日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

旧民主党は、三党合意の消費増税を国民に謝罪し、同じことを安倍自民党に要求せよ。

今日の要点

・なぜ野党は、統計不正でピント外れの質問を続けるのか?
⇒実質賃金にこだわるからです。2月8日の立民に至ってはただの怠慢でしたが。

・なぜ実質賃金マイナスばかり言っているのか?
⇒消費不振を重視しないからです。

・なぜ消費不振を重視しないのか?
⇒消費不振は2014年の消費税増税のせいで、それは旧民主党のせいでもあるからです。

・どうすれば野党は、消費増税という失敗を厳しく追及できるのか?
⇒三党合意による消費増税が誤りだったと認め、国民に謝罪し、自民党に同じことを要求すればよいのです。それをやって初めて、国民の気持ちに届く政権批判になります。

統計不正での立憲民主党議員のピント外れ。実質賃金重視をやめよ。

 

2月8日の衆院予算委員会での統計不正の質疑。統計担当の幹部だった大西・前政策統括官を参考人招致したにも関わらず、立憲民主党の質問は、全くの不発でした。立民は何の新事実も持っておらず、それ以前に、質問する能力どころか、参考人に厳しく問い詰める気さえないような、気の抜けた質問に終始しました。

2月8日の衆院予算委の質疑に限っては、どのメディアも、立憲民主党を叩いています。政府与党に厳しい朝日、毎日も不満顔です。

朝日新聞は、

「政権幹部は余裕を見せた。「大西氏をせっかく呼んだのに野党は質問しないのかね。質問することがないんだろうな」」

digital.asahi.com

毎日新聞もこうです。

見出しから「甘い追及、野党不発」とアッパーカット。

「大西氏は新味に乏しい答弁に終始。勤労統計に続いて発覚した「賃金構造基本統計」の不正では問題を隠蔽(いんぺい)した可能性もあるが、野党は質問もしなかった。厚労省関係者さえ「野党はもっと厳しく追及できたはず」と漏らした」

mainichi.jp

つまり、与党からも、それどころか、おそらく厚労省の役人からさえ、「野党はもっと厳しく聞かないの?」と言われています。立憲民主党は、政府はどうせ参考人として呼べないだろうと踏んで、ろくに準備もしていなかったのではないでしょうか。当日質問に立った立憲民主党の三人、川内博史氏、大串博志氏、逢坂誠二氏には、猛省を促したいところです。

こんな純然たる職務怠慢は論外として、そもそも、野党による統計不正の追及の仕方は、ピントが外れています。これについては、繰り返し当ブログで指摘してきました。

衆議院予算委での質疑、政府・与党はひどすぎる。立憲民主党は手ぬるい。 - 日本の改革

昨年6月の名目賃金の伸び率は、3.3%⇒2.8%?1.4%?:最も深刻な不正は、3.3%と2.8%の違いにある。 - 日本の改革

繰り返しますが、大規模事業所の割合を2018年以降だけ補正し、2017年までは補正しないというやり口が最大の問題です。明らかに2018年の伸び率を高く見せるための不正で、この点の経緯、動機について、徹底的にこだわって聞くべきです。せっかく招致した大西・前政策統括官にも、時期的に見てその前の政策統括官の酒光一章氏にも、この点を質すべきです。立憲民主党でも、長妻氏はこの論点を聞いてはいたのですから、もっと時間もとって細かく厳しくやるべきです。

野党がこだわる「実質賃金がマイナス」という主張は事業所の入替方法を変えたことによるもので、こんなものは甲論乙駁、どちらも言い分があるね、で逃げられますし、現に逃げられています。従前の公表値でも、2018年の実質賃金がマイナスの月はあったのだから、程度問題とも言えます。国民に全然響いていません。

これに対し、大規模事業所について2018年以降だけ補正し、2017年まで補正せず、しかもそれを公表しなかった点は、清家篤氏や小峰隆夫氏のような複数の専門家が、当初から強く批判してきました。清家氏は「深刻」、小峰氏は「悪質」と断じています。

統計不信・識者に聞く 労働行政の根幹に影響 慶大客員教授 清家篤氏 :日本経済新聞

小峰隆夫氏「統計委を独立組織に」(統計不信) :日本経済新聞

この論点が問題の核心だ、としているのは、残念ながら、共産党の辰巳議員くらいにしか見えません。ただ、辰巳議員の質問も更に細かく突っ込むべきですし、はっきり言って、共産党の質疑では、世論が動きません。国民民主党には、この論点を共産党以上に厳しく追及してほしいところです。立憲民主党も、長妻氏の質問を更に深掘りしないとダメです。

旧民主党は三党合意自体が間違っていたと謝罪し、安倍自民にも同じことを要求せよ。そうすれば国会質疑で自由度が上がる。

統計不正に関する野党の質問は、実質賃金の重視をやめて仕切り直しすべきです。統計不正では歪んだ補正による賃金の上振れ、経済政策では消費不振こそ重要です。

では、そもそもなぜ旧民主党の議員達は、実質賃金マイナスばかり言っているのでしょうか?もっと端的に、消費の不振を重視すればよいはずです。最近の報道でも、2018年の消費支出がマイナス0.4%だったと大きく出ています。

www.nikkei.com

立憲民主党も国民民主党も、安倍政権の経済政策を批判するときに、なぜ実質賃金がマイナスという点ばかり重視して、消費支出がマイナスであることを重視しないのでしょうか?

おそらくは、消費不振をあまり突っ込むと、旧民主党政権の三党合意で消費税増税を決めたことの責任を問われかねない、と考えているからです。

当ブログで以前から書いていますが、安倍政権は、ケインジアン的なアベノミクス増税優先の「社会保障と税の一体改革」の両方で股裂き状態の経済運営を続けてきました。

消費税増税の是非:安倍政権は、小泉政権の改革の原点に立ち返れ。 - 日本の改革

旧民主党の議員達の誤りは、アベノミクスでの実質賃金マイナスは批判する一方、自分達の関わった消費税増税とそれによる消費不振については、政府与党を厳しく追及しないことです。

しかし、国民が一番体感する景気の現実としては、2014年の消費増税以降、自分達が十分消費できていない、それが何年も続いている、しかもまた増税になる、もっと消費を締めないと・・・ということです。消費増税がいかに消費に打撃を与え、今なお回復していないか、以前作ったグラフを再掲します。

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データ出所:総務省統計局

統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯)


では、どうすれば野党は、消費増税という失敗を厳しく追及できるのでしょうか?
言うまでもありません。三党合意による消費増税が誤りだったと認め、国民に謝罪すればよいのです。旧民主党政権には、良い面も確かにありました。しかし、三党合意による消費増税は、本当に最悪の決定でした。普天間基地問題に関する混乱を上回るひどい決定だったと思います。なぜなら、二大政党(と公明党)が談合して、国民を害する政策を決めたからです。

旧民主党の議員達は、本気で二大政党制を実現し、政権交代をまた行いたいなら、二大政党の談合という三党合意による消費増税と、それによる景気後退について、誤りを認めて、国民に真摯に謝罪すべきです。再び政権獲得を目指すなら、この点について、旧民主党政権の総括が絶対に必要です。

そのうえで、三党合意通りに消費増税を行った安倍政権にも、自民党にも、同じことを要求すればよいのです。「謝ったら死ぬ病」の安倍政権も自民党も、今さらとても誤りを認めた謝罪など出来ないでしょう。安倍自民党を追い詰め、自分達は潔く謝罪して信頼を回復する。立憲民主党も国民民主党も、是非これをやるべきです。