日本の改革

日本の改革に関するブログです。あるべき改革や政策等について考えていきます。

厚生労働省の監察本部、総務省の行政評価局:安倍政権の後半、役所の内部統制が緩み切っている。

今日の要点

・昨日の参議院予算委員会厚労省が不祥事を起こしたときの同省の監察、最初に役人だけで調査を行うことが批判されました。2016年から仕組みを変えたようです。

厚労省に代わって、総務省の行政評価局が検証を行うようです。ここの調査も、最近は役所に甘く見えます。安倍政権後半、役所の内部統制が緩んでいます。

参議院予算委員会の質疑:2016年、厚労省の監察制度は外部有識者を調査から外して独立性失う。

昨日の参議院予算委員会、国民民主党足立信也議員の質問。厚生労働省が外部有識者に連絡もせずに役人だけで調査を行った点を追及しました。今回の勤労統計に関する調査で、有識者は一人も入っていないどころか、厚労省は彼等に連絡さえしておらず、しかもそれが厚労省の制度として常態化している実態を明らかにしました。

かなり実務的に質問を重ねる感じで、根本厚労大臣が同じ答弁を繰り返したり、答えに窮したりで、審議が何回もストップ。この議員、なかなかやります。

厚生労働省に、内部監察のための「監察本部」が設置されたのは、2011年の民主党政権時代でした。

厚労省に「監察本部」設置、不祥事発生時の検証を担当|医療維新 - m3.comの医療コラム

その頃は、そこで「検証チーム」というものを立ち上げて、外部有識者がその主査になり、有識者の責任で調査して、その結果を監察本部にあげていた、ということです。

このやり方は、安倍政権になってからも踏襲され、2015年度までは続いていたようです。安倍政権になってからの監察本部の報告は、以下にまとめられています。

www.mhlw.go.jp

ところが今回は、有識者による独立的な「検証チーム」ではなく、役人だけの「監察チーム」というのを作って、昨年から今年の年末年始の頃、外部有識者はゼロの状態で、調査を行いました。そこで事実上決まった内容をもとに、1月10日以降に初めて有識者が入って、報告書をまとめたようです。

根本大臣の答弁によると、2015年までは外部有識者を入れた調査だったのが、2016年からはやめてしまい、まず役人だけが調査している。監察本部を常設にして、集中的にやるため、と答弁していますが、常設になる代わりに独立性・中立性はゼロになった形です。今回の調査は、最初からこんな体制で行われていました。

その理由は、と足立議員が聞くと、経緯をぐだぐだ述べたり、とにかく集中的にやるから、今回は年末年始だから、と繰り返す答弁。

 足立信也議員「年末だからという理由ですか。そんなことで断る人たちじゃないですよ、何をばかにしてるんですか」

で、年末だから来れないかどうか、有識者本人達に本当に聞いたのか、と聞いたら、「情報共有」はしました、それは1月10日のことです・・・。

 根本厚労大臣「有識者には年明けに連絡をして、1月10日に集まっていただきました。年末には、有識者には連絡をしておりません」

今回の事案について、外部有識者は調査に入らないというのは、誰が決めたのかという質問には、官房長が決めたという答えだったので、定塚官房長が今度呼ばれるのでしょう。というか、なぜ昨日いなかったのかが不思議ですが。

こんな感じで、根本大臣が相当やらかしていて、野党はけっこう見せ場を作った感じでした。TBSのウェブサイトは以下のように報じています。 

「“お手盛り”調査で客観性に欠けると追及する野党に対し、根本大臣の答弁は度々中断。その都度、担当職員や周囲に座る閣僚らが根本大臣に耳打ちします。こうした状況に与党内からも不安の声があがっています。

 「根本さんも質問のかわし方が下手だね。厚労省が大変なのは分かってるんだから彼を大臣にしてはダメだよ」(自民ベテラン議員)」

根本更迭は既定路線でしょうね。

news.tbs.co.jp

以上は、そもそも厚労省の監察の体制が全然なっていないという話でした。肝心の勤労統計の不正、第一に、全数調査しなかったこと、第二に、抽出調査の復元をしなかったことについては、この二つの決定を誰がしたか、という質問でした。

第一の点についての大臣答弁は、2003年当時の厚労省統計情報部長の決裁、ということでした。しかし、足立氏は「納得する方はほとんどいない」と批判。要は、統計法の罰則規定まで知っているはずの統計情報部長が、自ら進んで不正をやるはずがない、という趣旨のようです。このあたりは、まともな第三者委員会でしっかり調べないと全く分かりません。

headlines.yahoo.co.jp

 

