日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

児童虐待の根絶には、国民の倫理観を変える必要がある。最も困難な戦いに挑む小池知事を支持!

今日の要点

・東京都が保護者の体罰を禁止する条例案を公表しました。都道府県初です。都民、国民の意識自体を変える画期的な内容です。

小池百合子都知事は、国民の倫理観を変えるという最も困難な課題で、成果を上げてきました。クールビズ受動喫煙禁止条例。今回の戦いにも是非勝利してほしいです。

東京都の保護者体罰禁止条例案

東京都は昨日、「子どもへの虐待防止を目指す条例案」を公表しました。罰則はありませんが、保護者による体罰などを禁止する条文が入っています。成立すれば、都道府県条例で初めての規定です。各地で虐待事件がやまないことを踏まえ、家庭内での体罰禁止に、明文の規定でついに踏み込みました。

昨年3月に目黒区の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが虐待で死亡したとされる事件を受けて、都が再発防止策の一環として条例案づくりを進めてきました。今月20日開会の都議会に提出する予定で、もう4月からの施行を目指すということです。

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この条例案に賛成し、予定通りの施行を強く望みます。

学校教育法では、体罰は明文の規定で禁止されていますが、それでも子供を自殺に追い込むようなひどい体罰が後を絶ちません。学校に根付いた社会規範は牢固として変わらず、教師達は相変わらず子供が死んでしまうようなひどい体罰まで行っています。

ましてや、民法には親の体罰を禁止する明文規定がありません。一方で、親の懲戒権の規定は残っているため、家庭内で親は子供への暴力・暴言は構わないと考える親・保護者・同居人等は、教師より更に多いのが現状でしょう。

日弁連は、2009年の意見書で、民法から懲戒権の規定を削除するべきだ、と主張してきました。あわせて、「子は,暴力及び屈辱的方法に拠らない養育を受ける権利を有す 」という趣旨の規定を設けるべき、としています。

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/090918.pdf

さらに、2015年には、子供への体罰を禁止するよう政府に求める意見書も発表しています。https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2015/opinion_150319_4.pdf#search=%27%E8%A6%AA%E6%A8%A9+%E6%87%B2%E6%88%92%E6%A8%A9+%E4%BD%93%E7%BD%B0+%E6%97%A5%E5%BC%81%E9%80%A3%27

国連も、日本に体罰全面禁止の法制化を求めてきました。今回の条例案は、子供を守るために、こうした内外の動きに対して国に先んじて応えたものです。

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民法の懲戒権規定の時代遅れぶりと国会での議論等については、以下の記事がまとめています。民主党政権の旧悪の一つは、懲戒権規定の改正が全く中途半端だったことです。リベラルを気取っても、中身は古臭い価値観でがんじがらめの議員達が多いのでしょう。

webronza.asahi.com

悲惨な児童虐待事件の根本的な原因は、あえて言いますが、児童相談所や警察といった行政にあるのではなく、子供への暴力・暴言を肯定する親等の倫理観にあります。そして、親等のこうした倫理観は、国民全体、社会全体が持ってしまっている、子供への暴力・暴言を容認する倫理観に支えられています。この根本原因を除くよう、住民全体、国民全体、社会全体に訴えかけ、人々の内面にある良き動機を生かすようにしなければ、悲惨な児童虐待の根絶などありえません。

学校の、ましてや保護者の体罰に関する倫理観を変えるのはどれほど困難なことか。体罰は必要だという人達はたくさんいます。

ironna.jp

体罰は必要だという本も出されています。

 

それでも、体罰は必要だ! (WAC BUNKO)

それでも、体罰は必要だ! (WAC BUNKO)

 

 体罰は必要だという宗教団体・圧力団体のトップもいます。安倍総理を支持する日本会議です。加瀬英明にいたっては、「体罰の会」という団体まで作っていたという情報まであります(発起人の名前を見て目を疑いましたが、未確認情報なので書きません)。

www.buzzfeed.com

 

単に、有識者の意見や団体の意見ではなく、何よりも国民全体に、子供への体罰は必要なんだ、やむを得ないんだという抜きがたい倫理観が残っています。

小池都知事は、結愛ちゃんの虐待死事件の再発防止策につき、単なる予算措置や児相等の改革だけでは済ませませんでした。今回の条例案で、人々の倫理観を変えようという、最も困難で最も批判される戦いに挑みました。私はこれを素晴らしいことだと思います。

