日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

野党は、共産党色の強い「改憲・消費税・辺野古」ではなく、「脱原発・消費税・行政改革」で結集を!

今日の要点

・野党が共闘に向けた政策協議に入っています。「改憲・消費税・辺野古」で大筋一致したようですが、旗印は「脱原発・消費税・行政改革」にすべきです。

脱原発は広く国民的合意が得られます。消費税について、旧民主党は未だ残る増税路線を撤回すべきです。行政改革は公文書管理や統計の中立性確保等を柱にすべきです。

野党の旗印は「改憲・消費税・辺野古」にすべきではない。

立憲民主党など野党6党派の幹事長・書記局長は2月14日、市民グループ市民連合」を交えて今国会での共闘について協議しました。安倍晋三首相が進める憲法改正反対や、消費増税の延期、沖縄県名護市辺野古への基地移設反対などで大筋で一致したようです。

つまり、現状では、「改憲・消費税・辺野古」を旗印にしようということです。この三つを共通項目として提示したのは、「市民連合」で、共産党と各野党をつなぐための団体です。前回は、共産党市民連合の言う方向で共闘し、1人区である程度成果を上げたから、同じやり方で、という話のようです。

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私は、野党が共闘する際の共通項目に、改憲反対と、辺野古基地移設反対を掲げるのには反対です。

憲法改正については、国民の関心が薄く、選挙でアピールしません。NHK世論調査を例にとると、「憲法改正の必要があるか」では、「どちらでもない」が「必要」、「不要」を上回って最多です。「いま憲法改正を進めるべきか、他の問題を優先すべきか」では、約7割が「他の問題を優先すべき」と圧倒的な回答ですが、これも「反安倍政権」というよりも、無関心さの表れに見えます。

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憲法改正につき、既に総理も相当トーンダウンしています。これは死んだふりで参院選後にいきなり議論を進めるかもしれませんが、選挙までは暖簾に腕押しでしょう。

そもそも、憲法改正については、国民投票を行うべきです。国会が発議をしないのは、国民の参政権を奪うことになります。9条に限らず、いまの憲法に賛成にせよ反対にせよ、国民が意思表示を行う権利行使の機会は保障されるべきです。

仮に憲法改正を選挙の争点として打ち出すならば、「自民党の9条改正案反対」でしょう。自民の「憲法改正条文イメージ」には、「内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」とあり、権力強化ばかりが前面に出ており、とても国民の支持を得られるものではありません。

この条文案、自民党は選挙でふれられたくないはずです。野党はむしろ選挙戦で叩きまくったら良いし、テレビでの討論番組で、自民党に見解をただしたら良いでしょう。そこでブレたり、おかしなことを言ったりすれば、自民党がおかしな改正をする機会を完全に奪うことが出来ます。安倍政権も一番確実に倒せるはずです。

自民党の案には、橋下徹氏も反対です。

 辺野古については、米軍基地が沖縄に集中している現状は必ず変えるべきと思いますが、野党にも代替案はありません。旧民主党がこの問題で大混乱を起こして基地問題を膠着化させたのも事実で、選挙では決してプラスにならないでしょう。共産党支持層が喜ぶだけの争点です。また、大変良くないことではありますが、沖縄県以外での関心が薄いと思います。土砂投入をはじめとする強引なやり方には多数が反対しています。ただ、賛否以前に、本土での報道の量自体が少なく、残念ですが国民があまり関心を持てない状態に見えます。

安倍政権の基地問題への姿勢は確かに間違っていますし、野党が批判すべき点はあります。たとえば、沖縄基地負担軽減担当大臣を菅官房長官が兼任しており、政権がそもそも基地問題を軽視していることが明らかです。本来は、沖縄に何十回でも足を運べる立場の人が担当大臣になるべきです。菅氏は、そもそも対話路線をとらず、裁判にせよパフォーマンス的な土砂投入にせよ、とにかく強引一本槍。人事も含めた政権の姿勢や強引で稚拙な手法を批判することは必要です。ただ、これで安倍政権を倒せるほどに全国的な関心が高まっているかというと、残念ながら現状はそうではないと思います。

野党は、「脱原発・消費税・行政改革」で結集を!

野党は、「改憲・消費税・辺野古」ではなく、「脱原発・消費税・行政改革」で結集すべきです。以前、当ブログでは、野党はこの3点について、国民の前で公開討論を行ったうえで、協力すべきだ、と書きました。

野党は、野合もダメ、バラバラもダメ!:野党は①消費税、②原発、③行政改革につき、国民の前で公開討論せよ - 日本の改革

まず、脱原発です。これについては、年明けに経団連会長が国民的議論を呼びかけたり、原発の海外輸出が全て失敗したり、政府の原発・エネルギー政策の誤りがはっきりしてきました。これも当ブログで繰り返し指摘してきました。