あと、立憲民主党の石橋議員は、不正な調査手法を実施した東京都側からヒアリングを行っていないということで、「客観的な証拠がない」などと厳しく批判しました。以下、日テレのウェブサイトの引用です。

立憲民主党石橋通宏議員「今回は一切(都から)ヒアリングを行っていない。それでよろしいですね」

厚労省・藤沢政策統括官「特別監察委員会の報告書の取りまとめに際しては行っておりません」

石橋通宏議員「まったく客観性ある証拠も材料もないじゃないですか。1月22日の監察委員会報告は撤回してください」

根本厚労相「私はこれはこれで(客観的に)明らかにされていると思いますが、今特別調査委員会で委員が自ら聞き取りをするという形で、今さらなる調査をしています」」

石橋議員、声が大きくてうるさ過ぎる感じですが、ポイントは一つ上げたと思います。

headlines.yahoo.co.jp

調査は総務省行政評価局で。ここも、最近の調査は手ぬるい。

上の参院予算委の審議と同日(昨日)、菅官房長官は「賃金構造基本統計」の不正調査の検証を総務省で行うと発表しました。さすがにまずいと思ったようですね。神妙に、以下のように言っています。
 「統計数値上の問題というよりも、むしろ行政機関としての基本的な姿勢に大きな問題がある。外部の目を入れるという観点から担当省とは異なる立場で行政にメスを入れる」

最初から、昨年末からそう言ってれば、野党の見せ場なんか作らなくてよかったのに、相変わらずの後手後手。野党とメディアをなめ切っているから、最初の判断をいつも間違えています。せめて国民一人一人が声を上げ続けないと、国民がなめられっぱなしです。

さて、賃金構造基本統計について、厚労省が進めてきた検証について、引き継いで調査するのは、「総務省行政評価局」だそうです。
(勤労統計問題は、厚労省総務省が「新たな組織を総務省に設置する準備を進めている」とかで、両省で綱引き中でしょうか。菅も抑えきれてないかもですね。)

digital.asahi.com

この総務省行政評価局というところは、民主党政権時代や、安倍政権の最初の頃は、とても良い調査をしていたと思います。たとえば、2012年度の「国から補助・委託を受けている公益法人」全体の調査だとか、2013年度の「特別の法律により設立される民間法人等の指導監督に関する行政評価・監視結果」だとか、有用な調査だと思います。

ふつうはあまり着目されないけれど、既得権の巣窟になっている各種の法人の実態を、明らかにしています。行政内部の調査でもあり、その後の改善措置が不十分とは思いますが、行革の際に、とりあえず現状を知るには、役に立ちます。是非、アップデートしてほしいところです。

総務省|行政評価|平成24年度に勧告等を行った行政評価局調査

総務省|行政評価|平成25年度に勧告等を行った行政評価局調査

ところが、最近になってからの行政評価局の調査、どうも評価も勧告内容も甘い気がします。たとえば、2018年度の調査では、クールジャパン政策の評価もしていますが、あれだけメディアから批判されている政策について、「相当程度推進」できているが少し改善すべき部分がある、としている程度です。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000550938.pdf

ちなみに、2018年度の調査一覧はこちらです。どうも、かつてのような、行政改革という視点から離れている気がします。

総務省|行政評価|平成30年度に勧告等を行った行政評価局調査

今回の統計不正について、クールジャパン政策に関する調査のような、通り一遍の検証で済ませてはいけません。

厚労省の監察制度といい、総務省の行政評価局調査といい、安倍政権の後半(2016年くらいから?)、行政の内部統制が緩んでいます。長期政権は、やはり行政を腐らせてしまいます。安倍政権に良い部分があるのはもちろん認めますが、長すぎる政権は、それだけで問題です。

今回の統計不正、総務省の行政評価局に任せるのは、厚労省自身がやるよりはマシですが、どの程度厳しく実態に迫れるのか。将来的には、やはり、統計部門は内閣から独立した形にするべきです。橋下さんのツイートで、更に意を強くしたことでした。

 野党には頑張ってほしいところですが、立憲民主党の辻元国対委員長が、外国人から政治献金を受け取っていたことが分かりました。言語道断ですし、昨日も書きましたが、この人は国対委員長としても無能だし、すぐに国対委員長を辞めるべきです。
www3.nhk.or.jp