条例案の一部を紹介します。

(保護者等の責務)
第六条 保護者は、子供の養育に係る第一義的な責任を負っていることを踏まえ、虐待が子供に与える重大な影響を認識し、子供の健全な成長を図らなければならない。
2 保護者は、体罰その他の子供の品位を傷つける罰を与えてはならない。

他に、「妊娠した者及び乳児又は幼児の保護者」が、母子保健法による区市町村の健康診査の受診勧奨に応じる努力義務等で、虐待の早期発見を図っています。また、保護者だけでなく、その同居人にも、児童相談所等の長が行う子供の安全確認措置への協力義務等を定めています。

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/02/13/documents/16_001.pdf

この条文を検討した都の部会では、やはり書き方には注意を払って議論しています。委員からは最初から「子育てに対する認識が混乱しないよう、規定の仕方は慎重に検討をすることや、子育てについての明確な方法や、支援を受けられることを明示していくことが必要」といった意見等も出ていました。それらを踏まえて条例案を作った様子が伺えます。たとえば、「暴言」等という表現は避けて、「その他の子供の品位を傷つける罰」としたようです。

都の検討部会の議事録は以下です。3回の検討会での議論のうち、以下の第2回、第3回で、文言について詳しく議論しています。

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/katei/jifukushin/jidou_28nd/senmon_28nd_jourei/dai2kai.files/dai2kai-joureisenmon-gijiroku.pdf

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/katei/jifukushin/jidou_28nd/senmon_28nd_jourei/dai3kai.files/dai3kai-joureisenmon-gijiroku.pdf

(ついでに言えば、以上の議論は、東京都福祉保健局の専門部会で行われているのですが、ちょっと見つけにくかったです。条例の制定過程については都民にすぐ分かるように、条例案公表のページにリンクを貼る等、もう少し工夫してほしいですね)
www.fukushihoken.metro.tokyo.jp

国民の倫理観を変える戦いで成果を上げてきた小池百合子都知事。今回の戦いを応援します!

小池都知事は、これまでの長い政治キャリアの中でも、国民の倫理観を変える戦いに挑み、成果を上げてきました。

クールビズ。最初提案されて始められたときは、どれほど嘲笑されたことでしょう。何を下らないこと言ってるんだ。なんで国に服装まで指図されなくちゃいけないんだ。広報ばっかりやって、それが政治家の仕事か。これだから女の言うことは。そんな言い方を、身の回りでも聞きました。

しかし、この政策は実現し、服装についての人々の倫理観自体が変わり、夏はむしろクールビズにすることが当たり前の倫理観となりました。日本のサラリーマン社会はそう簡単に変えられるものではありません。それを、政治家の立場で、これほど鮮やかに変えた例は他にそうはありません。

受動喫煙防止。これはすさまじい戦いで、現在進行中です。喫煙者が2割未満といっても、その2割の倫理観が全く変わりません。政府提出の法律が全くの骨抜きになったことからも明らかです。

第一、受動喫煙防止対策が、飲食店等を名宛人にすること自体が、実は大変間接的な、腰の引けたやり方です。端的に、喫煙者の良き心に訴えて、その倫理観を変えるべきです。小池都知事が事実上のリーダーである都民ファーストは、この最も困難な課題に正面から取り組みました。それは、「子どもを受動喫煙から守る条例」として結実しました。時間はかかっても、確実に都民・国民の倫理観を変えていくことでしょう。

www.fukushihoken.metro.tokyo.jp

一言で倫理観を変えると言っても、これは極めて難しいことです。善悪の判断そのものについての感じ方なのですから、今まで善いと思っていたことを変えろと言われた人は、激しく抵抗します。抵抗する人は、自分で「悪い」ことをしているとは思っていなくて、むしろ「善い」ことをしていると思っているから大変です。ましてや、住民、国民、社会全体の倫理観を変えるのは、途方もないことです。

子どもを受動喫煙から守る例のときにも、行政がなんで家庭内に立ち入るんだという批判が相次ぎました。今回も同じ批判にさらされるでしょう。どれほどの反対があっても、どれほど罵倒されても、何が何でも子ども達の命を救うんだ、結愛ちゃんのような子供達が安全に、健やかに成長できる社会を作るんだ。その断固たる意志を示した小池知事を支持します。