイント増えて、42.9%でした。

政府の統計を信頼できるかを尋ねたところ、「信頼できる」は14.6%で、79.1%が「信頼できない」、これまでの政府の説明についても、「納得できない」が78.9%です。

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朝日では、安倍内閣の「支持」が2ポイント減って41%、「不支持」は変わらず38%でした。統計問題の真相解明について、安倍政権の対応は「適切」15%、「適切ではない」61%です。

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日経では、安倍政権「支持」が2ポイント減って51%、「不支持」が5ポイント上がって42%でした。

日経では、毎月勤労統計の不正問題で最も責任があるのは誰かも聞いていて、「これまでの厚生労働大臣」が34%、「厚生労働省の官僚」が31%、「安倍晋三首相」は16%、「根本匠厚労相」は3%でした。一方で、政府が組織的隠蔽はなかったと説明していることに「納得できない」は76%、「納得できる」が14%です。

www.nikkei.com

日経の調査を見ると、今のところ、安倍総理自身が悪いという見方は少数派ですが、統計不信についての政府全体の対応については、国民は厳しく見ていることが分かります。それが、どの世論調査でも、内閣支持率の微減として出てきた、というところでしょう。

昨日、2月18日は、衆議院予算委員会で、統計問題の集中審議が行われました。いくつか、新しい事実や論点が出てきました。実態解明、特に、不正の原因解明や、統計への政治的介入の有無については、決定的な証拠は残念ながら出てきませんでした。

朝日も「実態の解明は進まなかった」としており、

digital.asahi.com

日経は、「2週間余りにわたって与野党がそれぞれの立場を言い放しにしている場面が目立つ。行政を監視する国会の機能も問われかねない状況」と手厳しく叩いています。

www.nikkei.com

私も同感です。後で書きますが、野党は、不正と政治的中立性の問題に絞って、事実の解明と対案の実現で結果を出すべきです。

ただ、政府・与党が完全に逃げ切れると思って余裕の対応、というわけではありませんでした。このところ、政府は、統計問題での野党の追及が不発に終わると読んで、むしろ積極的に質問に答えるし、参考人も出す、という攻めの姿勢に見えました。わずか3日前のブログに私もそう書きました。

野党は、共産党色の強い「改憲・消費税・辺野古」ではなく、「脱原発・消費税・行政改革」で結集を! - 日本の改革

ところが昨日の集中審議では、与党は、厚労省の役人(姉崎元統計情報部長、石原元参事官)の参考人招致を蹴っています。突っ込まれたら困ることがありそうに見えます。また、最初に紹介した世論調査の結果を見て、政府・与党は、ちょっとまずいと思い始めたのかもしれません。

私は、今回の統計に関する諸問題は、与野党とも、それぞれの支持率がどうだろうと、絶対に厳しく追及すべき問題だと思いますし、原因解明と政治的に中立な統計庁等の設立が必要だと考えています。それでも、政府の対応のおかしさについて世論の理解が広まる形で内閣支持率に影響が出てきて、政府・与党の対応も変わってきたようですから、これはチャンスととらえて、更に追及すべきだと思います。

野党は不正と政治的中立性に集中し、原因解明と対案実現で結果を出すべき。

そんなわけで、野党は更に追及すべきだとは思うのですが、その追及の仕方が相変わらず散漫に見えます。統計不正と、政治的中立性の侵害の問題に論点を絞って、聞いたら良いのに、と感じます。

玉木雄一郎議員の質問は、政治的中立性について疑いがあるのはよく分かるのですが、総理等の政治介入については状況証拠の積み上げで、これまでと同様でした。

サンプルの入替方式について検討していた厚労省の検討会で、総理秘書官から総理がこの件について説明を受けた後、議論の方向が180度変わったこと等を取り上げていました。方針が大きく変わった際の議事録を3年間もウェブサイトに載せておらず、当該検討会も、委員の任期を半年残して、突然中止。中止の連絡さえ委員にも連絡せず、検討の場を総務省統計委員会に移した、という大変不自然な動きだったことが分かりました。ただ、いずれも状況証拠で、これだけでは逃げ切られると思います。

あと、労働分配率のデータも歪められている可能性がある、という指摘は面白そうでしたが、時間切れでよく分からず。ついでの話として、玉木氏は、実質賃金マイナスの根本原因は、労働分配率が低すぎることにある、という認識のようです。それなら、以前私が書いた「旧民主党理論」の人というわけではないですし、私も労働分配率の低さが大問題だというのは、同意見です。この点は、いずれまとめて書きたいと思います。

 長妻議員は、前回、大規模事業所で抽出調査だったのに2017年以前は復元せず、2018年だけ復元した点を質問していたので、大いに期待していました。ところが、期待外れ。確かに「最大の謎」と言っていましたが、酒光元政策統括官に一回聞いて、酒光氏も無責任に「いやー、復元は当然行われていると思ったんですけどねー、なぜか全然分かんないんですよ」というひどい答弁。で、それをそのままスルー。これには本当に失望しました。

一方、良かった点も二つあります。一つは、ベンチマーク更新という変更を行ったことについて、本来は、2017年以前のデータを補正する必要があったのに、なぜかやらなかったこと、それによって、2018年の賃金の伸びがかなり高くなった(公表値の半分くらい)という点の指摘です。しかも、これは、統計委員会でも何の議論もなく行われたということです。ここは、場合によってはルール違反、「不正」となる可能性があると思うので、野党はどんなルールに違反するか、はっきり示すべきでしょう。

全体的に、野党は、統計に関する政府のおかしなやり方につき、もっと何等かのルールに引っ掛けて、ルール違反だ!とやるべきだと思います。時系列で政治介入の状況証を見せるだけでは、国民としては「察し」はつくものの、「単なる印象操作だ」と反論されると、否定しきれないでしょう。やはり、法令はもとより、役所の内規等によって、ぐうの音も出ない「ルール違反」の事実を突きつける方が良いと思います。

mainichi.jp

あと、長妻議員の質問で良かったのは、2015年3月末に勤労統計の発表が突然延期されたことについて、経緯をちゃんと聞いたことです。小ネタですが、この問題、たまたま当ブログでも2月15日に取り上げて、「国会で聞くべき」とか書いたので、本当に取り上げられたのは有難かったです。残念ながら、特に事実解明にはつながりませんでしたが。

あと、昨日の小川議員は、ちょっと話を広げすぎ。GDP統計の改定で、数字が上向きになるものばかり、ということを取り上げていましたが、問題はそうではなくて、明らかな不正や政治的中立性の侵害があったかどうか、なので、そこに問題を絞るべきだと思います。

また、経済政策の議論では、消費不振の問題を取り上げたのは大変結構でした。しかし、消費増税の影響にほとんどふれないなんて、おかしいと思います。このあたり、やはり旧民主党の限界を感じます。

昨日、総理は、「不正と調査方法の変更は違う」と何度か言っていました。その通りです。不正はもちろん不正として、原因解明と再発防止、そして、調査方法の変更については政治的中立性が守られていないという問題として、これも原因解明と再発防止。野党には、これを徹底して追求してもらい、結果を出してほしいと思います。そろそろ、野党独自の対案も打ち出すべきで、政府から独立した統計庁等の設置を要求すべきです。