経団連会長の「原発は国民反対ではつくれない」発言:国民とは何か、改革とは何か - 日本の改革

経団連会長「原発の議論をすると選挙に落ちる」発言⇒政府は国民と対話すべき。原発ゼロ決定で初めて対話が可能になる - 日本の改革

経団連会長の中西氏は、最近になってあらためて原発再稼働を呼びかける等、真意はもちろん脱原発ではないようですが、この問題についての国民的議論は是非必要で、今年の参議院選挙は、その絶好の機会です。

小泉純一郎氏は、経団連会長の発言に乗る形で、経団連に公開討論を要請していますし、

www.kanaloco.jp

小泉氏は更に、参院選に向けて、原発ゼロで野党は一本化しろ、と言い続けています。野党はこれこそ最大の争点にすべきです。世論調査では、再稼働にすら、常にダブルスコアで反対派が勝っていますし、それは合理的な判断です。原発政策は、エネルギー、安全保障、雇用問題等を含む幅広い問題であり、長期的な国の方向を決めるものです。「良識の府」である参議院選挙のテーマとしてもふさわしいでしょう。

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国民民主党が電力総連等の圧力で「原発ゼロ」と明確に言わないのは残念というより、けしからん話です。一応、国民民主党の政策の「2030年代原発ゼロ」の方向ということですが、出来るだけ踏み込んだ判断をすべきです。どうせ現状のままでは党が消滅するのですから。

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次に、消費税です。消費税については、現状でも、野党は共闘路線のようなので、そこは結構なことでした。国民民主党等が未だに消費税増税路線ですし、立憲民主党の消費税増税反対も、本気度が疑われるところはあります。

立憲民主党は、「本当に」消費税増税に反対か:連合は消費税増税に賛成。自治労もおそらく賛成。 - 日本の改革

ただ、枝野氏について言えば、民進党時代の代表戦で、社会保障政策の財源につき、前原氏は消費税増税、枝野氏は赤字国債発行を主張していました。赤字発行よりもまずは行政改革すべきと思いますが、いくらかは消費税増税に消極的なのかもしれません。

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最後に、行政改革です。本来は、公務員人件費削減、天下り根絶、政府関係法人の大掃除、政府資産の徹底的な売却等を行うべきです。ただ、現在の国民的関心について訴えるならば、やはり、行政への国民の信頼回復を挙げるべきです。モリカケ問題、財務省の公文書改ざん、防衛相の文書隠ぺい、厚労省裁量労働データでの統計の恣意的濫用、勤労統計での明確なルール違反と官邸の圧力の疑い等。相次ぐ問題に、国民は心底うんざりしているので、当然、選挙戦で取り上げるべきです。改革のために掲げるべき政策は、公文書管理法の改正、政官接触ルールの内容・運用の厳格化、そして、政府から独立した国家統計局や統計庁の設立等です。

最後に、統計不正について、現状の国会での議論とからめて、参院選でどのように国民に訴えるべきかを考えます。

現在、問題となっている統計不正につき、官邸が厚労省に政治的圧力を加えた疑いが生じていますが、政府は余裕の表情に見えます。ここに来て、参考人招致にも積極的に応じています。

厚労省に圧力をかけた可能性があるとされる元首相秘書官は、最初は答弁を拒否していましたが、次の日には一転して、厚労省幹部とのやり取りを答弁しました。正面から、問題なかったと言うスタンスでいこうとしています。朝日の以下の記事の写真、予算委員会前の麻生大臣と元首相秘書官氏の様子ですが、余裕の笑顔?にも見えます。

更に与党は、2月4日の最初の予算委員会には招致を認めなかった厚労省官僚2人についても、2月18日の集中審議で招致に応じました。
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これが政府を追い詰めた結果、というなら良いのですが、むしろ政府は逃げ切れると読んだから、姿勢を変えたようです。現在のところ、統計不正問題で、政権の支持率は落ちていません。むしろ少し上がっている調査さえ複数見られます。まだまだ国民には問題が伝わっていないのが現状です。

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野党は、それでも絶対にこの問題を追及し続けるべきですが、テーマを絞るべきです。この数日間で明らかになった官邸の圧力の問題と、勤労統計で抽出調査の3倍補正をひそかに2018年だけ行った不正は、徹底的にやるべきです。

ただ、「アベノミクス偽装」というのは、論点がぼやけます。まして、「アベノミクス批判」では、はっきり言って、国民に響きません。それで何回も選挙に負けている事実をちゃんと受け止めるべきです。また、経済政策の議論としても、問題はアベノミクスでの金融緩和ではなく、消費税増税だと思います。このあたりの議論は、統計不正の問題とは切り離して論ずべきです。

主張を明確化して、あくまで、統計不正と統計行政への政治的圧力の批判に絞る、そして、政治から独立した国家統計局や統計庁を設立する。こう主張すれば、一元化だけですまそうとする政府・自民党ともはっきり違いが出て、国民の関心も呼び起こせるはずです。野党は、攻め所を間違えずに国会論戦と参院選に臨むべきです。